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タイは都会でも野生動物が多いから要注意

 今晩も野良犬の鳴き声が聞こえる。

 あくまでも持論だが、夜間外出禁止令で自由になった野良犬たちが野性化するのではないか、と。バンコクは保健所が動いて野良犬がときに捕獲される。ただ、日本と違うのは殺生をしない方針なのか、表向きには殺処分などはせず、都内の施設で健康状態を良好にしたのち、他県にあるバンコク都の施設で生涯飼育される。あくまでも表向きで、実際にどこまで運用されているかはわからないが。

 また、保健所のほか、慈善団体などが狂犬病のワクチンなどを打って、再度リリースすることも多い。そのため、バンコクの野良犬は比較的安全な状態は多い。

 とはいえ、タイの野良犬は昼間こそおとなしいものの、郊外などでは夜間に徒党を組んで人を襲うこともある。夜間外出禁止で自由になった、あるいはエサなどをくれる人が減ると野性化するのではないかとボクは懸念している。事実、夜間外出禁止令以後、近所の野良犬の鳴き声がよく聞こえるようになってきた。

 そもそもタイはバンコクでさえ、案外に野生動物が多い。公園でのんびりしていたら襲われかねないので、注意が必要だ

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 タイは首都バンコクでも都心から20キロも離れればジャングルかと思うような場所になる。都内でも緑が多く、また未開発の土地もまだまだたくさんある。高温多湿で、湿地帯が元々多いこともあり、沼や運河がそこかしこにある。

 そんな土地柄なので、特に爬虫類が多く生息する。ヘビも巨大なものがいるし、イグアナのようなトカゲ系の生物もやたらにいる。ボクの自宅は一応マンションになるのだけれども、その敷地内の公園でさえ、母親たちは子どもたちを遊ばせる際に藪の中に入らせないように注意を払う。事実、メーター超えの巨大なトカゲをボク自身も何度も見ている。うちの子どもたちもそれを見ても最早驚きもしない。

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 この画像はバンコク首都警察本部(日本の警視庁に相当)の敷地内で見かけたトカゲだ。このサイズは全然大きなものではなく、普通のサイズだ。うちの敷地内で見かけるのもこのサイズだ。ボクの自宅はバンコク郊外というか隣県にあるのだが、子どもを学校に送る際に道路脇の沼から出てきたトカゲは、道路の片側一車線の幅よりも大きなものだった。それくらいのサイズもよくいるくらいで。

 ヘビもまた大きくて、小さなサイズはバンコクに普通にいるし、2004年から参加しているタイの慈善団体の救急救命部門で活動していたときには何度か2メートルはあろうニシキヘビ(正確な種類はわからないが、あんな感じ)の捕獲に駆り出されたこともある。

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 水辺に目を向けても、このように巨大な生物はたくさんいる。チャオプラヤ河でも画像のようなメコンオオナマズ系の魚は普通にいる。地方だと、特にメコン河とかになれば淡水エイもいて、これなんかはギネス記録レベルの大きなのもいたりする。

 ほかにはワニもときどき出る。タイではワニの養殖場がいくつかあるようで、雨季の洪水などでよく脱走ワニが出てニュースになる。2011年の大洪水の際もワニ騒動が各所であったほどだ。

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 去年か今年の話だが(タイは季節的変化が少ないので、過去の記憶が曖昧になる)、バンコクの旧市街に出かけたときも、ワニらしき生物を見かけた。王宮やワット・ポー、カオサン通りがあるエリアで、スクムビットエリアから乗ることができるセンセーブ運河の起点で見かけた。

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 画像中央辺りに水しぶき的なものがあるが、ちょうどそのワニらしきものが水に沈む瞬間である。大きさは数十センチレベルではあるが「え? ワニ?」と思ってじっと見てしまったので、シャッターチャンスを逃してしまった。

 タイは観光名所などにゾウがいる。十数年前まではバンコクにもゾウ遣いがゾウを連れて歩いていたものだが、バンコク都が禁止したため今は見なくなった。それでもアユタヤやパタヤ、チェンマイではゾウのショー施設があり、ゾウを間近で見られる。しかし、稀にストレスから暴れて人を襲うこともある。ちなみに、バンコクのゾウもたまに屋台を襲って地元民と揉めることもしばしばあった。だから禁止になったのかもしれないが。

 野生のゾウもタイ国内は少なくない。北部の山岳地帯のほか、タイ中央部と東北部の間に横たわる森林公園「カオヤイ国立公園」なんかにも野生ゾウがいる。動画などで検索するとゾウが車を襲っているシーンがいくらでも出てくる。

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 野鳥的なものもたくさんいる。日本では見かけないような鳥も少なくない。バンコクでもよく見かける。

 また、中央部の端にあるロッブリー県は中心部に野生のサルがいる。先のカオヤイもサルはたくさんいて、常時、観光客の荷物を狙う。

 北部の国立公園というか、自然保護区に取材で行ったことがあるのだが、そのときは夜テントで寝ているところを野生のオオカミに襲われたこともある。実際はその土地固有の野生の犬だったようだが、ボクの足がテントの幕に当たっていたのだが、そこを何度も噛みついてきた。幸い滑るので実際に噛みつかれることはなかったが、なんか攻撃してくるなとは思っていた。寝ぼけていたからわからなかった。もっと言えば、そんな動物がいるとは思わず、その1時間ほど前にボクはキャンプ地を離れて星空をひとりで観に行っていた。同行の山岳ガイドがなにも教えてくれなかったので、そのときは知らなかったのだ。

 バンコクのセントラルパークとも言われる「ルンピニ公園」も案外に野生動物が多い。主に爬虫類でヘビと巨大トカゲは多い。ニューヨークのセントラルパークは敷物を敷いてひなたぼっこをする人が多く見られるが、バンコクのこの公園でそういう人が少ないのは、陽差しが強すぎることのほか、そうおちおち寝ていられる場所でもないという事情があるからだ。

 このようによく言えばタイはバンコクでさえも野生動物が多いので、豊かな土壌と言えるでしょう。ただ、日本とは違った注意点も少なくないわけで、道路や建物など人工物以外の場所に足を踏み入れるときはちょっと注意が必要だ

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