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ウズベキスタン、行ってきたん(8)最終回、ありがとう、ウズベク好きだん!!

さて、少し間が開いてしまった。

新刊が2冊も出てプロモーションだのに走り回っていたのでお許しいただきたい。こんなところでウズベク旅行記を書いている私だが、本職はあくまで作家である。


上流階級 富久丸百貨店外商部 (小学館文庫) 高殿円 https://www.amazon.co.jp/dp/B07THYJWKG/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_VN.tDbBDN257H @amazonJPさんから

よかったら見て行ってね。わりと節操なくいろんな本を出しています。

35歳、働き女子よ城を持て! (角川書店単行本) 高殿 円 https://www.amazon.co.jp/dp/B07QY7GNRS/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_NO.tDbWVB6HR5 @amazonJPさんから

この不動産コラムは、あとで伏線になるのでちょっと覚えておいてくれたら。






ほんでもって、ヒヴァ滞在も三日目、とつぜんクレカが使えることに目覚めた我々は、物欲に火が付いていた。


ちなみに、これはリアル神学校。目の前にあるのは井戸っぽい。


油たっぷりのプロフ、わかっちゃいるがおいしすぎたよね……


ちなみに、スーパーでプロフの素は買えます。米も持ち帰りできたよ。観光地のスタンドでばら売りしてるけど、圧倒的にタシケントのスーパーのほうが安かったので、帰る日の時間つぶしにでもぜひタシケントのスーパーに寄ってほしい。

で、物欲に火が付いた愚かな我々は、またしてもお姉さんの店《ミルザボシ》に通っていた。

ハラダさんにはなんとしても欲しいものが二つあった。

ひとつは、金属製のクラシカルなおぼん。

ところがこれ、おぼん単体では売ってなくて、たいていこんなふうに水差しとかカップとセット売りしてあるわけです。


職人のおじいさんたちが作っていた現場に乗り込んでみせてもらったのがこれ。打ち立てほやっほや。

綺麗ね~!!

ここまできたらとにかくなんでも聞いたもの勝ち。なにせ我々にはマスターカードがある!!

ワイ「このおぼんだけを売ってもらうことはできませんか!?」

我々の物欲を察したのか、おねえさん、マスターカードをセットし一仕事終えた父となにやら相談後、すぐに、

「いいわよ」

と値段交渉開始。

ちなみに、そのおぼんには水差しとカップがセットでついていたんだけど、ハラダさんが購入したあとはさらっとほかのおぼんとセットになり、まるで「これは何世紀も前にさる貴族の一家がつかっていたアンティークで」みたいな顔をして飾られていた。


これがハラダさんがマスターカードのねばりを見せて買ったおぼん!!

中央のアラビア文字がとてもとても素敵!お値段70ドル(約8000円)




そして、本日の本命、シルクのじゅうたんですよ。

大きさはだいたい、二人がけのソファより少し大きいくらい。

絨毯といっても総シルクのアンティークだから、毛布くらいの重さ。ラグといったほうがいいかも。

つやっとした表面の光沢がシルクさまの存在感を我々愚民に知らしめていますよね……

あまりえげつないディスカウントは旅の無粋と知れども、さすがに総シルクの絨毯、ここは交渉させていただきましょうか、関西人として。

だいたいの予算は聞いていた。ハラダさんはたぶんここでふっかけられても買うだろうことも予想はついていた。だって日本だと確実に10万は超える品であることは平たい顔の国からやってきた素人の我々にでもわかる。

ちなみに、法律であまりにも古い時代のアンティークだと国外に持ち出しできないのでアンティーク買うひとは気をつけてね。

ハラダさんが買ったのはそこまで古い時代のものではなかった。ただ、はしっこの房飾りが一部分なくなっていた。穴はなく、ラグとしての状態は悪くないほう。色あせもない。

おねえさん「300」(ドルで交渉してます)

ワイ「でも、ここにもここにもダメージがあるよね」

おねえさんたち、笑う。

おねえさん「うーん、じゃあ280」

ワイ「250」

だいたい数日通った感覚で、どれくらい上乗せされるかもわかっていたから、ここまではそんなにひどいディスカウントではない。こっちもこれ以上のディスカウントはしない方向で。

すると、おねえさん、笑って「いいよ250で」とあっさり了承。

250はたぶんそんなにふっかけられてない。

我々が数日カモとして金を落とし続けたお礼としてのディスカウントだったのだろうと思う。私もそれがあったからけっこう思い切って50ドル下を提案できた。いやあなんせ、私たちここで買い物しまくりましたから。

明日朝イチの飛行機で、我々がヒヴァを発つこともおねえさんは知ってる。

「またね」「三回目があるかもね」なんて言ってバイバイした後、日が暮れてほかの店の前でご近所さんと話し込んでいるおねえさんたちを見かけた。「アハハ、またねー」と手を振って。きっと「あの人たちうちでめっちゃ買い物してたwww」とか言ってるのかもしれない。


ハラダさんは、ついにじゅうたんを手に入れた!(もちろんマスターカードをきった)

見てこの繊細な織り!!!!!!!(ひとの絨毯だけど)

素敵ーーー!!!つやっつやです!!



おぼんも手に入れた。

茶碗とティーポットも手に入れた!!(ハラダさんが)

そして、ヒヴァ最後の夜、根性でトランクケースの中に絨毯を押し込んでいた。ハラダさんのトランクケース、えらい。


ありがとう、ミルザボシのおねえさん。三日間通い詰めてごめん。

またいつか。

お子さんたちが健やかに育って、ミルザボシのお店が繁盛しますように。





後日談:

私、じつは帰国してからイケアに行きまして、

そこで、似たような絨毯、というか足マットくらいの大きさのものをみつけたんです。

ハラダさんの買った2メートル・3メートルのラグ、約28000円。

イケアで売っていた足マットサイズ、このお値段。

半分以下の大きさで、じゅうさんまん!?!?これシルクでもないのに????

ハラダ「日本で買ったら、あのシルク絨毯30万以上するってこと!?!?!?!?」

ワイ「…………ワイ、ヒヴァに絨毯買い付けに行くだけの商人になりたい。ワイはトルネコになる……」

ハラダ「あたいもなる……」

ウズベクから帰って3ヶ月にもなるのに、未だに、そんなことを言っている我々です。


とにかく、ヒヴァは最高だった記憶しかない。

二日目の昼間、軍楽隊らしき楽しげな演奏がありました。

ウズベクにはいろんな軍や警察がいます。

ヒヴァの焼きうどんは太麺。

ヨーグルトをぶっかけて食べる餃子です。おいしい。


たった一本で重い天井を支える飾り柱。象徴的ですね。


これは遊牧民族の幕屋レストラン。

そういえば、ヒヴァを後にしてタシケントに戻って来た日の夜、フェスがあったんです。

フラワーフェスティバル的な?

タシケント一うまいプロフ屋をねじろにしているふくふくのぬこさま。

フラワーフェスティバルは、昼間はこんな感じ。

ちなみに、めちゃくちゃ暑くて、暑くて、暑くて、ヒヴァの砂漠にやや慣れた我々も、昼間は出歩けず、これ、日が落ちてからの写真です。

それまで何してたかというと、ホテルにこもって、ひたすら半身浴して、ルームサービスとって、だらだらと……



ハラダさんの家を探していました。



ワイ「ぜったい家買った方がいいって。これとかいいじゃん」

ハラダ「50平米は欲しいんだよねーー」

ほんとうに6時間くらい家を探していた。

なぜかというと、

この本は、ハラダさんのデザインなのである。(あ、上流階級もそうだった……)

なので、ハラダさんは中身を熟知している。

ワイ「目黒とか恵比寿とか、代々木とかいいよ。ぜったい値崩れしない!」

ハラダ「代々木いいな~」

うだうだ、タシケントのホテルでそんなことを言っていたのだが、




ハラダ「わい、家を買うわ」




ハラダさんは、帰国後一ヶ月もたたずに、東京の一等地にマンションを買ったのである!!!!!!!!!!


なんかすごくないですか???いや、なんかごめんね????????

でも、正解だと思うの。









もちろん、家を探してはいたが、日が落ちてからスーパーにも行ったし、せっかくなのでフラワーフェスティバルをひやかしてみたりもした。

タシケントのスーパーにいたクマ。アクティブに踊っていたけど、すごい西日でヤバい暑さだった。中の人が心配。


海がない国だからか、基本魚が高い!

そして肉が安い。(イスラム圏なので豚は食べないよ)


なぜかチーズはそこそこする。

10コいり約65円ナリ。


基本毎日、路上ではフリーマーケットが行われていて、

ロシア時代の東方正教会グッズがいっぱい売られていた。

天使のお茶会絵は気になっていたんだけど、200ドルもするので諦めました。ソビエト軍グッズや東方正教会グッズはわりとどこでも売りに出されていた。あと旧ルーブル(ソ連時代のお金)とか、ソビエト時代の軍票とか。




楽しかった!!!!!!



この後は、タシケントから仁川までひとっとび、そこでバイバイして私は関西空港へ、ハラダさんは羽田へ。

simカードをヒヴァの砂漠の中に落としたことに気づいた私は、この後一週間くらいスマホが使えなくて死ぬ思いをしました。いまの日本で野良wifi生活はできないね……

(みんな、simの入れ替えには気をつけような。あと海外simが複数増えてきたら、チャージ型周遊simは別途ホルダーに管理しよう。ピンとともに)


こんなに長くなるとは思わなかったけど、(8回もかかってしまった)

ここまで読んでくださってどうもありがとう。

ウズベキスタンはほんとうによい国で、今ならちょっとしたお金持ち気分を味わえたりするので、旅行先を探されてるならおすすめです。

ただし、適度な春か秋に!!!!!!!!!!!!!!

限界はゴールデンウイーク。それ以降は、焼け死ぬ。冬もけっこう寒らしいよ。

男性ならカザフ周遊もおすすめです。トルクメニスタン入国はいまはちょっと厳しいみたい。なんにせよ、ウズベク一国だけでも広い国。すんごく楽しめます。

またどこかに旅をします。




旅費にしますので、おもしろかったよーという方で、投げ銭してくださるとうれしいな。


みなさまも良い旅を!




高殿円筆



(あともう一回、番外編で、今回の旅行でちょっと危険な目にあったこととか、笑っちゃうけど笑い事でなかったこととか、書き記しておこうと思います。

 いやー、ほんと、いろいろあった……)


いつもは本や映像や舞台にするための物語をつくっています。 ここでは、もう少し肩の力をぬいて、本などの形に仕上げることを考えず、気楽になにかを発表していきたいと思います。 ぶっちゃけサポートほんとうにほんとうにうれしいです。ありがとうございます。お返事しています。