ダルマ師匠(さとうきび畑)

3児の父。共働きで毎日が一瞬で終わる日々。なるべく地球に優しい家づくりを探求中。日本の…

ダルマ師匠(さとうきび畑)

3児の父。共働きで毎日が一瞬で終わる日々。なるべく地球に優しい家づくりを探求中。日本の古き良き伝統と現代のテクノロジーをいかしあい、古くて新しい大磯のスタイルを探求します。2021年8月竣工。家が完成したら、大磯の山を走るようになりました。

マガジン

  • 石場建てを巡る冒険

    大磯の古くて新しい家づくり なるべく地球に優しい家になるように。日本の古き良き伝統と現代のテクノロジーをいかしあい、古くて新しい大磯のスタイルを探求します。大磯/杢巧舎/石場建て/土壁/木組み/手刻み/ゼロウェイスト/リジェネラティブ/サーキュラーエコノミー/足るを知る/これで十分/A邸 akashi.cc

最近の記事

#007 竹小舞/タケコマイ

上棟を終え、間もなくすると竹小舞となる。杢巧舎の木村さんからは、「明石さん、よろしくね」と告げられ、私の竹小舞生活がはじまった。 当時、仮住まいしていた借家の裏にある竹藪から400本の竹を切り出した。これらの竹を分割し乾燥させて、ひとつひとつ手編みで編んでいく。鬱蒼としていた竹藪から、必要な分だけいただいて、暮らしに必要な空間を紡いでいく。ガンジーが非暴力の象徴として紡いだカディは、こんなテンションではじめたのかな。そんな、大それた妄想をしながら、日々、現場に通い、無心にな

    • 五寸勾配の切妻屋根

      今回は屋根について 新築を建てるとき、屋根の勾配や高さについて深く思索する施主はどのくらいいるのだろうか? 自分も、最初はそんなに気にしていなかったことなのだが、この家のフォルムを考えていくうちに、屋根の勾配や高さに妙にこだわっている自分がいることに気がついた。その気づきをココに記しておく。 印象的な外観 フォルムやファサードの側面から屋根を考えた場合、勾配がきつければきついほど印象的な外観になる。印象的な外観とは、記号化しやすく、記憶に残りやすい。小さな子どもでも「自分の

      • #006 上棟前夜

        ヨイトマケが一段落すると、いよいよ『上棟』の二文字が脳裏を過りはじめる。いまになって振り返ってみれば、上棟の本当の大切さが分かるように思う。 上棟とは、書いて字の如く「棟を上げる」ということ。すなわち、建築としてこれまで二次元の図面上(もしくは脳内のイメージ)にあったそれが、この現実の世界に物体として現れる現象だ。 今回に限っては、「石場建て」という工法を採用したことから、上棟までの道のりも困難を極め、ヨイトマケや確認申請などの作業や申請に数ヶ月を要した。出来るか出来ない

        • #005 よいとまけと虹の戦士

          よいとまけから一年が経ち、いまは地面を叩いたその上に暮らしている。現在進行形でレポートしていこうと思っていたものの、上手く進まないこともあり、手をとることなくその手記は止まってしまった。 そして、いま一年前を振り返りながら、改めて「よいとまけ」について書き留めておきたい。 「よいとまけ」とは、基礎となる礎石を据える前にその地面を締め固める行為だ。石場建ての家を建てるに当たりこの行程が最も重要で最も困難な作業になる。ということは、もちろんいまだから言えることだ。 去年の今

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        • 石場建てを巡る冒険
          9本

        記事

          #004 建具

          これは家のデザインが少しづつ固まってきた頃の「建具」にまつわるお話です。 建具の意味 家の内部の部屋と部屋の境界には「壁」があって「建具」を通して人は空間を移動する。「建具」は、その空間と空間をつなぐトビラであり、異なる時空間をつなぐ役割を持っている。 その建具の機能やデザインで室内環境や雰囲気がガラリと変わる。重々しいトビラの向こうには、、、、。というようにトビラがその先の空間を人に想像させ、そのデザインと機能が個別的な空間を取り持つようにつなぎ合わせ、ひとつの家ができ

          #003 木を買わず山を買え

          拾った本 ひとつの山ではえた木をもってひとつの塔をつくる、堂をつくるちゅうことや。木曽の木や吉野の木やら四国の木を、まぜてはならんということですわ。木というのは土質によって木の質が違うし、育つ環境によって木の癖がある。木を買おうとするなら、山の環境を見て、木を買えということですわ。 これは僕が強く影響を受けた本の一節。東京の武蔵野で苦学生をしていた20代前半のころ、アパートの前のごみ捨て場に捨てられた本を読んで過ごしている時期があった。お金はないけど、時間はある。そんな時間

          #003 木を買わず山を買え

          #002 むしろコミュニティビルド

          セルフビルドというよりか家を建てる。ということを友人に伝えると「セルフビルド?」と尋ね返されることが多い。その時の答えは「いいえ」だ。セルフではない。セルフでやることもあるかもしれないが、基本的には信頼のおける工務店の親方に普請をお願いするつもりだ。なんとなく思い描いているヴィジョンとしては、「セルフビルドで自己実現」や「建主と受注者」という関係性を超えて、「創りたい人と造る人」を軸に、その方法論や活動に興味を持った人々がゆるく繋がりコミュニティ化(生態系化)していくこと。さ

          #002 むしろコミュニティビルド

          #001 竹取りおじさん

          頭の中が竹だらけ。ここ数日、竹のことで頭がいっぱいです。300本の竹を刈るというのが、来週までの僕(大工さん)の目標で、それに向けて少しずつ皆さんにお声がけさせて頂いてます。 そもそも、なぜ竹が必要なのか。これから建てようとしている家の基本となる素材は、 石と土と木と竹の四つ。 石を置き、柱を建て、木を組み、竹と土で土壁を塗る。いま竹取りしているものは、その土壁に使う素材になるからです。 その竹はどこからくるのか。いま住んでいる(愛すべき)ボロ屋の裏手には竹林が広がってい

          #000僕なりのアースハウスをつくってみる。

          突然ですが、家を建てることにしました。僕は、(たぶん普通の)サラリーマンです。妻も働いていて、子供は三人の五人家族です。(少し不便な場所で特異な生活をしているかもしれないけど)普通の家庭です。これから建てる家も、いわゆる住宅ローンで家を建てるので、比較的一般的な方法で家を建てることになります。 タイトルには、「アースハウス」と記していますが、特に深い意味はありません。地球の上で出来る限り負荷のない暮らしをしたいなぁという、個人的な気持ちを込めて表現してみたのが「アースハウス

          #000僕なりのアースハウスをつくってみる。