メタベイゼロジーのキャラデザ回想

メタベイが純然たる子供向け作品を貫いたことで、アニメ雑誌に取り上げられることも無ければ、設定資料集なども作られなかったのが、唯一惜しかったなぁと思う点かもしれません。手元にある資料やラフ画などもいつしか劣化してしまいます。過去、ブログ等でそのいくつかは紹介しましたが、まだまだデータは膨大に残っています。そこで、noteの活用の一環として、この場をお借りしてそのいくばくかを紹介できればと思います。

今回はキャラクターデザイン、特に「メタルファイトベイブレード ZERO G」以下ゼロジーに焦点を当ててみましょう。

まずは銀河。「ニュー銀河」と書かれていますがファイル名は「大ギンガ」になってました(笑)これが7年後の成長した鋼銀河の第1稿ですが、見ての通り、ほぼこのデザインまま長森さんがリファインして決定稿になっています。Tシャツの模様などはアニメでコストが増えてしまうために再現されていません。マフラーの長さを左右変えようとか、シオマネキっぽいですね。決定稿で鼻絆創膏が無くなったのが残念でした(漫画で描くときはつい描いてしまいます)。

次にキョウヤさん。まあ見ての通りのデザインです。アニメではとくに採用されず(というか登場の機会が無く)、このまま原作漫画のみ登場させました。このあたりのキャラデザは既にゼロジーの連載を始めていて、ネオバトルブレーダーズに向けて新キャラ投入を考えていた頃のものです。ゼロジー自体の早期終了が決まったのもこの前後だったと思います。


ちょっと提出時期が前後しますが、遡って連載開始直前の時点のほぼ決定稿のレギュラーメンバーのデザインがコチラ。

主人公および新ライバルA~Dとなっています。そう…見て分かるようにこの時点で各キャラの名前も立ち位置もまったく決まっていませんでした。しかし、デザインはほぼ決定していますね。(そして左京はこの時点ではいません。鷹ノ助のほうが一足早かった、ということです)エイトっぽい子がC1改となっているのは、前にブログに出したと思いますが頭身を詰めた関係です。このあたりはリテイクを重ねた結果で、コロコロの担当編集I氏の細かなディレクションと僕のセンスでできています。このあとカイトとエイトを兄弟にしようと思いつき、設定が膨らんでいきます。また、杉島監督以下アニメスタッフもこの提出後から設定を考えてくれてこちらにフィードバックさせて頂きました。

さらに遡ってみましょう。

さきのほぼ決定稿に近いデザインを第4稿とすると、第2稿くらいの段階にデザインしたキャラクター達がいます。それが下記の5人。

もはやゼロの影も形もありませんね(笑)主役はナユタです。幻獣・ファンタジーがモチーフと言うことで、トレジャーハンター・オーパーツ収集的な発想をしたキャラクターです。しかしここで特筆すべきはカイト(の元になった子)です。この時点でほぼデザインが固まっています。ネグロと書いてありますがこれは英語的な用語では無く根暗的なニュアンスかなぁ。この時期、各キャラに振っている名称はすべて仮名、インスピレーションの為のものなので設定とは無関係になります。

ナユタもライオもかなり気に入ったデザイン・キャラクターをしているのでいつかどこかで使いたいですね。最後のキリコは女の子です。盾神のつもりで楯神って書いちゃってるあたり残念ですね(ブログでも以前書きましたが、僕この楯と盾の書き間違いをしょっちゅうやらかしています)。採用されなかったので盾神家に妹がいるかどうかは現在不明です。

ちなみにこれが第1稿、最初の最初に描いたナユタ。…全然違う世界観ですね。

ボツになった案というのは、ただ使われなくなった場合もあれば「否定された」ととるべきものもあります。その可能性はない、と言われたケースもあるわけです。だから公式、ではなくボツ案、であることを重ねて申し上げておきたいと思います。

あといくつかオマケ程度に。

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