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仕事が途切れないマーケティングライターの制作術#005  【ライターに経営者視点が必要な理由】

本コンテンツも5回目を迎えましたが、ここからは仕事が途切れない(言い換えれば、お金を稼げる)マーケティングライターになるためのノウハウを解説します。

なぜマーケティングライターに経営者視点が必要なのか?

今回のテーマは「経営者視点で物事を思考できる」です。たかがマーケティングライターにそこまで高い視座が求められるのかと疑問視する声もあるかもしれません。ですが、このスキルがあれば、コンテンツ制作において方向性を間違えることがなくなり、企業の経営者やマネジメント層に対して、質の高い取材を行うことができ、結果的にコンテンツの質向を向上させられるのです。

実際、近年私の仕事の半分以上は、大手企業の社長やCxOクラス、ベンチャー/スタートアップの創業社長、多様な企業及び行政の本部長、事業責任者クラスです。このクラスの方々に取材してコンテンツを作成するには、経営者視点の思考力は不可欠です。ですが、その思考を持つライターは希少です。

そういう意味で、このスキルがあれば仕事が途切れないマーケティングライターになれるというわけです。

経営者視点は、会社経営の経験がなければ得られなという人がいますが、そんなことはありません。企業経営をしたことがなくても、一定レベルの知識と経験、下記に挙げた経営者視点の思考方法を身につければ、問題なくコンテンツを制作できます。

経営者視点の思考力とは何か

ここでいう経営者視点とは何か、以下に列挙します。

・経営リソース(ヒトモノカネ)を考える

経営者視点で第一に考えなければならないのは、経営リソースです。一般的にはヒトモノカネといわれますが、そこに加えて近年では情報と技術を加味する必要があります。マーケティングライターは、クライアント企業や取材対象企業の経営リソースを把握することで、仕事の質を高めることができます。例えば、社員数や組織構成、新入社員と中途社員の割合などを分析するだけでも、その会社が成長途上にあるのか、成長が止まっているのかを、ある程度推測できます。やはり成長途上にある企業と、停滞気味の企業では、コンテンツの方向性やターゲットが変わってくるので、そこは理解しておく必要があります。同様に、モノ(製品)、カネ(資金動向・財務状況、M&A)、情報投資、保有技術・パイプラインなどを見極めれば、その企業を深く理解し、質の高い取材やコンテンツ制作が可能になります。こうした情報の入手は、ホームページ、中期経営計画、決算書、IR関連資料などから得られます。

・マクロかつ長期的な視点で考える

一般的に事業部門の社員は、目の前の事業をどうやって成功させるかという短期かつミクロな視点で物事を考えます。コンテンツマーケティングの発注者は、大体このクラスの方々です。ですから、ミクロな視点で自社製品の魅力をどう伝えるか、見込み客をどうやって集めるか、UXをどうするかといった視点で指示を出してきます。その人の言う通りコンテンツをつくれば、短期的な評価は得られるでしょう。しかし、その担当者が異動になったら仕事はなくなる可能性が高いと思います。

仕事が途切れないマーケティングライターは、担当者の視座を超えたマクロかつ長期的な視点で思考することで、質の高いコンテンツを作ることができます。

結局、事業を成功させるには、目の前の市場やユーザーの動向に一喜一憂せず、大局的な視野かつ長期スパンで、製品・サービスが市場にもたらす価値と影響、さらに株主、地域社会、国際社会の反応などまで想像を巡らせる必要があります。そこまで視野を広げた上で、ポジティブな影響をもたらすコンテンツを制作できれば、信頼が高まり、必ず指名で仕事がいただけるようになります。

・戦略的に情報を取捨選択する

コンテンツマーケティングを成功させたいとクライアント側担当者は、ついつい情報をたくさん盛り込みがちです。例えば、商品の機能やサービス、効果、開発秘話、会社の思い、担当者の素顔、競合との違い、事例など、ポジティブな情報をできれば”ぜんぶ盛り”にしてコンテンツをつくりたいと欲張ってしまうのです。

しかし、コンテンツの受け手からすれば、過剰な情報はうるさいだけで、むしろいやがられます。まして、商品広告ではなくコンテンツマーケティングであれば、露骨な商品アピールは効果を落とすだけでいいことは何もありません。

良いコンテンツをつくるには、情報の取捨選択が重要です。その取捨選択の基準となるのが、経営者視点です。先程の項目でお話ししたようにマクロかつ長期的な視点があれば、本当に必要な情報と、必要だけどあえて主張しない情報、出さない方が効果的な情報を見極めることができます。

・いかにして企業価値を向上させるか

要は、コンテンツ制作の目標をどこに据えるかと言う話です。コンテンツマーケティングを行う以上、リードの獲得は大事ですし、クチコミが増えたり、商品やサービスの売上につなげることは、重要な目標です。マーケティングライターは、コンテンツを納品して終わりではなく、目標の達成にコミットし、持続的に企業価値が向上するコンテンツを提供する力が求められます。

繰り返しになりますが、そのために必要なのがマクロかつ長期の視点で企業価値向上を考える経営者の視点です。

経営視点を獲得したマーケティングライターの強みは、1企業の経営視点に捉われることなく、多様な経営者の視点を複眼的に持てることです。例えば、製造業の経営視点と、Fintech企業の経営視点、流通企業の経営視点を脳内に同居させられるわけです。それぞれの経営視点を組み合わせれば、カオスな世界においても企業が次に取るべき道を読み解くことができます。

この視点を持つマーケティングライターになれば、コンサルにも仕事を広げられますし、営業などしなくても仕事が絶えることはないでしょう。

そうはいっても、経営者視点なんて簡単に身につくはずないと反論される方もいらっしゃると思います。もちろん簡単とは言いませんが、私の経験から言えば、やり方次第だと思います。そのやり方については、話が長くなるので、別の機会にお話しします。

次回は仕事が途切れないマーケティングライターに必要なスキルその2「Webの仕組みを理解している」についてお話しします。

よろしくお願いします。






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