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仕事が途切れないマーケティングライターの制作術#011 【世の中の理を知る】

とある経営コンサルタントとの衝撃的な出会い

今回は「経済社会の原理原則、根本的な人間の行動原理がわかっている」をテーマにお話します。

このスキルは、私自身も2年ほど前に着手して学習中ですが、今はマーケティングライターに付加悦と言えるほど重要だと認識しています。言い方を変えれば、なくても仕事はできるけど、このスキルがあれば仕事の幅が格段に広る感じです。

きっかけは、とある経営コンサルタントとの出会いでした。顧問先に毎月配布している経営分析のレポートを書いてほしいとの依頼をいただきました。最初は気乗りがしなかったのですが、その方とお会いし著書や講演動画を拝見させていただき、「このチャンスを逃してはならない」と感じました。

私も長いことビジネス系の取材で多くの経営者や学者、ビジネスパーソンとお会いしており、相応の知識はあると自負していましたが、その方は私を遥かに凌駕し、心理学者のように事象を正確に分析し、預言者のように正確な市場予測をするのです。しかも、その根拠がしっかりしているのです。

「この人が考えていることを、自分が正確に文章化できるだろうか」と不安でしたが、その思考力と情報収集能力、分析力を学びたいと思い、案件を引き受けました。

自分を超える人の「イタコ化」はできない

最初は、そのコンサルが話す内容を原稿化すればいいと思って打ち合わせに臨んだところ、「次回のレポートは、アフターデジタルで中国に何が起きたかにします。キャッシュレスから交通ビッグデータ、デリバリーの進化を題材に、うまくまとめてもらえますか?」と、いきなり豪速球を投げられました。

もちろん、そのコンサルが中国を視察して感じたことのレクチャーはしてくれましたが、ほぼ丸投げです。私は中国に行ってないし、何が起きているか想像するしかないのに、いったい何が書けるのか「これはやばいことになったぞ」と危機感を感じながら8000文字のレポートを3本書きました。

合格発表に臨む受験生のようにドキドキしながら原稿の評価を伺いましたが、幸いにも気に入っていただき、その後毎月お会いしてお話を伺い、レポートを作成する関係になりました。

前回のnoteに書きましたが、私は取材をベースに相手の思考を取り込む「イタコ化」によって、取材対象の考えを文章化してきました。しかし、そのコンサルの方の思考と知識は、私の脳を凌駕しているため「イタコ」を発動できませんでした。

培った文章技術でごまかしつつ仕事はしてきましたが、やっぱり「イタコ化」できないと文章の質は上がりません。しかし、何度お会いしても思考をリンクすることができないため、必死に原因を分析しました。

その方は人脈が異常なレベルではありますが、ビジネス情報のインプットは私と大きな違いはないように思いました。インプットがさほど変わらないのに、なぜアウトプットがこれほど違うのか、その原因はなんなのか?

世の中の理や原理原則、歴史を知ると未来が見える

4ヶ月ほど観察を続け、あることに気づきました。そのコンサルの分析軸は、世の理や人間の心理、経済社会の原理原則、歴史などを出発点にしていることが多いのです。

例えば、「資本主義を生み出した欧米人は、自身の資産拡大と経済発展のために株式会社を発明した・・・」とか「キリスト教は現世に天国をつくろうとしたから・・・」とか「脳科学的に人はこれを選ぶ・・・」とか、哲学・経済学・社会学・歴史学・行動心理学・脳科学などの基礎教養をベースにした発言が多く、それが説得力を生む言葉になっていました。そこが自分との最大の違いだったのです。

ビジネスのことはそれなりにわかっていたつもりでしたが、私には基礎教養の土台がないため、現代の社会、経済をもとに物事を判断していました。だから「人間がこの場面でこういう判断をする理由」や「企業の判断を超えて資本主義の根幹に影響される経済の動き」まで読み取れていなかったのです。これを身に付けなければ、自分はレベルアップできないし、そのコンサルの思考とシンクロできないと考え、以降必死に勉強しました。

哲学(古代から現代まで)、宗教(ユダヤ教、イスラム教、キリスト教、ヒンズー教、仏教)心理学、脳科学、神話、歴史、資本論、行動経済学など多様な書籍をKindleで毎日読み、YouTubeも活用しながら半年くらい必死に勉強しました。徐々にそれが血肉になってきたのが、現在の私です。まだまだレベルは低く、そのコンサルの足元にも及びませんが、勉強した成果は出はじめています。

なぜコロナ禍でパラダイムシフトが起きるのか

企業の経営判断を市場環境だけではなく、人間心理や哲学的思考を交えて思考できるようになったことで、取材の深みが増し、今まで以上に相手の懐へ踏み込めるようになりました。また、日本トップレベルの学者や国務大臣、GAFAのリーダーレベルに取材する際も、以前ほどビビらなくなり、ある程度対等に話ができるようになったと感じています。

特に、コロナが起きてからは、今まで通用してきた経済理論が破綻し、先行きが見えなくなる中で、世の中の根本原理や人間心理から、次に起きることを予想できることが強みになったと思います。

ある経営大学院の学長にインタビューした際、私が「この混沌とした世界を見通すには世の原理原則を知る基礎教養がますます重要になるのではないか」と質問した際、「14世紀にペストが流行したことで、原点回帰するルネサンスが起き、中世は終わりを告げた。現代はそれに似ている」と答えてくれたことがあります。その含蓄のある言葉を引き出せたことは、私にとってすごく価値ある出来事でした。

私程度の人間が、このテーマを語るのはおこがましいですが、この力をしっかり身につけられれば、マーケティングライターとしてステージを大きく上げられると思います。共感される方には、ぜひお勧めしたいです。

さて、次回は仕事が途切れないマーケティングライターになる10ファクターの最終項目「文章を書くことを楽しめる」をお届けします。

よろしくお願いします。







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