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仕事が途切れないマーケティングライターの制作術#003 【中学生にも理解できるか?】

中学生にも理解できるように書けるか?

今回は「中学生にも理解できるように書ける」をテーマにお話をさせていただきます。

誤解を恐れずあえて言いますが、ライターという職種は、専門知識を駆使して難しい文章を書ける人ほどすごいと思われる傾向があるようです。おそらく、そういう評価をする人は、自身は文章を書かない仕事をしている人だと思います。

できるライターとは、誰にでもわかりやすく、読みやすく、誤解のない文章を書ける人です。

中学生は、基本的な文法や漢字を理解し、普通に文章の読み書きができます。当然、業界の専門知識や特有の用語などは分かりません。要するに「中学生でも理解できるように書ける」とは、業界用語や専門用語をなるべく使わず、平易な表現でわかりやすく書ける力があるという意味です。

「わかりやすく」は難しい

マーケティングライティングの仕事は、結構専門用語や業界用語がたくさん出てくるので、それをいかにわかりやすい表現に置き換えるか、あるいは言葉を足して補足するかに、ライターの力量が問われます。

「読みにくい」と感じる記事を詳しく分析してみると、その主たる原因は大体3つです。

1. ライターが専門用語や業界用語を正しく理解しないまま書いている

2. 主語がわからない、あるいは一文節に複数の主語が混ざっている

3. 文章構成が破綻している(時系列がごちゃごちゃ、文節が繋がっていない)

専門用語や業界用語を使って書くと楽なんですよ。一つの言葉に複数の意味を持たせられるから、文章をシンプルにできるので。また、クライアントや取材した相手が使った言葉を、そのまま書き起こせばそれっぽい文章になるので書けている気がするんですよね。

専門用語や業界用語を使わず書くには、比喩や擬人化といったテクニックが必要です。例えば「VPN(仮想化閉域網)」というIT用語ならば「暗号化技術を使って、送信する側から受信する側までの通信を外部から見えないトンネルのようにしてデータを送受信する方法」などと言い換えたりします。このように書き換えようとすると、文字数がやたら多くなってしまいます。平易に書くことは大事ですが、文字数とのバランスを取ることは、なかなか悩ましい問題です。

もちろん、ターゲットを絞り込むためにあえて業界用語や専門用語を使い、ターゲット外の読者を離脱させる手を戦略的に取ることはあります。その場合は、業界人や専門家に読まれるので、しっかりその用語の意味を理解して書かなければ大恥をかきます。

正直、自分の仕事を振り返ると、最近は業界用語や専門用語を多用したコンテンツが増えており、もう一度原点に戻り、もっとわかりやすく書く努力をしなければいけないなと思っています。

先程、指摘した文章がわかりにくい原因の2番目「主語がわからない」と3番目の「構成が破綻している」については、かなりテクニカルな話になるので、今回は割愛します。いつか機会があれば、なぜそうなるのかという理由と、その解決策について解説したいと思います。

今回は、ここまでとします。次回はマーケティングライターの基本的素養「ビジネスパーソンとしての常識を備えている」が、なぜ大事なのかについてお話しします。

よろしくお願いします。



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