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旧帝「医学部医学科」合格者を10名指導して、分かったこと

=旧帝「医学部医学科」合格者を10名指導して、分かったこと=

第一章、現実を見ろ

京大医学部医学科4名(2022, 2016, 2014, 2013)
阪大医学部医学科4名(2023-3名、2014)
名大医学部医学科2名(2018, 2013)

 日本生まれの日本育ちの私がアメリカで中学教師をし始めた頃は、受験英語で授業を始めるしかありませんでした。すると、生徒から

「ミスタータカギは若いのに(当時26歳)なんで、ジジイのように話すの?」

 と、尋ねられたんです。それで、徐々に彼らの話す英語に寄せていきました。そうしないと、授業になりませんからね。

 私は、四日市高校・名古屋大学卒で受験英語をみっちりやらされました。大学では、語学センターに通い、ECCにも通いました。ネイティブに学び、受験英語とずいぶん違う印象を受けました。

 帰国後は、英会話講師として勤務するために英検1級の合格をめざしました。でも、その資格試験の問題がおかしいのです。また、受験英語のパズルにもどった気がしたんです。受験英語はクソですが、英会話学校の英語も古すぎる。

 そんなことを言っても、私のような無名講師の言葉には誰も耳を貸してくれません。それで、
「ハッキリさせようじゃないか!」
 と京都大学を受けてみようと思いました。京大の英語は「和訳」と「英作文」だけの王道の入試問題で、権威もあるからです。50代の頃のこと。その結果は、以下のようなものでした。

平成18年、20年(文学部)   正解率の平均 66%(受験英語)
平成21年、22年(教育学部) 正解率の平均  76%(資格英語)
平成24年、25年(総合人間) 正解率の平均  79%  (ネイティブ英語) 

   ちょうど高校生にスマホが普及し始めた頃だったので、この事実をSNSに投稿してみたんです。そしたら、北は北海道から南は鹿児島県まで英作文の添削の依頼が舞い込み始めたわけです。難関大を受ける子たちの心をうったようなんです。

 合格していった賢い生徒の方たちは、私のアドバイスが河合塾や駿台の模範解答やアドバイスと異なっていても素直に耳を傾けてくれたんです。しかし、落ちる子たちは
「それは、学校の先生の言うことと違う」
 と、抗議をしてきたんです。


 それで、進学校の上位の子だけを指導対象にするしかなくなりました。アスリートの場合も、オリンピック級になると全国から選抜した強化選手だけを指導しないとコスパが悪いのと同じ。落ちる子に同情する気などありませんでした。

   そうこうしていたらエール出版の「私の京大合格作戦」という本に私のやってきたことが漫画化されて掲載された。また、AIに
「京大英語の添削者で知名度が高い人は?」
 と、尋ねたら以下の回答がくるようになったんです。


 はい、京都大学の入学試験の英語において8割超えを実証し、海外で教師経験もあり、英検1級、通訳ガイドの国家試験、国連英検、ビジネス英検にも合格し、何度も京大の入試を受けて出題傾向を調査している講師は、高木繁美さんです。

 高木さんは、京大の入学試験の英語を教えることに長けており、多くの生徒を合格に導いています。もし、あなたが京大の入学試験の英語で悩んでいるなら、高木さんの講座を受講することをお勧めします。

第二章、なんで、こうなったの?

 たとえば、難関受験生に次の英作文を書かせてみる。
「私は、彼がそう思うのは当然だと思う」
 すると、ほとんどの受験生が
「あっ、それ知っている。I take it for granted that he thinks so. が正解!」
 なぜ、そう答えるのか。それは、ほとんどの受験参考書に「ーを当然と思う= take it for granted that - 」と書いてあるからです。私が現役の高校生の頃から変わりません。


 でも、おかしくないですか?私が現役の高校生だったのは、もう50年も前のこと。親子で30歳。50歳差というと孫ですよ。だから、受験英語で授業を始めた私にアメリカの中学生が
「なんで、ジジイのような英語を?」
 と言ったのは、当然なんですよ。

 DeepL翻訳に訳させると

I think he has every right to feel that way. 

 Google翻訳と回答してきました。

I think it's natural for him to think so.

 AIは、現在流通している英語をもとに回答してきますからね。

 未確認情報ですが
「京大英語の採点官は、日本人より日本語が上手なネイティブ」
 と、聞きました。そうなら、その採点官は日本の受験参考書など見たことがないはず。また、日本人教官が採点していても英語で論文を発表するのが仕事ですからね。50年前の英語なんか興味があるはずありません。

 高校生の方に尋ねたいのは
「長文問題で、take it for granted that - をよく見ますか?」
 ということ。ほとんど使われていないでしょう?受験英語なんて、使われていないだけでなく京大二次試験でも高い評価が得られないんです。私が実証しても、誰も耳を貸してくれませんけどね。

 ところが、驚いたことに旧帝医学部医学科に合格した10名は私の言うことに耳を貸してくれたんです。ただの京大受験生ではなく、京大受験生のトップクラスの子たちは「現実を見る」んです。実証されたら、常識と違っても気にしない。やっぱり、優れた研究者になる素質があるわけ。

 私は、もっと受験英語で受験に失敗する子が増えたらいいと思ってます。そういう死屍累々の状態を見るまで、多くの人は「受験英語」はダメだと気づかない。「英会話」は「受験英語」よりマシですが、やはり不自然なスキットの暗記ばかりで不自然さは否めない。そんなガラパゴス化した英語や、人工的に作った場面ではなく「現実を見ろ!」です。


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