望もうが、望むまいが(設問がある物語 18)
彼の作る「 」はとても旨くて僕はいつも感心してしまう。本当に旨いのだ。僕は料理のことはわからないけれど、彼は「 」を作るために生まれてきたのではないかと思う。
作る過程を見たことがある。取り掛かる前までは全くやる気がなさそうだったが、いざ調理に入ると真剣に、執拗に、「 」と向かい合っていた。僕は声をかけられなかった。突然1対1で向かい合っていた「 」と彼との接続が切れ、彼はつまらなそうな声で「できた」と言った。彼が差し出した「 」を食べ、僕は唸るしかない。
たぶん彼は