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浜崎あゆみになりたかった

『あゆ』と同じブレスレッド。
あゆと同じような服装。
会議ではあゆと似た発言をしてみたりして。

あのころ私は浜崎あゆみになりたかった。
有名人になろうとしたわけではない。
お金が欲しかったわけでもない。
浜崎あゆみの楽曲の歌詞が好きだった。
深い悲しみを抱きつつ、それを隠そうとはしないで歌詞として表し、この地上にこの時代にメッセージを発する浜崎あゆみの生き方に惹かれた。
あゆがまるでジャンヌ・ダルクのように映っていた。

キリスト教会で働く仕事の責任者であった私の睡眠時間はほとんどなかった。
私の仕事は多岐にわたっていた。

まずは結婚式。そしてお葬式から納骨式を、どなたかが出産すれば、子供祝福式というのを執り行ない、かと思えば、ゴスペルコンサートを手掛け、相談事のある人が訪れればそれに耳を傾ける。身寄りのない方々のお世話をさせていただき、要請があれば施設訪問もする。体が幾つあっても足りないくらいに多忙だった。

疲れた体を引きずりながら、いつも胸の中で呟いていた「私もあゆと同じくらいに頑張ってるよ、置かれた場所で光り続けるよ、あゆと同じように」

孤独の中で育ち、大人になり、孤独の中で生きる私は、心の中にひとつの譲れない願いを持っていた。
それは「誰一人として私のような、こんな悲劇を味わわせたくない」という思い。だからキリスト教会での仕事に精を出していたのだった。

結果として私は病で仕事を辞さなければならなくなった。
浜崎あゆみにはなれなかった。

けれども形を変えながら今も願いは変わらない。
世の中が平和になりますように。
悲しむ人に癒やしがありますように。
みんな幸せに、そして私も・・・
 
♬いつか生まれる前からきっと
変わらないモノを探し続けては
見つけて 失って
時に人をキズつけた夜もあった……
ほんの少しでも笑ってくれるなら
まだココに生きる意味もあるよね
ほんの少しでも求めてくれるなら
まだココに生きる事許されるかな……
もしも君に差し出せるモノがあるとすれば
変わらぬ確かな想い
もしもたったひとつだけ願いが叶うなら
君は何を祈る?♬ 
(~NEVER EVER~作詞作曲:浜崎あゆみ)

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