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ハマるとすごい

僕は昔っから、何かにハマるとしつこい。
自分でもそれはよく分かっている。

特に食べ物に関してが多い。
一度ハマるとそれを毎日三食だってやっていける。冗談ではない。
「ハマったモノで一日三食、連続1ヶ月で100万円」みたいな企画あったら是非出たい。

いくつか思いつく限りで、これまでハマったものを挙げてみようと思って書き出してみたけれど、あまりにも多かったのでここに記すのは控える事にする。

ここしばらくハマっているのはエースコックのカップ焼きそばと、近所のスーパー内のパン屋のカレーパンとあんドーナツ。
その近所のスーパーに行くと、エースコックのカップ焼きそばも取り扱いがあるものだから、一度足を運ぶとその「おハマり3点セット」を買って帰ってきてしまう。

そんなおハマり王子の僕にも悩みがある。
それは「冒険できない」事。
来店経験のある飲食店に行ったりすると、美味しいと分かっているメニューしか注文出来ない。

ひと頃、タパス&タパスにハマった事があり、足を運ぶと必ず「チキンのトマト煮チーズフォンデュがけスパゲティ」しかオーダーしなかった。
他にも色々なパスタがあるのに、「口に合わなかったら嫌だな」とか「好物メニューを食べずに終わるの嫌だな」とか「馴染みの味を食べておけば失敗はしないよな」とかで、なかなか別のメニューを注文しようという気になれなかったのだ。
未だに、僕がタパス&タパスで食べた最後のメニューは「チキンのトマト煮チーズフォンデュがけスパゲティ」だ。

毎回、馴染みの味と未知の味を目の前にした時に、「たまには冒険しないとな」と思うのに、いつもお馴染みさんを選んでしまう。

そんな僕にも最近、転機があった。
先日スーパーに行った時に、僕がずっと贔屓にしている冷凍坦々麺のラインナップに、新味が並んでいたのだ。
少しだけ悩んで、結果、新味を手にして帰宅。
鼻息を荒くしながらレンチンと湯沸かし。

「やったぜ、冒険してやったぜ!案外すんなり冒険できたぜ!これからどんなに馴染みの味が僕を惑わせても、冒険できる男になったぜ!味パイオニアだぜ!いただきます!」
胡麻の風味をしっかり味わえるように空気も一緒に取り込みながら、猫舌の僕は、ゆっくりと麺とスープを絡ませて啜る。



僕が多くを求め過ぎていたのだろうか。
僕の体調でも悪かったのだろうか。
少なくとも僕は、
「こんな事になるなら、冒険なんてしなければよかった。もう、しばらくは冒険なんてしない」
そう思った。
そして、
「いつもの冷凍坦々麺を2食ストックしておいて本当に良かった」
とも思った。

味パイオニアへの道は長い。

ちょっと気持ちが向いた時に、サポートしてもらえたら、ちょっと嬉しい。 でも本当は、すごく嬉しい。