INNOVATION STACK 読了

最近、自分でも新たに事業を作ってみたいと思い、ビジネス本を読んでいる。自分がやりたいこともそうだけど、どのようなビジネスを作ったとしても競合は必ずいる。とりあえず競合に手っ取り早く勝つ方法ないかなと思って選んだ本。

本著は帯にもあるように、フィンテック企業であるスクエア(現在はブロックという名称に変更されている)がAmazonと対決して、勝ったというイノベーションの方法を述べている本だ。

イノベーションというと、あるひとつのアイデアがドカンと構築されるというイメージがある。しかし、一つのイノベーションではコピーされてしまう恐れがある。コピーされたら資金がある方の企業が有利だろう。今回の事例であれば、Amazonの方が資金があるので、負けてしまう。金持ちには勝てない。お金欲し) しかし、連続したイノベーションを積み重ねることでオリジナルのイノベーションとなり、コピーされることはなくなるという主旨が書かれている。

もちろんただ連続していればいいわけではない。

何かしらの解決したい問題があり、それが既存の方法ではできない、もう自分でやるしかない、という課題に対してイノベーションを起こしていく。そうすると、また新しい問題が起こってこれもイノベーションで変えていく、という連続というかある種つながりまくったイベントが起きている。なんかとりあえず新しければいいということではない。

しかし、訳者の山形さんの本は学生時代から頻繁に読むのだけれど、いつも思うのが、山形さんの解説読んで、大まかな内容をつかめれば読む必要ないなと感じる。そのぐらいまとまっており、書籍のポジティブな面とネガティブな面(ネガティブなことはあまり書かれないけど)がよくわかる。今回もイノベーションについて、中国のコピーされるリスクとコピーされないリスクを上げて、イノベーションスタックの重要性を捉えている。

というと、せっかく読んだ意味がないので、自分として気になった点をメモとして上げておこう。

それは、p197にある「『いつ』を学ぶ」という章だ。

学校は「どうやって」を教える。コピーを学ぶときには、何がうまく行くかを習うけれど、常に「どうやって」が強調され、「いつ」はおざなりだ。

これは本当にそうだ。今はネットで調べたり、動画を見れば基本的になんだって学べてしまう。

しかし、今は誰も「いまでしょ(古い)」なんて教えてくれないし、もし教えてくれても正解なんてわからない。いいビジネスのアイデアを思いついたとしても、まだ世の中的には価値観が追いついてなかったり、市場が追いついてなかったり、タイミングはよくわからない。

これに対し、本著ではごちゃごちゃ言わずにやってみろ、というスタンスだ。

この質問には、答えは実は二つしかない。今か、後でか。しばしば正解は、今だ。

重要なのは、始めるのは早い方がいいが、先行逃げ切り型(書籍の中では一番乗り)になることが常に勝利につながるとは限らないという。

起業家精神の世界では、一番乗りが最高とは限らない。これは、イノベーションスタックの一部の要素は相互に依存し合うからだ。(中略)世界を変える技術を出すのが早すぎることだってあるのだ。

本著でも「いつ」が正解かは結局示されないが、要素が揃うための「待つ」方法が書かれている。準備万端にして待って、タイミングが来たら一気に爆発的に成長する。問題は「長い待ち行列」になったときだ。イノベーションスタックをまねる企業が出てきてしまい、競合が成功する恐れが出てくる。

それでもいつがいいかはわからないけれど、時間を意識することで事業の柔軟性が高まるという。

しかし、これはかなり忍耐というか、体力がいることだなと思った。ピーター・ティールも「ゼロ・トゥ・ワン」で「どれだけ多くのトレンドを追跡しても、未来は自然に起きるわけじゃない」と言っているように、不確実性がとても高い。要は楽しまなきゃやってられないなということかなと思った。

https://www.toyokan.co.jp/products/4548


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