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日々のめも。書評を書いています。

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日々の雑記 「ワークライフバランス」

「ワークライフバランス」という言葉は都市にのみ当てはまるのだと思う。 東京に住んでいると、夫婦で異なる仕事をしている、もしくはどちらかが仕事をし、片方が家事に専念するということになると、一緒にいる時間が土日のみになる。 そうすると、土日は家族の時間となり、仕事をプライベートに持ち込まずに家族の時間を大切にしたいと思う。 「ワーク」と「ライフ」は別々になり、バランスをとる必要が出てくるのだ。 食事をするように草を刈る僕「毎日庭の掃除は大変そう」 祖母「毎日やってるもん

    • 時間の感覚

      山から都市にきて、1日を家の中で過ごすと、なんだかとても退屈に感じることがある。山にいるときと同じように過ごしているのに、「暇だな」と考えてしまう。 これはなぜだろうか。 周辺の景色はどちらかというと、都市の方が変化がある。人が外を歩いているし、車の音もする。 この理由を考えてみると、周辺のものが動いているかどうかというのは一つ大きな要素なのではないかと思った。 都市の方が思ったより止まっている構築物が多いのかもしれない。ブロック塀や公園の遊具など。もちろん車は早く動くし、

      • 「樹木の恵みと人間の歴史」読了

        最近、家の庭を整備している。「庭の整備」といっても、我が家の敷地は500坪あり、森の中にある。しかし標高が高く、寒いために生えている樹木はもっぱら常緑針葉樹で、暗く、冬になっても葉が落ちないために地面の多様性はない、森としてはあまり状態も良くない。庭の整備はさながら森づくりだ。 今ある樹木を伐採し、広葉樹の苗木を植えようと計画しているのだが、あまりドラスティックに変えてしまうのも、その土地由来の雰囲気を壊してしまうことが心配なのと、切っていくうちにできる切り株がいい雰囲気を

        • 「地域学入門」読了

          「地域絶対主義」とでも言えるような印象を受けた。今の都市化が進んだ世の中で「地域」はどこまで重要なのかが疑問だ。もはや地域学は機能しないのではないかとさえ思っていた中で、やや偏った内容かなという印象を受けていた。 しかし、3章の「歴史と文化の章」にある重要な指摘から、地域学が必要性を感じた。 子どもたちにはいまや、地域の人材であるよりは、国家にとって必要な人材になることが、以前以上に求められている。(p249) 上記のような状況の中で、今後は我々はますます国家に依存する

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          1本

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          「縁食論」読了

          AIや作業の自動化、機械学習といった効率化がますます進む一方で、日本の貧困率や格差は広がる一方だ。そうした中でも炊き出しなどのセイフティネットや保育園の入園を確実にするといった制度面の補助は、批判はある中で徐々にでも進んでいる印象を持つ。 しかし、支援制度が整えられる一方で、社会制度について、私たちはどこかステレオタイプのような側面を持っていることを著者は批判する。 「家族の時間が少なくなったから、家族揃って母親のご飯を食べるべき」、「こどものごはんは手作りで」などといっ

          「縁食論」読了

          INNOVATION STACK 読了

          最近、自分でも新たに事業を作ってみたいと思い、ビジネス本を読んでいる。自分がやりたいこともそうだけど、どのようなビジネスを作ったとしても競合は必ずいる。とりあえず競合に手っ取り早く勝つ方法ないかなと思って選んだ本。 本著は帯にもあるように、フィンテック企業であるスクエア(現在はブロックという名称に変更されている)がAmazonと対決して、勝ったというイノベーションの方法を述べている本だ。 イノベーションというと、あるひとつのアイデアがドカンと構築されるというイメージがある

          INNOVATION STACK 読了

          ケヴィン・ケリーの「5000日後の世界」読了

          WIREDは好きな雑誌だ。未来へのワクワク感を駆立ててくれる。ただ、創刊編集者のケヴィン・ケリーの本は読んだことがなかった。 ケヴィン・ケリーは極めて理系的な思考だと思った。「楽観主義」であり、「コップに水が半分『も』ある」と捉えることは実験をして、失敗から学ぶということが理系的な思考なのかと感じた。(宇宙兄弟でも確かそういう回があったような気がする) 印象に残ったのは、「5年ごとにできることが区切られる」ということと、「将来は年に人が集中し、地方でロボットが作物を作る」

          ケヴィン・ケリーの「5000日後の世界」読了

          「決定版 デジタル人民元」読了

          デジタル人民元について、技術面やこれまでの流れなどを詳しく知れるかと思って読んだが、思ったより政治経済的な話でまとめられていて、デジタル人民元そのもののに関して、ニュースで報じられている以上の踏み込んだ内容はなかった点が残念。 https://str.toyokeizai.net/books/9784492681480/ しかし、SWIFTから締め出されている中国が、一帯一路と合わせて、ドル覇権を奪おうとしていることや、プラットフォーマーが今後、ますますグローバルでの力を

          「決定版 デジタル人民元」読了

          「日本列島回復論」読了

          自分自身が地方に住み続けるにあたって、地域との関わり方、今後の生き方の示唆を得るために選んだ本。 中央志向が続くほど、とにかく働かなければいけなくなるという現在の社会について、「山水郷」に注目することで解消できるのではないかと提言している。 現在の中央志向型の社会構造では稼げば稼ぐほど、さらに稼がなければいけなくなる。稼ぐことに制限がなくなり、疲弊し、いつまでたっても安心を手に入れられなくなる、という主旨には仕事にやりがいを見いだせていな最近の現状から同意することが多かっ

          「日本列島回復論」読了

          「くらしのアナキズム」読了

          私は「個人主権」や「自律分散型社会」に関心がある。そのために本著のタイトルを見ただけで、分散型社会の構築の具体的な解決策につながるのではないかと期待を持って読み始めた。 一般的(かどうかは知らないが)に「アナキズム=無政府主義」というのは既存の政府をぶっ壊して、権力に対抗する革命家が作る次の社会をいうというイメージを持っている。大きな政治よりも小さく分割された社会という形だ。 3.11や新型コロナを経験した私たちは、「公共」という仕組みは、政府が与えてくれるものではなく、

          「くらしのアナキズム」読了

          「デジタル化する新興国」を読了

          デジタル化する新興国を読了。 各国のデジタル化や日本が特にネットワークやシェアリングで遅れていることなどが網羅的に書かれていてよかった。 コロナでデジタル化が加速しているという話や、デジタル化が可能性や脆弱性を両方ともに拡大させていくために、日本は可能性を拡大させ、脆弱性を抑える方向に進むべきだという主張は、わかりやすい。しかし、デジタル化でもはや世界に追いつけなくなってしまった日本ではVC投資や政府支援で可能性は拡大させることは難しいように思う。可能性があるとすれば、ボ

          「デジタル化する新興国」を読了

          「手の倫理」読了

          最近気になっていた伊藤亜紗さんの「手の倫理」を読了した。仕事柄、ITやデジタル技術の書籍を読むことが多い中で、触覚に関する本にはデジタルの内容は出てこないことが新鮮だった。 コミュニケーションが一方的な「さわる」ということに対して、双方向的で「生成的」な「ふれる」ということを物理的に紐解きながら、タイトルにあるように倫理的に図式化しながら解説した良書だった。 僕としては「信頼」というところを興味深く読んだ。 本著には、19歳から完全に目が見えなくなった西島さんが経験した

          「手の倫理」読了

          田舎の生活はゆっくりなのか

          よく田舎の時間は「ゆっくり流れる」と表現される。 これには時間にルーズだとか、細かいことは気にしないことだとか人間自体の感覚や感性のことを指す以外に、鳥の声や雲の動きに意識的になり、自然の時間を知ることといった外部からの動きに加え、仕事の締め切りや電車の時刻など生活の中で自分の時間を制御するものがなくなったことが関係していると考えられる。 私自身は2020年半ばに東京から長野県に引っ越した。 確かに、東京に住んでいた頃は朝起きると、急いで着替えて支度をし、会社の始業時刻

          田舎の生活はゆっくりなのか