デジタル人民元について、技術面やこれまでの流れなどを詳しく知れるかと思って読んだが、思ったより政治経済的な話でまとめられていて、デジタル人民元そのもののに関して、ニュースで報じられている以上の踏み込んだ内容はなかった点が残念。

https://str.toyokeizai.net/books/9784492681480/

しかし、SWIFTから締め出されている中国が、一帯一路と合わせて、ドル覇権を奪おうとしていることや、プラットフォーマーが今後、ますますグローバルでの力を強める中で民間と政府が協力すべきであり、そこにCBDCが使われるというのは重要な主張だと思った。本著で言われるように、中国が覇権を握った後にドル安が進み、世界経済が混乱するという指摘もありうるシナリオだ。しかし、中国が新興国を牛耳る世界で、先進国側と新興国側で世界が二分される世界については、否定的だったが、そうなった社会というのも面白そうだなと思った。先進国は新興国から搾取しすぎな気がする。

著者はディーカレットが事務局を務めるデジタル通貨フォーラムにも参加しているのだろうか。

民間発行のデジタル通貨に向けたポジトーク的な内容によっている感があった気がする。