投信の株式組み入れ比率が意味すること

手前味噌で恐縮ですが、アクティブ型投信の特色を比較する場合、株式組み入れ比率も見るべきであるということは、私のブログで以前から述べている通りです。ご興味のある方は、下のURLをご覧ください。

http://takahashi-fp.com/diary/news/アクティブシェアとは/

今回の新聞記事は、株式組み入れ比率の上げ下げが、如何に運用成績の向上につながるかという内容ですが、私はちょっと違う観点で株式組み入れ比率を見ています。

記事で紹介されている4つの投資信託の中で、「ザ・2020ビジョン」と「みのりの投信」は比率を60%~100%の間で頻繁に動かしています。これは記事の見出しにある「機動的な運用」ということかもしれませんが、個人的には好きではありません。なぜなら、株式投資の本質は、「いい会社を長期で応援する」ことだと思っているからです。今回の「VIXショック」と呼ばれている世界同時株安も、一部の有象無象の市場参加者によって企業価値とは関係のないところで引き起こされている面もあり、それに反応して組み入れ比率を下げるようなファンドには共感できません。この2つの投信の株式組み入れ比率が、現在どうなっているか興味のあるところです。

また、「結い2101」の組み入れ比率が60%程度と低く抑えられていることに関しては、リスク水準を一定に抑える運用方針のためという説明がされていますが、別の理由もあると思います。それは、ファンド保有者の換金売りが増加した場合に、投資先企業の株式売却をしないで対応できるようにするためと、相場の急落局面でも、いい会社の株を買い支えることができるように備えるためです。

このように株式組み入れ比率は、投信の運用者の投資に対する考え方の表れと見ることができます。単に運用成績との関係を見るだけでなく、ファンドマネージャーの投資哲学にも思いを馳せてみることも大事なことだと思います。

https://style.nikkei.com/article/DGXMZO26134760V20C18A1000000?channel=DF260120166516

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