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ChatGPT時代に読みたい本「理解の秘密」

ChatGPT時代に必読と紹介された「理解の秘密」を手に取ってみた。このnoteは、読んで印象に残っている部分を抜き出したメモになります。

現在、amazonなどで見てみると中古でも15,000円を超えていることが多いときもあるこの本(2024年に入ってから、3000円台と落ち着いています)が、ChatGPTを使う時に限らず、誰かに何かを共有する、行動を促す際に重要な示唆が詰まっている本なので、是非手に取ってみてください。

第2章 インストラクション入門

毎日の生活はインストラクションの受けわたしで成りたっていることに気づいていない。

インストラクションは人間生活のもっとも基本的な要素のひとつである。

身近なことは素通りして、いつもとはちょっとちがった、かわったことに目を向けがちである。

ところが、みんな見過ごしたり、軽く考えるような日常の習慣、ルーチンこそ、人間の生活の大切な側面なのだ。

行動のガイド

インストラクションは何も親の仇なんかではない。行動のための案内書である。思考や行動を導くものだ。それは建物をつくるブロックのようなものだ。

第3章 コミュニケーションとしての仕事

まちがいには効用がある

インストラクションはプロジェクトや機械の側に立って考えなければならない。

ただし、インストラクションには危険をおかす自由があり、またまちがえてもいいし、ちがうボタンを押す自分も含まれている。

第4章 インストラクションの送り手・受け手

われわれは毎日インストラクションの送り手と受け手の両方の役を演じている。その境目ははっきりしないことが多い。

送り手であって受け手でもある自分のスタイルを知ることが、インストラクションの能力の向上には欠かせない。

自分についての歪んだイメージを補正するには、鏡の向こう側を見て、相手がどう反応するか注意を払うといい。自分の言うことを相手が理解するのに何が障害になっているか?

こんなボスに気をつけろ!

重役として成功するのに大切な資質、たとえば創造力や野心や頭の回転の速さが、かえってインストラクションの送り手としてはよくないほうに作用することがある。

機械のマニュアルを理解しようとして頓挫したときのことを思いだしてみよう。「こんなもの、理解できるか!!」と頭にきてマニュアルを壁に投げつけたのではないだろうか?あなたのインストラクションに従わなくてはならない部下の気持ちも、もしかしたら同じかもしれない

第6章 なぜインストラクションに従えないのか

われわれはつぎのようなさまざまな理由から、道なかばで立ち往生する

・インストラクションそのものが、わかりにくい。
・受け手が十分注意を払ってくれない。
・インストラクションの意図をあきらかにするような質問ができない。

第7章 インストラクション・マネジメント ハードルを越える方法

翻訳は欠かせない

つまり、すべてのメッセージは翻訳が必要なのだ。コミュニケートしている相手の言葉を外国語のようなものとして考え、話し、そして聴かなければならない。

インストラクションはなんらかの行動や応答を求めるコミュニケーションだから、翻訳はとりわけ重要である。

文章の翻訳では、言葉を差しかえただけでその意味を翻訳できたと思ってはいけない。

論争の多くはふたりのあいだに意見の相違があるからではなく、同じ意見をもっているのに自分の立場を防御しようとしてそれぞれちがう言葉を使っているから起こるのではないかと思えることがある。

メッセージは通じたか

自分のメッセージが理解されたかどうか確認するのにもっとも簡単な方法は、その相手にインストラクションを繰り返してくださいと頼むことだ。

イノセントクエッション

情報を導きだし、あるいは問題点をあきらかにするような質問はイノセント・クエッション(純真な質問)である。これは解決を生みだす。自分の博識ぶりを見せびらかすため、あるいは他人のまちがいを指摘するような質問は学習を破壊するものである。

生まれつきの好奇心にかられて質問できる力があれば、どのような状況でも役にたつ。問題を解決するとき、指示を求めるとき、割り当てられた仕事を明確にするとき、あるいは友達との会話などでもそうだ。

しかし、正しい質問ができてもそれだけでは十分ではない。その答えに耳を傾けなければならない。コミュニケーションというと、たいていの人はまず自分の考えを他人に理解されるように伝えることができるかどうかを考える。しかし、聞くということが、実はコミュニケーションのずっと大きな部分を占めている。

聞くこととインストラクションを与えることはいったいどんな関係があるのだろうか?意識して聞くことは、自分のインストラクションがどのように受けとられたかを判断するのにもっとも大切な方法だ。

コミュニケーションを一番確実に妨害するのは、話を聞かない人である。

しかし、価値あるコミュニケーションにとって、消極的とされる聞く要素は、積極的な話す要素と同じぐらい重要だ。話しているかぎり聞くことはできないのだ。

やりとりの過程できちんと聞くためにすこし間をおけば、理解力は格段にアップする。それによって情報を処理する時間がとれるし、結論を急いだり、伝達者に感情的に反応しないですむ。

いい質問の中に答えがあり、すばらしい答えのなかにはいい質問がある。

第8章 インストラクションのレシピ

順番もまたノウハウである

どの順序で内容を伝えたらいいのか、このことにも注意を払うべきだ。それが従う順序にも影響してくるからである。

伝えられること、伝えられないこと

インストラクションの使命と最終目的を公式化するときは、インストラクションに期待できることと、コミュニケーションの限界を超えていることを見きわめる力を養う必要がある。どの程度まで使命をはたせると考えるのが妥当だろうか?メッセージは送り手、受け手双方の理解力によって制限される。また、コミュニケーションの限界があり、利用できる情報にもかぎりがあるのだ。

安心させる指

インストラクションをつくりあげるのに時間を費やしたとしても、受け手がそれに従いやすくなれば、ミスもへり、仕事が速くなる。さらに、送り手自身の能力、想像力を超えるほどうまくこなしてくれれば、十分報われるだろう。

第9章 方法はいくつもある

かつての私は、人間は基本的には同じであり、ほとんどの人が理解できるような情報の「ベストの伝え方」があるはずだという信念で仕事をしていた。ただ完璧なインストラクションをつくり、適切な言葉と絵を見つけ、状況に合っているかどうかを確認すれば、ベストの結果が得られるものと考えていた。だがそれはコミュニケーションに対する無知と傲慢だった。その考え方では、理解はひとつの点にしかすぎない。だが理解は点ではなく道である。思考と思考、パターンとパターンを結ぶ道なのだ。理解が飛躍するためには、この結びつきが決定的な意味をもつ。

理解のためには単純化や最小化はさほど大事なものではない。大事なのは構成と明快さであり、相互関係を見ることである。

両方使えばもっと分かりやすい

言葉と絵の優劣がつかない以上、情報の伝達には可能なかぎり両方を併用するのが懸命なのだろう。

ベストの方法はたくさんある

最善なのは、受け手の流儀に合わせるように努めることだ。多様なテクニックは、好ましいという以上に、不可欠である。

つぎのような率直な案内をつけて作成することも可能だ。「専門家の方は75ページを参照してください。初心者の方は必ず第1章と第2章を呼んでください。」

「正しい方法」にふりまわされている

ほとんどのインストラクションに伴うトラブルは、物の組みたて方や機械の操作法がたったひとつしかないかのように言うことから起こる。受け手もこの「正しい方法」を理解するのに躍起になってしまう。やりとりの方法には、何を学ぶかによって多くの種類がある。唯一の正しい方法とは、ベストの方法などはないのだ。

同じ内容を伝えるにも多様な方法がある。口頭による説明がいい人もいるだろうし、文章の方がいい人もいるだろう。また手本を示してほしい人もいるはずだ。

くり返しになってもかまわない。それを厭うのは消極的な態度である。われわれには完璧なマニュアルがすでにあり、必要ならばいつでも使えるのだ。忘れてはならない言葉は「言いかえれば」である。あの考えを他人に伝えられなくていらだったとき、同じセリフを声を大きくしたりかん高くしてくり返してはいけない。それよりも、同じ内容をべつの方法で伝える方法で伝えるほうがいい。同じことをべつの表現で言ってみよう。新しい言葉の選択によって、聞くほうの理解は深まるだろう。

ラディカルな代案

インストラクションによって問題解決の想像力が高められる。多くの研究が示す通り、「創造的なものにしなさい」と指示を付け加えるだけで、人びとは創造的な仕事に向かう。

もっと先へ、もっと深く

もしあなたがある考えを温めているなら、もう一度じっくり考えてほしい。人間は最初の解決法でとどまってしまいがちだ。最初に思いついた考えがベストだとはかぎらない。それは月並みな考えにすぎないかもしれないのだ。

第10章 コミュニケーションを破壊するもの

インストラクションとは、自分でそれをするのにかかる10分間がないために、30分かけて他人に与えるものである

知らないころを思いだそう

人はひとたび何かを覚えてしまうと、知らないということがどういう状態であるかを忘れてしまいがちだ。

ほとんどのインストラクションは、知っている人間が知らない人間のためにつくるものなのだから、知らないという状態がどういうものかを思い出さないと、受け手に伝えるべき重要な情報が欠落してしまう。

つねに受け手の理解レベルが考慮されなければならないのだ。だがこれはけっしてやさしいことではないので、送り手に知らないという状態がどんなものかを思い出させるのは、受け手の役目でもある。

情報過多に注意

インストラクションをあまりにたくさんだすと、コミュニケーションのシステムには必ず混乱が起きる。

あなたがはじめて訪れる都市を歩いていて、ある場所へいく道を誰かにきいたときに、「3ブロック歩いてください、それから・・」という説明のあとがまったく思い出せないのは、新しい情報で頭のなかが飽和してしまったからである。

自分が情報過多の状態にあるかどうかを知るためには、そのときの任務がどの程度複雑なものなのかを判断しなければならない。

関連情報がない

関連情報がないまま与えられるインストラクションというのは、まるでパンに塗られていないピーナッツバターやジャムのようなものである。

第13章 インストラクションの達人とは

こんなインストラクションが望ましい

グレッグ・ショーはすぐれたインストラクションの要件としてつぎの4つをあげた。

・聞く者がそのことを早く知りたいと思っていること
・最小限の伝え方であっても、それが概念として明確であること
・おもしろく、セクシーで、適切で、明確であること
・聞く者が集中できる時間よりも短いこと

第16章 インストラクション虎の巻

コミュニケーション能力をみがく

メッセージの形式ではなく、内容に注目しよう。
抽象的な概念を具体的な描写に移しかえよう。
誤解をただすための質問能力をみがき、情報を引きだそう。
聞く能力を高めよう。
メッセージをすっかり理解するまで、感情的にならないようにしよう。

#理解の秘密 #ワーマン

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