最期は本名で

 桐島聡容疑者が神奈川県鎌倉市の病院に偽名で入院しているところを警視庁公安部によって身柄を拘束され、身元の確認が進められている最中に入院先の病院で死亡しました。いや、「桐島聡」と名前を言われても、私自身もピンとこないわけですが、顔写真を見たら「おぉぉっ!」ってなりました。最近あまり見かけなくなりましたが、「この顔を見たら110番」と書かれたポスターにやたらと掲載されていた指名手配犯です。画像を自分のブログにけいさいするのもちょっと嫌なので、気になる方はご自身で検索してください。おそらく見たことがある方だと思います。なんて言うか、薄ら笑顔の写真がサイコ感を醸しだしてくれるので妙に印象に残ってしまいます。

 そんな妙に印象に残っている輩なのですが、どんなことをしたのか詳しく知りませんでした。桐島は明治学院大学在学中に東アジア反日武装戦線の「さそり」班」に参加して、同じ「さそり」班の黒川芳、宇賀神寿一はと共に連続企業爆破事件に関与していたということです。黒川は無期懲役、宇賀神は懲役18年の実刑を受けており、宇賀神は現在出所しています。

 直接の容疑は①オリエンタルメタル社・韓産研爆破事件における爆発物取締罰則違反だそうですが、黒川、宇賀神の刑事裁判で②鹿島建設爆破事件、③間組本社ビル及び大宮工場同時爆破事件、④間組江戸川作業所爆破事件、⑤間組京成江戸川橋工事現場爆破事件に共謀・実行で関与していたとされています。被害状況は①死傷者なし、②死傷者なし、③重傷者1名。④重傷者1名、⑤死傷者なしと幸いにも命が奪われてしまうような事件にはなっておりませんが、これだけ狙われた間組としては、桐島が逮捕されていないのですから、恐々としていたことでしょう。

 桐島は内田洋となのり、数十年間にわたり、藤沢市内の工務店で住み込みで働きながら潜伏していたということです。住み込みで仕事だけして、周囲とは拘留しない寂しい生活を送っていたのかと思ったらそうでもなくて、音楽好きで「うっちー」とよばれ親しまれていたとか、音楽のイベントやライブに参加していたとか、楽しそうな話が聞こえてきます。でも、見つからないようにどこかで一線を引いていたのかもしれません。建設業界や我々の業界は、慢性的に人手不足で、桐島のような出自の良く分からないような人間も採用してしまうなんて言うのは、最近でもあるのでしょうね。まとまりませんが、罪を償うことなく、正体明かして逃げたみたいで気に入らないです。

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