闇の先へ14

調子がいい時の俺の文章は、自分で言うのもなんだが、ある種の色気とオーラが漂っているという自覚がある。それはそのようなものとして文体を蓄積してきた俺のこれまでの生き方の結果なのだが、それが自分にもわかるくらいに感じられる時は調子がいい。困ったことにその調子とやらは、いつ何時やってくるかわからない。体調にも連動しない。今日などは、ひどい風邪がようやく峠を越えて、ほんの少しだけ体力が回復した瞬間に思いついたことを書き留めようとしたタイミングで「それ」が訪れた。わずかに回復した体力を根こそぎもぎ取るような勢いで、言葉が俺の内側で叫びだす。体はまだしんどいし、目は痛い。でもそんなのは言葉の方はお構いなしだ、俺を出せ、俺を形にしろと叫び立てる、そしてなんとかして形にする。それが今ある程度終わって、ようやく一息ついている。

疲れ切った。言葉はかっこいいが、俺は死にそうだ。眠る。

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