闇の先へ13

昨日手元からこぼれ落ちた論旨が、何度か地面でバウンスしている様子を酩酊の中で見つけて、なんとかその首根っこを捕まえて、強引に言葉の海に沈み込ませることができた。そいつは溺れる途中で「まだ早いまだ早い」というのだが、そんなこと知ったことか、俺がいいというのだ。いや、確かに、少し早い気がする。そこに置いてしまうと、言葉がアクロバティック宙返りをしている気がしないでもないが、それはそれでいい。むしろそのジェットコースターのように暴れる言葉たちの不満が、また文章に火をつける。俺はそれをさらに煽り立てる。燃える先で消し炭になるのか、それとも艶やかな花火になるのかは、この後次第。


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