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2021-22 新章、始動。 【105/200】

2021年、あけましておめでとうございます。

ヤマカワタカヒロです。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

年末のバースデーワンマンを終えてから、少しゆっくり休み、これからのことを考えていました。

もともとこの200週連続ブログを立ち上げた目的は、アーティスト・ヤマカワタカヒロとしての活動目標として「2022年までに日比谷野音のステージに立つ」を実現するためでした。(※2週目のブログをご参照)


200回目のブログが、最終回の2022年10月最終週となる予定。
今週で105回目、すでに半分の期間を過ごしています。

残りの1年10ヶ月をどう過ごそうか、改めてここで立ち止まって考えたい。
そう考えたのは、タイミング的なものに加えて、この2年間で経験したこと、積み上がってきたもの、が影響しています。

今回はそれらを、心の棚卸しをするためにも、このブログを書きながら、考えてみたいと思います。


■自分は「何者」なんだっけ?

最近、自分がよくわからなくなりました。

自分のことをどう呼べばいいのか?

「the Happy Reminder」は最も抽象的な概念・ビジョンで、これを実現するために、どういう活動をするのか、いろいろと考え、活動してきました。

楽曲をつくり、演奏し、歌っている自分は、「アーティスト」なのか、「ミュージシャン」なのか、「シンガーソングライター」なのか、「歌うたい」なのか。

社会活動としての「児童養護施設支援を行うNPOの経営メンバー」という側面もあります。
ビジネスパーソンとして積み上げてきた「経営企画・事業戦略スタッフ」とか「事業開発・商品企画担当」とか「PMOエキスパート」みたいな側面もあって、それらのスキルや経験は、音楽活動を続けていくことにも、社会活動の事業運営にも、生かされています。
こういうのを一般的にわかりやすく肩書化すると「社会活動家」とか「ビジネスコンサルタント」とか「プロジェクトマネージャー」とか、そういう感じになるのでしょうか。

例えば、
ヤマカワタカヒロ:シンガーソングライター・社会活動家・プロジェクトマネージャー

うーん、、、なんかしっくりこない。

「それっぽく見せてる人」みたいな感じがして、よくわからないし、自分じゃない感じがする。

自分のことをどう説明すればいいのかよくわからないのは、3枚の名刺がそれぞれ独立しているから、な気がします。
「自分が何者か?」をそれっぽく見せることを考えるよりも、「自分は何がしたいのか?」を考えたほうがいい気がする。
過去にやってきたことではなく、今やりたいこと、これからやること、が自分を定義してくれる気がします。

じゃあ、自分がやりたいことって、何だっけ?


■自分は「何がしたい」のだっけ?

「Road to 日比谷野音」の目標を掲げたとき、その目標を達成したときの「シーン」を一緒に考えました。

「プロのミュージシャンとして大勢のお客様を集めて、日比谷野音で単独ライブを開催している」
実は、そういうシーンはイメージがわかなかったし、それを実現したいわけじゃない、のです。

当時思い浮かんだのは、
・これまで僕の音楽活動を応援してくれた人たちが集まってくれている
・児童養護施設で暮らす子どもたちに、集まってくれた大人たちが応援を贈っている
みたいな、そんな画でした。

それと、自分がステージに立ってみたいコンサート会場として日比谷野音のイメージを重ね合わせてみると、「ライブを通じて子どもたちに奨学金を届けられるかもしれない」、そうイメージして「叶えたいこと」を絵にしてみました。

そこから2年間の活動を経て、改めてそのイメージを見つめ直してみて、いくつか修正したいと思っています。


■ライブを通じて「人と人がつながる」

この2年間、曲を書いたり、ライブで歌ったりしてきたなかで思ったことは、音楽や歌は、僕にとって根源的に好きなものであって、まずそれありき、ということ。

ただ単に、書きたいから曲を書くし、歌いたいから歌う。
それをできるだけ多くの人に聴いてもらいたいし、できるだけ深く聴いてくれた人の心の中に入ってほしい。
僕の歌を聴きたいと思ってくれるファンの皆さんのことを、何よりも最優先に、活動をしていきたい。
「ライブ」はその最もコアな活動であって、一番大切にしていきたい。

その大切なライブの空間を提供してくださっているライブハウスが、コロナ禍によって苦境に立たされています。

下北沢LOFTは、緊急事態宣言を受けた休業期間中、長沢店長が店舗をDIYでソーシャルディスタンス仕様に大幅にレイアウト変更しました。アパレルや小物のグッズ販売を開始し、Wi-Fi環境も導入。下北沢LOFT出身のmiwaさんが、9/12に初の無観客有料生配信ライブ<miwa live at 下北沢LOFT 〜Remote acoguissimo〜>を開催し、長沢店長を激励しました。

日吉NapはYouTubeとFacebookライブによるライブ配信を導入し、出演者が少ない日には竹村店長自らステージに立ち、音楽を届け続けました。9/9に日吉の店舗閉店を発表し、11/15に最終営業日。そしてわずか1ヶ月足らずの12/12に白楽での再オープンを果たしました。この移転に際して、お世話になったミュージシャンたちが祝福と激励に続々と駆けつけました。

ライブハウスとミュージシャンは二人三脚の存在です。
そして、ミュージシャンとファンたちも二人三脚の存在として一緒に歩いている。
今回のコロナ禍を受けて、そのことを深く痛感しました。

ライブハウス・ミュージシャン・各ミュージシャンのファンの方々。
この3者が心地よく、持続可能性のある「音楽のある場」をどうやってつくっていくか。

6/27に開催した「LIVE YELL 2020」
10/3,10/24,11/15の3日間で開催した「Thank you Nap! See you Nap!!」
12/27のバースデーワンマン「Sing and Live 2020」
これらのライブはすべて、その問いに対して、今考えうる僕の答えを提示したものです。


ライブを開催するために多種多様な感染防止対策をして、ライブ中もめちゃくちゃ気を付けて、「自宅に帰るまでがライブだよ」の合言葉で関係者全員で気を付けて、ようやく一つのライブが開催できる。かける労力と精神的な負担は、体感的にこれまでよりも格段に増えていて、しかし、来場者数は減っている。採算的にはとても厳しい。それでも、やってよかった。

どのライブでも、会場に集まってくださったファンの皆さんが、嬉しそうに笑って、歌を聴きながら涙を潤ませて、別れ際に名残惜しそうにしてくれました。
「会えること」がこんなにも価値があったのかと、知りました。

会場に集まった皆さんは、生音・生演奏のライブだから来てくれた。
そして、そこで久しぶりに会いたい仲間たちと会えるから、来てくれた。

ライブは、会いたい人たちと会うきっかけになる。
ファンの人たちにとっても、ミュージシャンにとっても、ライブハウスの関係者にとっても。


ライブは「人と人をつなぐ」価値と機能を持っている。


自分が音楽を楽しむこと。
ファンの皆さんに「幸せを感じる瞬間」を届けること。
お世話になっているライブハウスと一緒に続けていくこと。

そうやってライブを通じて「人と人がつながる場を創る」こと。

まずこれが、最もコアな「やりたいこと」です。


■つながるべき人たちの「出会いを創る」

昨年、コロナ禍によって、HUG for ALLの支援活動も存続の危機に見舞われました。児童養護施設へ直接訪問し、対面での学習支援や体験活動の提供がコアの提供サービスだったため、施設への訪問ができない=子どもたちや施設への価値提供の手段を失う、ということを意味します。

ボランティアメンバーのみんな、施設の担当職員さん、それぞれとオンラインでの打ち合わせを重ね、学習支援・体験支援サービスのオンライン化を急速に進め、5月から新しいオンラインでの支援をスタートしました。その後、夏に向けて団体内のプロジェクトチームを中心に、「本来やりたい団体としての支援のあり方」×「新しい時代にあった支援のやり方」を議論し、さらなる支援サービスのリニューアル検討を行いました。50pにまとめられた新サービス企画は、現場の運営メンバーの手で、一つずつ現実のサービスに具現化され、子どもたちへの提供が始まっています。これにより、2021年から支援施設の拡大や、支援サービスの質の向上・ラインナップ数の増加が見えてきています。

全員が本業を持つプロボノ・ボランティアで構成されているHUG for ALLが、大混乱の2020年にこれだけのことがどうして進められたのか。
それは多分、ボランティアメンバーのみんなが口々に話していた「子どもたちに、会いたい」ということに尽きる気がします。

HUG for ALLで支援をしている子どもたちは、何らかの事情で家庭での養育が難しいと判断され、大人たち・社会の判断によって児童養護施設で暮らしています。子どもたちにとって、大人たちはどう見えているのか。HUG for ALLに参加しているボランティアのみんなは、それをずっと考えて、活動しています。子どもたちの成育には、物理的・心理的な安心・安全と、関わる大人たちへの信頼が非常に大切であり、だからこそ、子どもたちとの継続的な関係性を重視しています。

学校が休校となり、子どもたちは友達と会えなくなり、施設内で暮らす時間が長くなったことによって、子どもたちのストレスと施設職員の皆さんの業務負荷が劇的に高まりました。ボランティアのみんなにとっても、自分たちの本業や生活が大きく変化して大変な状況。しかも、ステイホームで外出できない。こんな時にボランティアどころじゃない、というのが普通じゃないかと思います。しかし、こんな時だからこそ「子どもたちに会いたい」「子どもたちが心配だ」と、ボランティアのみんなは口々に話していました。子どもたちへの想い、施設職員の皆さんの力になりたいという想い、これこそが、短期間での支援内容のオンライン化と、サービスリニューアルを実現する原動力だったんじゃないかと、僕は思います。


HUG for ALLとは別に、個人的につながっている社会的養護の活動をしている仲間たちも、様々な取り組みをやっていました。

元児童養護施設職員で、一般社団法人Masterpiece代表の菊池真梨香(まりっぺ)さんは、コロナ禍で生活困窮に陥った施設出身の若者たちへの金銭・食料支援のプロジェクトを立ち上げ、目標金額の5倍を上回る500万円を調達し、138名への生活費給付と、65名への食料配送を行いました。

児童養護施設で育ち、児童自立支援施設で教員として勤務している川瀬信一さんは、社会的養護の当事者たちの声を発信していく活動を続けてこられ、彼が中心となって立ち上げた「社会的養護経験者全国交流会」は、昨年、厚労省の後押しを受け、国の事業として開催されました。

タレント・モデルとして活動されているブローハン聡さん、児童養護施設出身の若者へ成人式の衣装・着付け・写真撮影の支援を行う「ACHAプロジェクト」代表の山本昌子さん、映像作家・絵本作家として活動されている西坂來人さん。
児童養護施設出身の3名が共同プロジェクトとして立ち上げた、社会的養護について広く知ってもらうためのYouTubeチャンネル「Three Flags -希望の狼煙-」は、2020年末現在でチャンネル登録者数3500人を超えました。そして、このメディアを通じて生まれたつながりは、支援を必要としている若者たちと、様々な支援活動とのつながりを生んでいます。


他にも、たくさんの同志たちがそれぞれの立場から、様々な活動を行っています。そして、その同志たちは、つながりながら、お互いを刺激しあい、助け合いながら、少しでも前に進むために、がんばっています。


僕は、この2年間で「つながり」というものがどれほど価値があるものなのか、と改めて理解しました。

一人じゃない、と思えること。
困ったときに相談できる人がいること。
あの人みたいになりたい、と思える人がいること。
力になりたい、手を差し伸べたい、と思える人がいること。

そう思える人がいる、ということが、人生においてとても大切なことなんだとわかりました。
そして、そう思える人と「実はそう簡単に会えるわけじゃない」ということも。

つながるべき人たちが出会うこと、そして、つながりを維持し、深め、広げていくために、会うきっかけをつくること。

僕は、そういうことをやっていきたい。そう考えています。


■ the Happy Reminderとして

書きながら考えてきて、ようやくまとめに入れる気がします。

「幸せを感じた瞬間」を思い起こす時、そこに浮かぶのは、お金とかモノとかじゃなくて、楽しかった場面、そこで交わした言葉、そして、一緒にいた大切な人たちの笑顔。多分、そういうことなんだと思います。

音楽や歌には、そういうシーンを思い起こす力があります。
ライブはその音楽の力を最大限に引き出す力があって、そしてなにより、ライブの場が、大切な人と実際に会うきっかけになります。
普段なかなか会えない友人と、ライブ前に会っていろいろ話して、ライブを一緒に観て、ライブ後に食事しながらまたあれこれ話す、とか、ライブをきっかけに新しい友人のつながりができる、とか。


僕は “the Happy Reminder”として、音楽・ライブを通じて、人と人とのhappyなつながりをつくりたい。
そういうライブの企画もしたいし、計画も立てたいし、運営もしたいし、素晴らしいアーティストの音楽を「聴くべき人たち」に紹介したいし、自分の音楽も届けたいし、ライブハウスが持続可能な仕組みもつくりたい。

日比谷野音は一つの目標ではあるけれど、最終目的地じゃない。
「人と人をつなぐライブ」を創っていく中で、いつかその場所で開催ができたら、とは思います。

そう考えて、ようやく自分の中での焦りやモヤモヤが晴れてきたような気がします。


コロナの状況次第、となるので、具体的な計画を書くことは難しいのですが、いったん、2021−22年の2年間でやっていきたいことを書いてみます。まだ構想段階ですので、これからいろいろ変わっていくかと思いますが、いったんラフスケッチとして。

1)定例ライブ(毎月)
■「下北沢LOFT」「白楽Nap」での定例ライブへの出演(基本40分)
■音楽を愛するミュージシャンの皆さんとのつながりを大切にする
■ヤマカワタカヒロのファンの皆さんとの交流を大切にする(ファンの皆さんのリクエストに答えたり、悩み相談を受けたり、双方向でやりたい)

2)イベントライブ(年3~4回)
■「LIVE YELL」:音楽で表現したいことがある人をゲストにお迎えし、一緒につくるコンセプトライブ
■「Respect ツーマン」:ヤマカワタカヒロがRespectするミュージシャンをお迎えするツーマンライブ
■「Sing and Live」:ヤマカワタカヒロのバースデーワンマンライブ

3)社会的養護支援につながる音楽フェス(年1回)
■社会的養護に関わる人たちを応援し、当事者・支援者の声を社会に発信していく音楽フェスを立ち上げる
■施設出身者の同世代の仲間や、支援する社会人たちとの斜めの関係など、つながりが生まれるきっかけになる
■メジャーアーティスト〜当事者ミュージシャンまで広く出演者をラインナップ
■施設出身者のチケットは無料。施設出身者:支援者=1:1の座席割合として、支援者が2枚分のチケットを購入することで、施設出身者が1名入場できるしくみ(+企業スポンサー)※遠方からの参加もできるように交通費も出したい
■ライブ配信も組み合わせて、全国の施設出身者や支援者とつながりたい


今回、新しく加わったのが「3)社会的養護支援につながる音楽フェス」です。これはどちらかというと、ミュージシャンとしてよりも、プロデューサーとかプランナーとか、プロジェクトマネージャーとしての役割が大きいと思います。かつ、とても個人活動で創れるものじゃない。
だから、まず第1フェーズとして、企画をしっかりつめるためのヒアリングと、一緒にやってくれる仲間を探すところから始めたいと思います。そもそも、こういう場が当事者の人たちや、関連する皆さんにとって価値があるのか、あるとしたらどういう形だとよいのか、一つずつ企画を積み上げてきたいと思います。
これを読んでくださった方、「一緒にやってみたい」と思われる方はぜひお声がけください。



ということで、2021年。
ヤマカワタカヒロの新章を始動します。

本年もどうぞ、よろしくお願いいたします。


the Happy Reminder:ヤマカワタカヒロ

noteを読んでくださりありがとうございます。 歌を聴いてくださる皆様のおかげで、ヤマカワタカヒロは歌い続けることができています。 いつも本当にありがとうございます。