見出し画像

昨日を失ったって 今日は奪えない 【102/200】

ヤマカワタカヒロです。

2020年12月12日、日吉から白楽へ移転したNapの営業再開初日でした。

11月15日の日吉Nap最終営業日から、12月12日のNap白楽グランドオープン日へ。

ひと月もないその間で、Napの竹村さん・新山さんが片付け、準備しなければならかった仕事の数々を思うと、本当に頭が下がる思いです。


新生Napは、白楽駅西口を出て、六角橋商店街の坂道を少しくだったところにあるビルの3階にありました。

画像1

地下に構えていた日吉のNapと比べて、地上3階の新生Napは一般的な「ライブハウス」というイメージよりは、音楽を愛する仲間たちが集まるホームパーティのような温かさがありました。

画像2

西日が優しく差し込む窓や、柔らかい白さをもった壁紙、そこに、日吉時代から受け継がれたタペストリー。

変わったこと、変わらないこと、それらすべて含めてNapなんだな、と。


オープン初日ということで、リハは音響のチェックやステージと客席の間に吊るすアクリル幕の調整などに手間取りました。

僕も含め、演者の皆さんも、新しい環境に慣れるのに少してこずっているように感じました。

「楽屋とか、バーカウンターのしきりとか、まだまだいろいろ整っていないものがある」とマスターの竹村さんは挨拶の中で話しました。

共演の葛西正志さんは、ライブ中のMCで「この壁に、僕たちの演奏を染み込ませて、いい箱にしていきましょう」と話しました。

うん、そうなんだな、と。

スタッフ・演者・お客様、みんなで、新しいNapという箱をつくっていく楽しいプロセス。

その初日に立ち会うことができて、とてもうれしく、幸せに思いました。

12/12 Nap白楽グランドオープンライブ
1. Compass
2. ネイバーブレイバー
3. 記憶
4. every
5. 街路樹(piano)
6. 頼らない
7. 叶える


ライブ後に、新山さんに「ネイバーブレイバー」がよかった、と言っていただけました。

うれしかった。

今回のライブは、Napの新しい船出を応援するセットリストを考えて、冒頭の2曲「Compass」と「ネイバーブレイバー」に特に思いを込めました。

ライブ前、改めて「ネイバーブレイバー」の歌詞を読み直してみました。



ネイバーブレイバー

雨上がりが 街を照らした
変わり果てた いくつもの思い出たちが
疲れ果てた 僕らを待ってた

泣いたって (we can only hold all night)
恨んだって (we can only close our eyes)
叫んだって (we cannot be in the past)
昨日は戻らない
ああ こんなにも
大切なものばかりだった

ねえ今 僕らの愁いは
どこにぶつければいいんだ
誰を責めればいいんだ
例えば 僕らじゃなければ
なんてこと思ったって
なんてことを思うんだって
眠れない

崩れ落ちた 床の下で
泥だらけの 作業着で笑う声が
疲れ果てた 僕らを呼んでた

泣いたって (we can only hold all night)
恨んだって (we can only close our eyes)
叫んだって (we cannot be in the past)
明日はやってくる
ああ もう一度
大切なもの 抱きしめよう

ネイバー 僕らのブレイバー
昨日を失ったって
今日は奪えないんだって
あなたが 教えてくれたんだ
瓦礫の宝物を拾い集めて
また始めよう

砂埃の中の笑顔
冷たい握り飯の温かさ

ネイバー 僕らはブレイバー
昨日を失ったって
今日は奪えないんだって
大丈夫だよ
つないだ 僕らの想いは
今もどこかでまだ 凍えてる誰かのもとへ
ネイバー (we can stand up again)
僕らはブレイバー (we are still standing here)
明日をつくるんだって
僕らがつくるんだって
何度でも
何度でも




昨日を失った僕らにできることは、ただ、明日をつくることだけなんだと。

自分に言い聞かせるように、歌いました。

僕自身、日々、いろんなものを失って、その度に落ち込んで、最近は特に、そういうことが重なって。

失うたびに、絶望することはとても簡単。

その感傷に浸ることで、自分を守ることも、とても大切。

悲しみや失望や無力感を、無理に抑え込んではいけないし、きちんと向き合って、抱きしめてあげないといけない。

「昨日」を失った僕らにとっての「今日」は、そういう時間なんだと思います。

それは、誰にも奪えない「今日」。

そんな今日を過ごした後は、僕らは「明日」をつくることができる。

つくることは、失うことよりも難しくて、時間がかかる。

でも、確かにひとつずつ、少しずつ、僕らはつくることができる。

そうやって僕らは、失ったものたちに思いを馳せながら、新しい世界をつくっていく。

人生というのは、そういう日々のことを言うんじゃないかと、思います。



いろいろあった2020年。

年内最後のライブは、12/27(日)、下北沢LOFTでのバースデーワンマンライブ。


しっかりと感染対策をして、今年がんばってきた皆さんと、会いたいです。

今できる、僕のすべてで、お迎えしたいと思います。

noteを読んでくださりありがとうございます。 歌を聴いてくださる皆様のおかげで、ヤマカワタカヒロは歌い続けることができています。 いつも本当にありがとうございます。