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ライブハウスへおかえり 【179/200】

今週末の下北沢LOFTは、あの頃のようだった。

観客へ精一杯、歌を届ける人たち。
演者を応援する人たち。
その空間を創り上げる人たち。

みんな、音楽を楽しむ人たち。

そんな幸せな人たちで満ちていた。


おかえり、ライブハウス。


6/4(土) リハ入り

今回は自分自身3ヶ月ぶりとなる弾き語り。
ここ最近、すでにできている楽曲の音源制作とその次の新曲創作に注力していて、あまり演奏の準備ができていなかった。
会社の仕事もNPOの仕事もいろいろと立て込んでいて、正直余裕もない感じだった。

いつものことだけれど、前日のリハスタでの通し練習は反省点ばかりが気になって、不安に襲われる。
今回は喉の調子を崩していたこともあって、余計に不安だった。


ライブハウスに到着して、リハ入り。

この日は昼公演もあってまだライブの余韻冷めやらぬ客席に荷物を置き、久しぶりにお会いした長沢店長をはじめ、いつものスタッフの皆さんにあいさつをした。

まもなく、共演者のつづみさんと福田佑亮さんも到着。

つづみさんとは一度対バン共演をしていて、素敵な歌声と、グッドメロディを書くシンガーだと記憶していた。
そして、福田佑亮さんはリハ入り直前に気がついて驚いたのだが、「メインダンサー&バックボーカル」スタイルのユニット「超特急」でメジャーアーティストとして活躍していた元メンバーのユースケさんだった(僕自身、超特急が所属するスターダストの「TEAM SHACHI」のファンなので、ものすごくテンションが上がった…)。

順番にリハを進めながら、後から合流したもう一組(ソロなので一人)の「海の日」さんも含め、4人であれこれお話をした。


気がつけば、さっきまでの不安が嘘みたいになくなっていた。

これも、いつものこと。
ライブハウスは、不思議だ。
足を踏み入れるといつのまにか、エネルギーが満ちてくる。
マイクチェックでステージに立つ。
あんなに調子の悪かった喉から、ちゃんと声が出てくる。

ライブハウスとは、そういう場所だ。


6/4(土) ライブ本番

トップバッターは福田佑亮さん。

普段弾き語りの多い下北沢LOFTのステージに、踊りたくなるビートが鳴り響く。
勢いステージに飛び出した彼は、ファンの期待に応えて踊り、煽り、歌う。

彼のステージは、とてもひたむきで、ポジティブで、ファンの方々に対する愛とサービス精神に溢れていた。当然だが、一切の照れも遠慮もごまかしもない、混じりっ気なしのプロのステージ。
ビジュアルが素晴らしいのは当たり前。その上で、何をファンに届けることができるかで勝負する世界で彼はパフォーマンスを磨いてきたのだ。
全力で歌い、踊り、「幸せになりましょう!」と叫ぶ彼の姿に、プロとアマチュアの違いをまざまざと見せつけられた気がした。

開場前、リハに向けた準備をしている中、彼は心の病からグループをやむなく脱退したこと、苦しかった時に音楽に支えられたこと、自分らしくもう一度表現活動をしていきたいという想い。
そういったことを、なんの躊躇いもなく、率直に話してくれた。
メジャーシーンからステージを変えて再起を期すというのは、言葉にすれば簡単だが、実際、どれだけの悩みや苦しみを受け止め、受け入れ、乗り越える必要があったのだろうか。

乗り越えてきた人は強い。
彼の「再起」に、心震えた。



2組目は「海の日」さん。

クラシックとアコースティックのハイブリッドギターで鳴らす心地よい音色に、優しく心に語りかける歌声。
まだ3回目のライブ、といいながら、とてもそんな風には見えない落ち着いた演奏で、年齢的にはひと回り以上離れた僕なんかより、大人なステージを見せてくれた。

学生時代ドラマーだった彼は、歳を重ねても、ひとりでも音楽活動を続けやすいようにと、ギター弾き語りに転向したという。
社会人になって、バンドでオリジナルミニアルバムを制作して、さあこれからと言う時に活動休止に陥った20代の自分のことを思い出して、応援したい気持ちでいっぱいになった。

音楽を続けよう。
休んでもいいし、無理しなくていい。

人生を通じて、ライブハウスで一緒に音を奏でていきたい。
そんなことを思った。



3組目はつづみさん。

相変わらずいい声。グッドメロディ。
優しく安定したアルペジオに透明感のある声の組み合わせは、彼女の代名詞だろう。
前回ライブで僕が好きだといった「スタンドバイミー」、胸がキュンと締め付けられる「6月の雨」。
こういう曲をさらりと書き上げる瑞々しい才能が、正直羨ましい。

MCを挟んで初披露された新曲「足りない」。これが本当によかった。
「一聴で覚えてもらえる曲」を書きたい。僕の目下のテーマ。そのお手本のような曲だった。一夜明けた今でも、もう一度聴きたい。



観客としてすでに満足した気持ちとこれから歌う緊張感がごちゃ混ぜになった複雑な面持ちで、僕はステージに向かった。

4組目、ヤマカワタカヒロ。

  1. 追い風、向かい風

  2. ネイバーブレイバー

  3. それでも僕らは

  4. 寝返り

  5. おいで、ここに。

  6. Compass

  7. 日々の彼方(未音源化曲)

今回のセットリストは、バンド「the Brand-new Amsterdam」時代の楽曲とソロ楽曲と、そしてまさに音源制作を取り組んでいる曲で構成した。

ライブとは、幸せになる時間のこと。

トップバッターの福田佑亮さんがまさに伝えてくれたメッセージに共感する。僕なりの表現で、同じ気持ちを伝えたつもりだ。


歌っている瞬間は、どうしてあんなに幸せなのだろう。
前日リハも、会場入りする移動中も、あんなに不安で仕方ないのに、ステージに立っている瞬間は、そんなこと嘘みたいだ。

僕は、やっぱりライブが好きだ。
ライブハウスが、好きだ。


6/4(土) ライブ後

終演後、会場にお越しくださったお客様にあいさつをし、話をする時間が好きだ。

ライブをやったからこそ会える人がいる。
ライブに来てくれることは、僕にとって他に代え難い報酬だ。
感謝しかない。マジ感謝だ。マジで感謝。マジでマジで感謝。

最後まで残って聴いてくださった福田佑亮さんファンの皆さんが、特典会で2ショット写真を撮っている。
もちろん、僕も並んで撮ってもらった。

※tweet時に福田さんのお名前およびハッシュタグを誤って記載してしまいました。正しくは「福田佑亮」さんです。心よりお詫び申し上げます。


お客様たちが会場からいなくなり、共演者の皆さんとお互いのステージについて感想を伝え合って、最後にスタッフの皆さんとビールを飲みながらたくさん話した。

新調されたアップライトピアノを弾いたり、カホンを叩いたり、笑い合って、語り合って。まるで青春みたいだなんて話しながら、気がつけば時計は0:00を跨いでいた。
コロナ禍になってから、外で日を跨いだのは初めてだ。
嬉しかった。
帰りたくなかった。



6/5(日) 観客として

今朝は早く目が覚めてしまった。
これもいつものことだ。
最近、朝寝坊することができない。

家族の予定を済ませて、お昼はそばを茹でて食べて、2日連続の下北沢LOFTに向かった。

(ちなみにTEAM SHACHIのオンライン特典会があったので、推しに昨夜のライブのことを報告しておいた)


敬愛する作曲家・ギタリストの前田克樹さんと素晴らしい歌声のシンガー・ミューアさんのアコースティックライブ。

ミューアさんファン、前田さんファンが日本全国から下北沢LOFTに集まった。

前田さん提供曲で構成されたセットリストで、美しいミューアさんの歌声が前田さんの洗練されたギター&コーラスに包まれて会場を満たす。

ただただ、幸せな音に包まれる時間。

アンコールラストの名曲「Kaleidoscope」は、心を完全に洗い流してくれるような、そんな6分30秒だった。



16時半開演だったこともあり、階段を上った先に見えた下北沢の街はまだ明るかった。

この2日間、満席の下北沢LOFTで味わったのは、数年前のあの頃のような空気。



ライブハウスへ、おかえり。



僕たちは、音楽を止めない。



7月2日。

下北沢LOFTで次のビッグマッチ。柴田ヒロキさんとのガチンコツーマンライブ。

残り1ヶ月。

気合を入れて仕上げていくので、ぜひ。


ライブハウスに、会いにきてください。



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■ ヤマカワタカヒロのWork

<音楽活動>


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《ライブ予定》

 7/2(土)ヤマカワタカヒロ&柴田ヒロキ ツーマンライブ @下北沢LOFT


<社会活動>

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