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結婚式から1年が経っても、あの日のモヤモヤが忘れられない

 彩乃さんとの結婚式から9月17日で1年が経ちます。台風直撃という最悪のコンディションの中、参列してくださった皆様からはとても印象に残る式だったとお褒めいただくことも多く、とても嬉しい限りでした。

 が、実は実行した側の僕たちにはすごくモヤモヤが残っていて、一年経って自分たちの思い出としては、実は後悔がたくさん残っていたりもして。忘れないうちに、僕たちの結婚式を終えるまでの一連の流れと、何がダメだったのかを考えてみたいと思いました。めちゃくちゃ長いですが、これから式を挙げる誰かの参考になればいいなと。


 まず、そもそも僕たちがどんな流れで結婚式を行ったのか、簡単にまとめておきます。

(1〜3月)場所、人数の選定

 4月の入籍を前に、1月末頃から秋をめどに結婚式をしようと決めて、場所探しを始めました。ここで絶対に譲れない条件は3つ。

・予算を極力安く抑えること。

・古くからの友人を中心に少人数制として、ゆっくり話せる時間を持つこと。

・式場の自由度が高く、自分たちが好きな世界観の中で式ができること。

 僕の実家が大阪、彩乃さんが北海道なので、公平になるよう東京でやるしかないかなあと思いつつ、実際に見学をしたのは以下です。僕らは建築が好きなので、ある程度好きな教会などがわかっていて、かなり絞ってから見学を申し込みました。だいたい2〜3月の週末は全てこの外出に消えました。一度だけゼクシィ主催の説明会にも行きましたが、何の参考にもなりませんでした(笑)。

・軽井沢高原教会(立地はいいが、東京からの乗り継ぎが超大変)

水の教会(安藤忠雄建築に憧れて現地へ行くも、やはり遠すぎる)

アーカンジェル代官山(一番立地がいいが、大手だけに自由度が低い)

山の上ホテル(レトロな建物が最高に好きだが、金額・内容が絶妙)

椿山荘(ホテル付はポイント高いが、式場自体が微妙)

八芳園(もっとも王道かもだが、金額は意外と抑えられそう)

 ちなみに、基本的にどこも内覧会に行った当日に決めるとかなり安くなるよう誘導されます。でも、ここで安直に決めると後で後悔するので、悩むならその場での契約はしないことをオススメします。僕たちはこの中で、最終的に八芳園に決めました。決め手はたったの2つ。

・大好きな自然が東京の割にたくさんある場所。

・アイテムや外部メンバーの持ち込みが無料なこと。

 この数カ月本当に色々悩みましたが、結果的にはすごくわかりやすいポイントで消去法的に選ぶことができました。持ち込み無料って意外と少ないんです。今考えれば、ここで消去法だったことがおかしいんですが・・・(笑)。

 もう1つ、すべての場所と内容を2人で用意する“完全オリジナル案”というのもかなり考えたのですが、全て準備をすることが物理的に現実的でないことととなんだかんだ変わらないくらいの費用がかかりそうということでナシになりました。カジュアルな結婚パーティーくらいだったらできるはず。


(3月)日程と予算決め

 内覧会に参加した当日に安くなるということで本気で決める覚悟で行ったこともあり、3月末頃には場所が決まりました。ちなみに、この仮契約の時点で、だいたいの来客数と内容を決めて見積書を作られます。この後はこの見積書を書き換えて行く形で最後まで進むので、結構ビビります。僕らはたしか40人計算で150万くらい、ネットで見る平均から言えばかなり安かったと思います。m高くなりそうなオプションは全て省きました。

 そして、この時点で挙式まで話をするプランナーがつきます。式場にもよりますが、基本的には誰になるかを選べないですし、当日は現場担当がいるので、このプランナーさんが同席するかはわかりません。このプランナーさんとの相性が全てを決めるのです(まあ本当に問題があれば変更をお願いできるのかもしれませんが・・・)。


(4〜9月)半年かけてコンテンツ作り

 ここからは半年間で、当日2時間の中身を決めて、それぞれを準備していくことにつきます。ここからのやり方は本当に人によってまちまちでしょうし、全てプランナーさんに任せても結婚式はできるのですが、最初に言ったとおり僕らはできること全てを自分たちで準備をすることで費用を節約しようとしたので、とっても大変でした。半年間土日休みの全てを費やしたくらいです(笑)。

 僕らは2人とも編集の仕事をしたことがあったので、言うなれば半年かけて雑誌を作るような気持ちで結婚式に取り組みました。なので、まず決めたのはテーマです。二人らしい結婚式をするならと、テーマを“日曜日”にしました。挙式当日が日曜日だったのですが、僕たちは休日ごとにいろんなところへ出かけたりいろんなものを体験するのが好きなので、そんないつもの日曜日を結婚式で表現しようと思いました。普通にプランナーさんに任せていると、多分細かいコンテンツを決めていくだけなので、テーマとか世界観とかは絶対話に出ません。でも、これがないと本当にグダグダになるんだと思います(雑誌で特集名を決めないようなものなので・・・)。

 さて、“日曜日”というコンセプトの中で、極力お金をかけないように何を用意したのか、参考までに以下にまとめておきます。

衣装

 ウエディングドレスは彩乃さんがインスタグラムで見つけたドレスブランドを3〜4カ所試着して、「ロンブル エ ラ ルミエール」というブランドにお願いしました。何よりドレスを作ってくれるデザイナーさんの世界観に二人して惚れたのです。そして、僕らしいタキシードといえば、「トムブラウン」しか浮かばず(笑)。これは本当に運がいいのですが、仲の良い友人が僕にぴったりサイズの「トムブラウン」のタキシードを持っていて。お借りすることになりました。一度お色直しをしましたが、和装は、彩乃さんがネットで見つけたレンタルサイトを活用。これら全て持ち込み無料。

招待状などのペーパーアイテム

 彩乃さんがイラレで制作。かなり苦戦しながらも、デザイン力を発揮しておりました。イラストを大好きなイラストレーターさんに書いていただき、招待状の印刷は「ウイングド・ウィール」という表参道のお店、それ以外の印刷はおなじみのキンコーズにお願いしました。もちろん、宛名なども自分達で心を込めて手書きしました。

動画

 こちらも自分達でiPhoneで撮影してiMacで編集しました。一部レベルの高い編集作業&撮影は動画に強い後輩がやってくれました。上の写真のように、撮影のために北海道までついてきてくれました(笑)。本当に感謝。

会場装花・ブーケ

 生花は衛生上持ち込めず、会場装花は会場の方にお願いしました。僕らのお花へのこだわりが半端ないので、逆に担当の方も楽しかったようで、かなり満足のいく装花にしていただけました。ドライフラワーや流木は自分たちで見つけてきて持ち込みました。ブーケはずっとお願いしてみたかった「ルベスべ」というお花屋さんに依頼。写真はテストで作ってくれた可愛いサイズですが、当日のブーケは気合い入れすぎて片手で持てないくらいの大きさになりました(笑)。

引き出物

 呼ぶ人数が少ないこともあって、それぞれ思い入れのある人たちだからと、全員引き出物を変えました。そしてそれぞれ写真を撮ってその裏にメッセージを書きました。これが一番大変だったんですが、招待状に“あなたが好きな日曜日の過ごし方は?”という質問を書いておき、その答えを参考に探し回ったのです。でも、この作業がすごく楽しかった。

お料理

 八芳園の素晴らしいところが料理の内容を料理長と話しながら決められるところでした。お米が好きなので最後の料理をお茶漬けにしてもらったり、北海道&大阪の名産品を使ったり。結婚式の会場にある料理ってだいたい名前が難しいので、全ての料理の名前と説明も自分の言葉で文章にして、当日テーブルに置きました(先の招待状の写真参照)。編集者の無駄なこだわり。

会場装飾

 入り口に設置する立て看板や装飾ももちろん自作で持ち込みました。休日ということで、お家で一番使っている椅子なんかも持ち込みました。あと、テーブルごとに写ルンですを置いて、みんなに写真を撮ってもらいました。これがとても好評。

ヘアメイク&カメラマン

 もちろんヘアメイク・カメラマンも友人に依頼をしました。ヘアメイクは会場に絶対にお願いしないと決め、朝一にサロンへお邪魔して夫婦ともどもやっていただきました。通常の式場ってヘアメイクの打ち合わせだけで金取りますからね。そして、

 写真は業務的な綺麗なポートレイトが撮らなくても良いから、これまでも知っている仲だからこそのエモーショナルな写真を撮って欲しかったのです。なので、当日は記録用のカメラマンは入れておりません。参列者として普通にカメラマンの友人に挙式から出てもらい、全てを撮影してもらいました。この下の写真がその一部ですが、最終的に式後にアルバムとして印刷までして写真を持ってきてくれました。本当に宝物です。


(9月17日)いよいよ当日!

 あいにくの雨。というか、暴風雨(笑)。雨男なので、雨を想定して屋外での挙式は絶対にないと思っていたのですが、まさか台風で遠方からの来客すら危なかった(笑)。当日は朝からとにかくバタバタで、本当にあっという間に終わってしまいました。当日の記憶といえば、挙式が始まるまで、準備をしている間の余裕がある時間と、終わってからの二次会の記憶くらいです。当日のスタッフの皆さんの対応や何より祝福してくれた家族友人には本当に感謝でした。

じゃあ、結局、何がモヤモヤしているのか?

 そんなわけで、長々とこれまでの流れを書きましたが、じゃあ、自分達の結婚式の何がダメだったのか。要約するとこの3つになるんじゃないでしょうか。

①ウエディングビジネスの仕組みがよくない

 そもそも、式場のビジネスは結婚式を挙げる夫婦とヘアメイクやカメラマン、衣装、料理など、さまざまなコンテンツとのマッチングを実現することでそこからマージンをもらう仕組みです。だから、式場としてはいろんなコンテンツを盛りだくさんにすればするほど儲かるし、夫婦としては中見を減らしたり料理やプレゼントを安いものにすることでしか原価をおさえられない、とてもヘルシーじゃないビジネスモデルなのです。だから、自分で何かを持ち込もうとすれば持ち込み料を取られるわけで、そもそも論になっちゃいますが、このお互いお金のために詮索しあう感じが一番よくないんじゃないでしょうか。

②つながりや知識がないと、とはいえ選べない

 少しでもお金がかからないように持ち込みをしたいと思っても、デザインの知識がなければ招待状は作れないし、編集者でもない限りカメラマンやヘアメイクを友だちにお願いできません。僕たちですら、料理や当日の流れなどは言われるがままに決断をしただけで、本当にそれが正しかったのか、何が一番自分たちに合っていたのかは未だにわかりません。そもそも、式場を選ぶと、プランナーさんがセットで登場するので、基本的にはプランナーさんって選べません。というか、本当は編集・提案力が最大限必要なはずのプランナーさんですら、あんまり有名な人っていなくて、結局このプランナーさんが何を得意としてどんな提案をしてくれるのか、打ち合わせが始まってもわかりませんでした。引き出しの少ないプランナーさんに当たると悲しくなりますし、人生一回だからこそ、事前知識がなくて選べない、ということが最大の課題なのかもしれません。

③当日の裏側という見えない問題

 これは結婚式をやった方ならわかるかもしれませんが、結婚式で一番大変なのは当日の裏側です。当日、新郎新婦は怒涛の流れで準備をするわけですが、僕たちはおおきな式場でやったがために、この裏側が流れ作業でした。二人でゆっくりする時間はおろか、一緒に座って話すタイミングも全くなく、これが一番悲しかったんだと思います。一生に一回の結婚式、表舞台を見てくれたみんなからとても良かったと言われたことは何より安心でしたが、僕たちの記憶としては戦場のような裏側とその場にいるスタッフの無機質さばかりが残っていて、これがモヤモヤの正体だったんだと思います。

(おまけ)サプライズって大切

 家族や出席者へのサプライズに気をとられすぎて、私は彩乃さんへのサプライズをすっかり忘れておりました・・・・。むしろ逆サプライズをされました。これが一番の後悔なのかもしれない・・・。


 以上、僕らの結婚式を振り返る文章を長々と書いてみました。ただ、これだけは言っておきますが、結婚式をやったこと自体はもちろん最高で、きてくれた皆さまに祝ってもらえたことも、思わぬ形でいろんな方がご協力してくれたことも、全て感謝しかありません。ただ、結婚式に参列することと、自分たちが結婚式を行うのとでは、全く意味合いが変わるんだと痛感をしたわけで、最終的に自分たちまでもが満足いく形で結婚式を作り上げられなかったのは、自分たち自身の責任だと思っています。だから、これから結婚式をやろうとしている人がいたら、一度きりの結婚式、やってから後悔することだけは避けてほしい。だから、僕たちの素直な感想を書こうと思ったのでした。

 

 p.s.本当はこれで終わろうかと思っていたのですが、「失敗の実体験をもとに考えた、これからのウエディングビジネス」なるものを考えつきました。近々、どこかのタイミングで続編ということで文章にします。いつになるやら・・・。

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