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聖ヨハネの宵に

もう文化の混淆としかいいようがないのだけれども、おもしろそうと思った行事はしっかり取り入れて生活しています。本日は夏至を過ぎて数日、6月23日です。沖縄の人々のことも忘れずに祈りつつ、家に帰って庭のハーブや花を琺瑯のザルに摘み取りました。よく洗ってアリや蜘蛛、たまにシャクトリムシを取り除き、ボウルに水を張ります。

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アジサイとバラの存在感が際立ってますが、ジャスミン、ラバンディン、ミント各種、カモミール、ヘリオトロープ、ハニーサックル、モナルダ、聖書に出てくるヒソップなのだというシリアン・オレガノなど香り高い種々の植物を入れて一晩。これで明日の朝、つまり洗礼者聖ヨハネの祭日の朝に、顔を洗ったり、手足を洗って幸福と健康を祈るのだとか。イタリアのacqua di San Giovanni (聖ヨハネの水)という習慣です。聖ヨハネはキリストに洗礼を施した人、キリストの先駆者として知られる聖者です。そんなところにも由来しているのでしょう。

https://blog.giallozafferano.it/timoelenticchie/come-preparare-lacqua-di-san-giovanni/

聖ヨハネの火祭りは23日の夜にヨーロッパ各地で祝われます。夏至祭をキリスト教が取り込んだので聖ヨハネ祭ということになったのでしょうけれども、天が開くといわれる聖ヨハネの夜に、太陽の力を借りてくる、というような意味合いがあるのだと思います。宗教学者として、また作家としても知られるエリアーデの『ムントゥリャサ通りで』などにも出てきて、かつて難しい小説だなーと思いながらも読んだ覚えがあります。ガルシア・マルケスの『エレンディラ』なんかとよく似た読後感がありました。現実と超現実が溶け合うマジックリアリズムの世界。

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話が逸れました。日本では、というと6月末日に各地の神社で行われる夏越の祓なども大きくいうと夏至祭のひとつなんだろうと思います。スペインの友達が日本に来たときたまたま地元の神社に行ってこの儀式をみたことがあります。神道ではないのでどうかと思いましたが、茅の輪くぐりも体験しました。聖ヨハネ祭でも火の上を歩いたり飛び越えたりするので、東西という違いを超えて、おなじこころが通い合ってるように思います。

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