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勉強コラム 計測工学編 1.誤差(Error)

※このノートは私が分かりやすい表現で記載してます。厳密な定義は教科書を参照してください。

 計測工学の第一弾です。誤差について勉強していきます。

1.誤差とは

 誤差とは、一般的に「測定値-真値」と定義されている。ただし実際には、いわゆる真値を計測することは不可能に近く、現実的に真値は複数計測した計測値の平均値とする場合が多い。

2.誤差の種類

 誤差には基本的に以下の3種類の誤差に分類される。

2.1.系統誤差(systematic error)

 真値に対してある偏った測定値が測定される場合その誤差を系統誤差という。例えば、真値が10kgの重りを測定し、測定値全体が8kg前後の値になるような場合の誤差を系統誤差という。系統誤差は偏りを持った誤差なので、偏りを補正することで、真値に近づける。

2.2.偶然誤差(accidental error)

 真値に対して不規則なばらつきを持った測定値が測定される場合、その誤差を偶然誤差という。偶然誤差は測定値の不規則なばらつきであるため、補正することができない。
 偶然誤差は不特定多数の原因に起因することが多いため、そのばらつきの統計を取ると正規分布の曲線に近づく。(計測工学を勉強するうえで、統計学の知識は必要になってきますね。別記事で勉強しようかなと思います。)

2.3.過失誤差(mistake error)

 測定者の不注意や知識不足が原因となる誤差を過失誤差という。測定値を測定者自身で読み取る場合の読み取り間違い、記載間違いなどがある。

3.その他誤差に関連する用語について

3.1.繰り返し性(repeatability)

 精度の中の分類の一つ。同じ条件(測定手順、測定環境、測定器、等)で測定された測定値間の一致の程度。短時間での繰り返し測定で得られた結果の一致具合。

3.2.再現性(reproducibility)

 精度の中の分類の一つ。測定の諸条件(測定手順、測定環境、測定器、時期、等)を変えて行った時の測定値間の一致の程度。再現性は同一試験室内での再現性である室内再現性(reproducibility within laboratory)と異なる試験室管での再現性である空間再現性(reproducibility)がある。

3.3.認証値の不確かさ(uncertainty of a certified value)

 ある量の認証値(校正時の校正値、certification)につけられた推定値で、真値が確実にその中に入るといえる値の範囲を指定したもの。つまり、ある測定器で測定した場合、その測定値を基準に不確かさの範囲内に真値が含まれていることを表す。

3.4.精度(precision)(JIS:精密さ)

 規定された条件で得られる独立した試験値間の一致の度合い。

3.5.真度(trueness)

 多数の測定値から得られる平均値と採択された参照値との間の一致の度合い。(偏り)

3.6.精確さ(accuracy)(JIS:精度)


 精度と真度を総合的に表す。

4.まとめ

 今回は誤差について勉強しました。誤差の種類や誤差に関連する用語について図示することで視覚的にわかりやすくしました。

図1 誤差の種類

ご精読ありがとうございました。
計測工学は実験してある物理量のデータを収集するときの評価で重要になりますね。エンジニアとしては重要な項目だと思います。また、計測工学を理解するためには統計学の知識がかなり重要になります。世の中がデジタル化しているため、データとその処理は社会人として重要なスキルになっています。次回は不確かさについて勉強しようと思いましたが、その前に統計学の基礎について勉強します。
 もしよろしければスキ、コメント、フォローよろしくお願いします。

 

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