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完璧なジョッキー、ルメール騎手を背にするソウルスターリングを狙う

今となっては、外国人ジョッキーが日本の競馬場で騎乗し活躍することは当たり前の光景となったが、2001年の秋まではそうではなかった。この年、私の競馬に対する認識を改めるべき時が来たと思わせられる衝撃的な出来事が起こったのだ。JRA短期免許を取得して、フランスからやってきたオリビエ・ペリエ騎手が、マイルチャンピオンシップ→ジャパンカップ→阪神ジュベナイルフィリーズというG1レースを3週連続で勝利したのである。

ペリエ騎手が勝利した3つのG1レースにおける騎乗馬の人気は、4番人気(ゼンノエルシド)、2番人気(ジャングルポケット)、7番人気(タムロチェリー)。決して乗り馬に恵まれていたわけではない。普通に乗れば勝てる馬を普通に乗って勝ったものではなく(それだけでも簡単なことではないが)、普通に乗っては勝てないと思われていた馬を、ペリエ騎手が普通に乗って勝たせたのである。

競馬の世界において、「馬7騎手3」という言葉がある。あの出来事が起こるまで、この言葉の真の意味が私には理解できていなかった。競馬のレースにおける勝ち負けの要因として、馬の方が占める割合が大きいという程度の認識でしかなかった。たとえ武豊騎手がハルウララに乗っても勝てないように、騎手ではなく、結局は馬が走る。競馬新聞を見ても、そこにあるのは馬についての詳細かつ膨大なデータであり、競馬とはつまり“どの馬が勝つのかを当てるゲーム”だと考えていた。

しかし、そうではなかったのだ。

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