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大きく賭け続けた者だけが、馬券のべき乗則(power law)を味方につけることができる

馬券の買い方について書いてきたが、今回で締めくくりたい。賭ける回数を少なくする、賭ける金額にめりはりをつける、賭ける点数を少なくする、そして穴(人気のない馬)を狙うという4つのルールを踏まえて、自分の馬券の買い方を見直してみようということだ。そのうちの最後のルール、穴馬を買うべき理由について、「べき乗則」という概念を用いつつ述べていきたい。競馬という知的なゲームを制する上で、非常に重要となる考え方である。

べき乗則は英語でpower lawと呼ばれ、統計モデルのひとつである。ある観測量がパラメーターのべき乗に比例する、もう少し分かりやすく解釈すると、わずかひと握りのものが全体に大きな影響を与える一方、それ以外のものは全体をほとんど左右しないということである。このべき乗則の考え方は、パレートの法則(80:20の法則)として経済界や自然界などにも応用されている。たとえば、2割の国民がイタリア国土の8割を所有していたり、畑のエンドウ豆のさやの2割から全体の8割のエンドウ豆が収穫される。つまり、全体の結果の大部分は、全体を構成するうちの一部分が生み出しているのである。

これを競馬の賭けに当てはめて考えてみると、

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