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弥生賞は勝ってほしくないレースである!?

今年の弥生賞は最強の弥生賞であるとの呼び声が高い。出走予定メンバーを眺めてみると、朝日杯フューチュリティSを勝ったダノンプレミアム、ホープフルS2着馬のジャンダルム、東京スポーツ杯2歳Sを勝ったワグネリアン、シクラメンSを圧勝したオブセッションなど、素質溢れる走りを見せている良血馬たちが勢揃い。よくもまあ集まったものだ、というのが正直な感想であり、競馬ファンにとっては見逃せない一戦となりそうだ。

にもかかわらず、弥生賞は勝ってもらいたくないレースであると私は考えている。なんていうと、そんなことはないと怒られてしまうかもしれないし、八百長だと誤解されても困る。たしかにこのレースを勝つということは、素質や能力、そして完成度が高いということの証明ではある。私が言いたいのは、皐月賞から日本ダービーへの青写真を描いたとき、弥生賞は無理をして勝とうとしなくても良い、いや、はっきりと言うと、勝たない方が良いレースということだ。

弥生賞は皐月賞と同じ中山2000mという舞台で行われるが、弥生賞を勝って、そのまま皐月賞をも制する馬は思いのほか少ない。その世代の素質馬が集結するハイレベルの弥生賞を制した馬は、普通に考えて、弥生賞と同じ走りができれば皐月賞はほぼ当確である。それでも、過去10年で弥生賞と皐月賞を連勝した馬はヴィクトワールピサしかいない。

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