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騎手の総合力を示す連対率、“3割騎手”の手綱さばきに注目

メジャーリーグで3割打者が消えてしまうかもしれない、という記事を読んだ。今や150キロの速球を投げる投手はゴロゴロいて、そこにどう変化するか予測ができない変化球をちりばめられてしまうと、打者がそれを打つのは容易ではない。私も高校まで野球をやっていたから、手も足も出ないという打者の気持ちがよく分かる。さらに打球の方向性などを統計的に研究し、守備の位置を変えるという戦略も加わり、各打者は丸裸にされてしまった。昨シーズン、規定打席数に達した上で、打率が3割を超えたのはわずか17名。1995年度の55名と比べると、「3割打者は絶滅危惧種」という言葉もあながち大げさではない。投高打低、打者にとっては受難の時代がやってきたのだ。

3割という数字を聞いたとき、私の頭に浮かんだのは、騎手の連対率のことである。騎手の勝率はおよそ1割台であり、10回レースに乗っても勝てるのは1回か2回、つまり、どれだけ腕の立つ騎手であっても、10回に9回か8回は負けてしまうということだ。そう考えると、打率と近い確率にあるのは、騎手にとっての連対率だろう。私は騎手の総合力は勝率や連対率によって示されると考えていて、連対率に関していえば3割以上、言うならば、10頭に騎乗して、3頭を勝ち負けさせることができれば一流である。

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