現代の日本競馬は枠順のゲームである④

四半世紀も昔の話だが、私が高校生の頃、競馬のコインゲームにはまって、新宿にあるゲームセンターに足繁く通っていた。おそらく競馬のコインゲームとしては、初期のものであったと思う。そのレースは6頭立てで行われ、1枠の白い帽子の馬は終始インコースを走り、6枠の緑帽子の馬は大外を回る、完全なるセパレートコースであった。インとアウトコース走る距離の長さに大きな差があるのは誰の目にも明らかであったが、内枠の馬が勝ちやすいかといえばそうではなかった。外枠の馬が勝負所で豪快にまくって勝つ姿も多く見られたように、ほぼランダムに(枠順に関係なく)、勝ち馬も2着馬も決まっていたように思える。あの時はコインの増減に一喜一憂して楽しんだが、今から思えばただのゲームであった。

実際の競馬のレースはそうではない。競馬というスポーツは、決められた場所(枠順)からスタートしなければならないが、生き物であるサラブレッドの鞍上に人間のジョッキーが乗り、オープンコースを走ってゴールを目指す競技なのである。

現代の日本競馬は、様々な要因によってスローペース化が進み、勝つためにはポジション取りが重要になり、そのための大前提として枠順が大きな意味を持つようになった。どこの枠からスタートを切るかはポジションをほぼ規定してしまうため、各馬の力が拮抗しているレースであればあるほど、スローペースに流れやすいコース設定であればあるほど、枠順が勝ち負けに大きな影響を及ぼす。それが現代の日本競馬は枠順のゲームであると私が主張する意味である。しかし、当然のことながら、枠順だけで全てが決まってしまうわけではない。

どこのポジションを走るかは、枠順によってのみではなく、ジョッキーのタイプ(技術やスタイル)によっても変わってくる。前々回は1990年から今年(2017年)までの日本ダービーにおけるペース、前回は日本ダービー勝ち馬の枠番の移り変わりを見てもらった。そして今回は、ちょうどこれぐらいの期間にわたって、日本人騎手の第一人者として活躍し続けてきた武豊騎手の勝利数の推移を見てみたい。

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現代の日本競馬は枠順のゲームである④

治郎丸敬之

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