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未来に先回りして予想する(2018年牡馬クラシック番付)

昨年のちょうど今頃、日本ダービーに先回りして考えるとして、牡馬クラシック戦線の番付を行った。クラシックで活躍するような馬は年内にデビューしていることがほとんどだから、年が明けた現時点で、今年のクラシックを占うことは十分可能である。未来に先回りしてみることで、クラシック戦線の全体像から各馬の力関係、陣営の思惑までがつぶさに見えてくることがあるのだ。

恥ずかしながらも、まずは昨年の番付を振り返ってみたい。

横綱 ムーヴザワールド
大関 レイデオロ
関脇 サトノアレス
小結 キセキ

あの時点でキャリア2戦であったムーヴザワールドを、インパクトを出したいという邪心もあって、横綱に推してしまったことは悔やまれる。素質は確かであり、成長を見越してのものだったとしても、さすがに横綱の評価は少し行きすぎであった。しかし、その他3頭挙げたうちの2頭がクラシックを獲っているのだから、番付全体としては悪くはないと思う。レイデオロの日本ダービーは順当勝ちだとしても、日本ダービーには間に合わなかったキセキが菊花賞を制してみせたのである。私がキセキを小結に推したのは、キャリア2戦1勝、セントポーリア賞で5着に敗れた直後であったのだから、自分の慧眼には驚かされる。

ところが、その未来を見抜く目を馬券には生かすことができなかったことを、正直に告白しておきたい。日本ダービーでは、番付の裏付けもあって、レイデオロの単勝を買うことができたが、菊花賞ではキセキに本命を打つことができなかったのだ。

未来(日本ダービーや菊花賞)に先回りする思考法の本質は、どうしても直近のレースにおける走りや目の前の調教、枠順などに右往左往させられてしまう私たちの点の予想を、競走馬の素質や成長曲線というスパンで見ることによって、線の予想へと変えてゆくことにある。つまり、長い目で見るということだ。格付けをした時点から菊花賞までの間、あらゆるノイズに邪魔をされてしまい、キセキの強さを信じてあげられなかったことは、我ながら情けない。

気を取り直して、今年こそはここに挙げる4頭を最後まで追いかけるつもりで、2018年牡馬クラシックの番付を記しておきたい。

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