心身両面のバイオリズムを読み解き、好走のタイミングを見極める
「ダービースタリオン」というテレビゲームを知らない競馬ファンは少ないだろう。ダビスタ世代というものがあるとすれば、おそらく私はそれに当てはまる。競馬の本質を突いた完成度の高いゲームであり、学生時代に寝食を忘れて没頭したのを覚えている。ダビスタから学んだことはたくさんあり、そのひとつに競走馬の体調のバイオリズムがある。
体調のバイオリズムとは、波打つような軌跡を描く規則的な運動である。上がればいつか下がるし、上がったままや下がったままのこともない。その周期はそれぞれの馬によって異なる。アップダウンの周期が短い馬もいれば、長い馬もいる。上下動の幅が大きい馬もいれば、小さい馬もいる。競走馬は単なる走るマシーンではなく、ほんのわずかなことをきっかけとして調子が良くなったり、悪くなったりを繰り返す生き物なのである。
ダビスタにおいては、今にも体調が悪くなってしまいそうな馬を祈るように馬なり単走で流し、なかなか体調が上がらない馬を併せ馬一杯でビシビシと追ったりして、ゲームとはいえ一喜一憂した。競走馬の体調のバイオリズムを意識しながら調教し、目標とするレースに向けて馬を仕上げる難しさを疑似体験させてもらった。
それからというもの、
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