Open Team Building : #03 選手

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 意見をマッピングする過程を選手にも実施。共通認識を持つことの重要性に加え、深く考える機会の必要性を感じ、気づきと学びに繋がればと考えました。

 同様に実施するとはいえ、スタッフの視点には、
・チーム全体を俯瞰して見ている
・チームを長いスパンで見ている
 という2点が強く影響をしていると感じており、このまま同じ様なアプローチを取っても、選手にとっては自分ごとにならないかもしれません。そこで少し角度を変え「来季何を大切にするのか」という質問にしました。

 *選手は基本的には単年契約です。組織全体ではなく自分のキャリア、長いスパンではなく1年をまず考えるのが当然です。そこで質問に変化をつけました。 
 *勿論、選手は組織(チーム)に取って最良の行動をする義務もあります。

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 コーチングをする上で「目標設定」の重要性は強く感じています。ここではその前段階で、何を大切にするのか。

 その前にまずチームの現状を共有すると、コロナの影響を考慮しミーティングはオンラインで実施。チーム練習は不可で時間をずらしつつ行う個人練習のみ実施。徐々に選手の契約もリリースされていきましたが、B3の来季の動向など協議中の側面が多い状況です。

 ですから来季のチーム目標、スタイルなど具体的な話はまだできていません。ですからこの状況ですぐに具体的な目標設定を進めても、現実的なアプローチを作りにくく、無駄な作業、時間となってしまう可能性もあります。

 そこでまずは選手の根本的な思いのような、何を大切にするのか。という質問を設定しました。その上でスタッフで実施した内容と同様に、意見をグラフに可視化することで自己やチームの分析につながればと考えました。

 結果出てきた意見は以下の通りです。

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 当然、グラフ左側の項目が多いです。多いとはいえこれらの項目はより深く細分化し、練習やMTGに落とし込んでいく必要があります。今回のオープンチームビルディングではなく、別の機会にてそれは実施します。
 グラフにて可視化し共有。全体の意見を確認しました。その後に改めて選手に考えさせ、LINEにて追加したい項目を募集した結果が以下になります。

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 このようなアプローチだと「グラフを埋めていく様な模範解答探し」になってしまいそうな懸念もあります。それが正解かどうかはわかりませんが、冒頭にも述べた様に、深く考える機会にはなったと感じています。

 ちなみにこの深く考える機会を導き出すために、意見集約前にはオンラインセッションを実施しています。ZOOMを用いてオンラインで集合しました。
1コマ目:田村TRによるストレッチ&トレーニング
2コマ目:石田HCによるMTG
3コマ目:冨樫SCによる食育

 2コマ目には、他競技の記事や事例などを共有し、アスリートとしての意識向上につながる機会や、コロナ時代に何ができるかを考える機会を作りました。その影響も少なからずあるとは思いますが、グラフ左側、バスケットボールの専門性のみならず多角的な視点が混じっていることは素晴らしいですし、嬉しい発見でした。

 次回はこのグラフの項目にどうアプローチするのか。また意見提出後の選手の変化について紹介していきます。


 話は変わりますが、選手とオンラインセッションをする中で気になる点がありました。コロナ禍の生活状況をヒアリングする際、時間を持て余して生活している選手の存在です。もちろんこの状況では当たり前のことで、同様の経験をしている方も多いと思います。

 *東京エクセレンスはチーム全体でコロナ対策ガイドラインを共有。日々の検温や手洗いはもちろん、個人練習をする際の移動手段の指定等もしています。

 心身のコンディションに注視してみたときに、アスリートとしての身体面に関しては、栄養摂取の考え方や三密を避けた場所でのトレーニングなど、高い意識で過ごせていると感じました。一方でメンタル面や気力に関しては、特に強く意識して行動している事例が少なく不安を覚えました。今までに経験がない制約下での生活、そこからうまれる見えないストレス。それにどう対処するべきか。

 今までのストレス発散方法は、練習や試合など日々のスケジュールのリズムがある中で効果的だったものです。(*バスケ自体がストレス発散となる一面もあります。)それをリズムが変わった時期に実践しても、一時的な楽しさはあるかもしれませんが、根本的なストレスを解消するわけではなく、無気力な状態に陥る懸念もあります。
 
 どうすれば良いのか。例えば読書や勉強をして新しい学びを得る時の刺激や、料理や美味しいものを食べて得られる満足感、バスケの研究や自己分析を重ねて得られる充実感など、そういったものが必要だと個人的には考えています。

 ストレスに対してどう対処するか具体的に考えて実践する意識です。心配なのは、ストレスがたまりかねない状況を自覚していない、自覚していたとしても行動変容が起きていないという状態です。

 もちろんコーチとして上手に聞き出すことができてない未熟さの表れでもあります。また、人それぞれ個性はありますので日々の時間の過ごし方やストレス発散方は自由です。

 その上で、(実はチームビルディングの1要素にも加えたいと考えているのですが)個性と魅力溢れる人であってほしいという思いもありますので、改めてこういった場面で、かけてあげれる言葉、共通認識があればとも感じました。

・・・・・

 オンラインで集まる。画面越しとはいえ顔を合わせる行為は安心感を与えてくれます。リアルでは他の要件と同時進行であったり、時間に追われていたりします。それがないオンラインはリアル以上にじっくりと顔を合わせる機会にもなります。
 オンラインのコミュニケーション濃度は決して低くない、とはいえきっと何かしら欠けているものはあるはず。もっと反射的な反応であったり、軽い雑談であったり、無意味の様に見えて必要な時間であったり。
 意見を引き出す際にも、そんな欠けているものを埋めて、コミュニケーションの質を上げていくことが必要になるのかなあと考えています。

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