見出し画像

こんにちは、タカキです。今日は介護に関わる人たちのグラデーションについて書いていきます。

僕が祖母と顔を合わすのは、だいたい週1回。祖母の家の近くに住んでいる僕の母と父は、2日に1回は顔を合わせている。

祖母と一緒に住んでいる叔母は、毎日、祖母と顔を合わす。

認知症は進んでいくもの。

それはわかっている。それはわかっているが、感情が追いつかない。

すでに服用した薬を「まだ飲んでない」と何度も言われればイライラするし、何度も何度も、何度も何度も、繰り返し同じことを話されると悲しくもなる。

それは叔母にとって、ストレスになり、そのストレスは正常な思考を奪ってしまうし、冷静な判断の妨げになってしまう。

親族旅行に行った

少し前のことになります。2月に親族12人で別府を旅行しました。というのは、65歳になった父の退職のお祝いに、なぜか父がホテル代を出してくれて、旅行しようということになったのです。

大人8人、子ども4人。年齢順に書くと、祖母、叔母、父、母、僕、妻、弟、弟の妻、娘、姪っ子、息子、甥っ子の12人。

田川から大分に向かう道中、昼食のために、うどん屋さんに立ち寄りました。座席に着くと、叔母の疲れた顔。

話を聞くと、祖母、父、叔母、母の乗る車の車内での会話に、叔母が疲れてしまったのだそうです。

というのも、祖母は「今どこに行っていて、これから何をするのか」を何度も何度も、何度も何度も、繰り返し叔母に聞いて来たのだそう。

祖母は、いつもと環境が違うので少し戸惑っていたのかもしれません。一方で叔母は、いつもと環境が違うことで「何か」を期待していたのかもしれませんでした。

その「何か」とは、いつも叔母が感じている不安やストレスが軽減されることや、祖母が旅行を楽しんでくれること、あるいは、自分自身が旅行を楽しめることだったのかもしれません。

しかし、車内では、いつもと変わらない祖母とのやりとり。

疲れた叔母の表情を見て、僕は、叔母は期待していた「何か」に裏切られたような気持ちになったのではないかと想像しました。

食後、先に車に乗っていた祖母

家族にできること

介護に関わる人への負担のかかり具合にはグラデーションがある。

家族にできることは、そのグラデーションをできるだけ、穏やかにすることなのかもしれないと、その時、僕は思いました。

せっかくなのだから、この旅行中だけでも、そのグラデーションを穏やかにしたい。もしかしたら、これが12人で行く最後の旅行になるかもしれないし。僕はそう思いました。

せめてゆっくりお土産を選んでほしかった

ホテルに着いて、温泉に入ったり、子どもたちと温泉プールに入った後、12人で夕食のビュッフェ会場に行き、お腹いっぱい美味しいご飯を食べました。

部屋に戻っていると、子どもたち4人がゲームセンターに行きたいというので、弟夫婦や妻に子どもたちを任せ、僕は祖母と叔母と一緒に会場を出ました。

叔母がお土産を見たいというので、僕が祖母の車椅子を押して、叔母との距離を少しずつ離して行きました。祖母はいつも叔母と一緒にいます。何かあればすぐ「Kは?」と叔母の名前を呼びます。

「Kは?Kはどこに行ったんかね?」

「K姉ちゃんは、お土産を見てるって。俺が居るから大丈夫よ」

そうやって、お土産売り場を祖母と2人で散歩しました。すると、

「Kは?Kはどこに行ったんかね?」

「K姉ちゃんは、お土産を見てるって。俺が居るから大丈夫よ」

とこのやりとり。だいたい10回くらいこのやりとりをしたころ、叔母は買い物を終え、戻ってきました。

その時、叔母が笑顔だったので、嬉しかったです。

叔母に撮ってもらった写真
よく分かっていない祖母に
「写真撮ろう、あっち向いて」
と言っている私

認知症介護の時間とは何なのか

祖母の認知症がこのまま進んで、排泄や食事が自分自身で出来なくなってしまったら、おそらく施設に入ってもらうことになるのだろうと思います。

施設に入ったら、多分、旅行にも行けなくなります。

それはおそらく認知症の進み具合によって早くなるし、遅くもなるはずですが、その時がいつ到来するのかはわかりません。

認知症が発症してから、施設に入居するまでの時間って、何なのでしょうか。

もしかしたら、一般的にもそれは辛い時間なのかもしれません。

なので、できるだけ、グラデーションを穏やかにしてくことが大切な気がします。あと、どんな時間もできるだけ、幸せを感じながら生きた方が良いと考えているので、色々と工夫してみようと思います。

今回は以上です。


この記事が参加している募集

新生活をたのしく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?