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ワークライフバランスからワークライフデザインへ:より充実した、ウェルビーイングな人生を設計する

働き方や生き方に対する価値観は多様化し、「ワークライフバランス」という言葉は、当たり前のように耳にするようになりました。今回は「ワークライフバランス」と「ワークライフデザイン」の違いについて、書かせていただきます。これらは、仕事と私生活の関係に関する概念ですが、実はそのアプローチに大きな違いがあります。ここではその違いを探り、より充実した、ウェルビーイングな人生を生きるための新たな視点をご提供できればとおもいます。

『ワークライフバランス』とは、仕事と私生活の間で理想的なバランスを見つけることに焦点を当てた概念です。これは、仕事と生活の間に適切なバランス(均衡)を保つことで、ストレスを減らし、生活の満足度を向上させることを目指すものになります。しかし、ワークライフバランスは個々のライフスタイル、価値観、ニーズによって異なるため、「バランス」の定義は一人ひとり異なります。

一方、ワークライフデザインとは、仕事と生活を個々の要求や価値観に合わせて自分自身で設計するという考え方です。ここでは、仕事と生活が厳格に分けられるものではなく、互いに重なり合い、互いに影響を与えるものと捉えます。自分自身の価値観や目標に基づいて、仕事と生活の間の境界を自由に調整し、両方がより良く機能するようにすることを目指すものになります。

つまり、ワークライフバランスでは、仕事と私生活の「分離」を重視し、それぞれの間でのバランスを保つことを目指します。一方で、ワークライフデザインは、それらを「統合」し、一体化させ、自分自身の生活の全体的な充実度を高めることを目指します

ここで、皆さんに注目していただきたいのが、「4L×PERMA」の考え方です。これは、ワークライフデザインがベースになっており、自分自身で幸せを見つけ、育てていくことに特徴があります。

4L」という、働くこと(Labor)・愛すること(Love)・学ぶこと(Learning)・余暇を大切にすること(Leisure)といったそれぞれの”L”において、心理学の「PERMA」理論である、ポジティブな感情(Positive emotion)、エンゲージメント(Engagement)、良好な人間関係(Relationship)、目的・意義(Meaning)、達成(Accomplishment)を実践することで、ウェルビーイングは主体的に”つくって”いけるというものです。

この考え方を取り入れることで、「たとえ明日終わったとしても、やり残したことはない」と思える人生を生きることができます。それは、自分自身の価値観や目標に基づいて、仕事と生活の間の境界を自由に調整し、両方がより良く機能するようにすることが可能になるのです。

ワークライフバランスもワークライフデザインも、どちらも私たちの生活を豊かにするための重要な考え方です。しかし、働き方や生き方に対する自分自身の価値観やニーズを理解し、それに基づいて自分自身の生活を設計することで、より充実した人生を送ることが可能になります。

最終的に、ワークライフデザインとは、自分自身のライフスタイルを最適化し、自己実現を達成することを可能にするものです。それは、一日一日の時間を最大限に活用し、一人ひとりが自分の人生をを自分自身の手でデザインすることを可能にするのです。

ウェルビーイング・コンサルタント
杉村貴子

書籍:『たとえ明日終わったとしても「やり残したことはない」と思える人生にする』
(編集:日本実業出版社 川上聡/デザイン:中井辰也/イラスト:芦野公平)
https://www.amazon.co.jp/dp/4534059914


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