卍エターナル・ポータル卍・ステイトメント.1 たかくらver


人間は体感以上の次元を想像できていない、本当にそうか?

実はもう既に私たちは、PC/インターネット/ゲームなどのデジタルツールで、立体感/パラレルな位置関係/拡大率/タイムラインというような複数の要素を2次元の平面(画面)に圧縮して見ています。もう既に、擬似的に4次元を超えたものを体感してしまっている。

僕はPhotoshopで絵を作っている時にそれをいつも感じるのです。
なぜ同じx,y,z,t軸上にレイヤーごとに別々の画像が配置されているのか。
同じ座標でも拡大率によってまったく違う図に見えてしまうのはなぜか。
もうこのPhotoshopの中は、6次元の表現領域は悠にこえているな、といつも思うのです。

これを話すといつも僕は馬鹿にされましたが、本気ですし、ここ5年くらいは考えがかわったことはありません。次元という区分はそれぞれが座標(線上の1点)で成り立っています。

6次元くらいまでなら、photoshopの構造で安易に理解出来ると思うのです。

そして僕にとって梅沢和木さんの作品は、4次元を超えた複数のレイヤーや複数のタイムラインを静止平面に閉じ込めているという点において、僕と同じ興味を(もしかしたら天然で)持っているのではないかと思ったのです。そしておそらく彼はその気づきをPhotoshopからでなくインターネットから得たのではないかと思います。彼のことは、共通感覚を持ち、しかしソースの違う存在として、ずっと気になっていました。

少数の人が、おそらく先ほどあげたPC、インターネット、ゲームカルチャーのなかで4次元を超えた複数の次元についての気づきを得ていたのだと思います。そしてその気づきは、AR/VR/MR(HMD)の普及によっておそらく、一般化することと思います。身体がシミュレーションされることで、今度は本当に、6次元以上あるであろうデジタルのルールの中に身をおくことが誰でもできることになるでしょう。

ほらみろ、と僕はついに言うことになるでしょう。

だけどその前に、僕たちがどういうふうにその複数の次元に気づいて、
どう平面に閉じ込めようとしたか、もしくは、流れていってしまうはずの時間をどういう風に見ようとして、各所に配置しようとしたか。
まず、この展示はそういうことなのではないかと思います。

梅沢和木 × たかくらかずき
『卍エターナル・ポータル卍 輪廻MIX』

2016年12月4日(土)~12月25日(日)
会場:東京都 御徒町 mograg gallery
時間:13:00~20:00
休廊日:月曜

http://mogragaquvii.com/mograg/index.html


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