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デキるベテラン仕事人3つの要素


はじめに

仕事ができる・できない人という指南記事は世の中に山ほどありますが、今週とある事件があり「あぁ、つくづくこれだわ…」と腹落ちする事がありましたので自分の言葉で言語化しておきます。

すごい仕事量をこなすベテランプレイヤーっていますよね。代表的なケースで言えば、超ワガママなTOPに、アレやコレやを絶え間なく投げ込まれ続けるものの、きっちりタフに対処し続ける番頭さん的な人とか。
ここで重要なのは、ただの「俺プロ社畜なんですわ!(ドヤァ)」みたいな自虐的ワーカーホリックな人ではありません。そのタイプな人が体調崩したり、心の病でリングアウトするケースも山ほど見てきました。真にすごい人は心身リスクもヘッジしながら、ライフワークバランスも保ちつつ、ハイパフォーマンスを維持するセルフマネジメント力も兼ね揃えていたりします。

デキるベテラン仕事人3つの要素

私の考える「デキるベテラン仕事人3つの要素」は以下です。

①タスクはキャパギリギリまで詰める
②大量タスクの優先順位が俯瞰できている
③それでもタスクが溢れた時は他リソースの力を借りる

割とあたりまえじゃん、という箇条書きですが、以下で3つの特徴を仔細に解説していきます。

①タスクはキャパギリギリまで詰める

コレは第一関門というか大前提みたいな要素です。
「働きたくねえ」「楽してぇ」という態度は、「成果・結果は出したい」とセットで業務効率化に繋げられるのであれば、ある意味正しいです。が、「成果・結果とか数字とかもうぜぇ」という人はエクセレントな仕事人には絶対成り得ません。
本記事は「組織人として」という前提ですので、「働きたくねえ」「楽してぇ」で益を得たいなら、個人で達成する方法も昨今様々あるので、今すぐサラリーマンを辞めることをお勧めします。

よく仕事上の業務負荷を「車の速度とエンジンの回転数」に例えることがあるのですが、管理職なら「2000回転で80km/h」で通常業務しなくてはならない、と伝えています。
なぜならトラブルが起こったときや、業務的正念場があるなど、突発的な優先順位高のタスクが発生し、介入しなければならないとき、自分の業務だけで「レッドゾーンいっぱいタイヤ空転でオーバーヒート寸前」だとヘルプに入ることすらできません。
「タスクはキャパギリギリまで詰める」は「ずっとレッドゾーンでベタ踏みしろ!という意味ではなく、自分の処理能力や業務量を掌握し、本当のキャパオーバーポイントがどこなのかを高精度に自覚してた上で「攻める」です。
当然キャパと処理能力は、仕事人レベルに合った能力を保有しているが前提です。

ここにはプライベートも加味しても全くもって問題ないと、個人的には考えています。冠婚葬祭、家庭・パートナー対応、大切なライフワークイベントなどは、仕事の犠牲になって良いものではありません(後から絶対後悔します)。1日は24時間、手足は2本づつ、人間のキャパには限界があります。そこも大いに加味するべきです。

前提が長くなりましたが、その上で「タスクはキャパギリギリまで詰める」です。
エクセレントな仕事人は、オーダーに対して自身の保身からくる「NO」は絶対言いません。何でもかんでも「YES」というのもバカっぽいですが、ちゃんと「できないではなく、できるように考える」精神が備わっています。個人の保身よりも、事業として、チームとしてやらなければならないことを把握・理解し、行動しています。

②大量タスクの優先順位が俯瞰できている

「①タスクはキャパギリギリまで詰める」の結果、なかなかの量のタスクが入ったタスクリストを常に抱えることになります。

誰しも仕事人駆け出しの時に、タスクの量に忙殺されて残業続きになったり、土日にもタスクが溢れたり、スケジュールが守れず遅延したり、という経験をしたことがあると思います。タスクがうまくこなせないという要因は以下だと思っています。

  1. そもそもやるべきタスクが正確に摘出できていない

  2. タスクは摘出したが整理されていない

  3. タスク同士の関連性が把握できていない

  4. タスクの重要性・重みづけができていない(「後入れ先出し」の概念がない)

私も仕事人生の中で「タスク管理をどのようにするか?」というテーマにずっと取り組んできたような気がします。(様々なツールややり方を試しまくりました)
私の最新のタスク管理方法は「Googleカレンダーに全てを突っ込む」を主軸とする運用に落ち着きました。そのサブツールとしてChatWorkのタスクづけや、Backlogの担当者割り当てや、各種定例会議の議事録・議題(Googleドキュメント・スプシ)への記載、コメント、メンション付けなどを活用しています。(最終的にGoogleカレンダーに集約)

またWBS、プロジェクトマネジメントの概念も必要です。
めっちゃ古い自分の記事ですが、読み返してみても、今なお本質だと感じるので参考資料として貼っておきます。

話を戻すと、仕事人初級のメンバーを見ていると「1.〜3.」がまだ自分のモノになっておらずグシャってるケースが散見されます。
これは空手の正拳突きの鍛錬と同じで、「反復しまくって自分の正拳突きが板につくまで頑張れ」としか言いようがないです。がんばれ。

が、最近認知したのですが「4.タスクの重要性・重みづけができていない(「後入れ先出し」の概念がない)」ベテランが結構存在します。

自分は駆け出しの頃から「タスクは”後入れ先出し”ができて一人前」という教育を受けてきたので当たり前なのかと思っていました。
しかし、人気ラーメン店主のように「どんなVIPだろうが行列の割り込みはさせねぇ。最後尾から並びな!(ドォォン)」みたいなタスク管理観の人がいます(驚)。

そういう人は決まって、上席からの信頼を得られていません。
上席からの差し込みタスクを、人気ラーメン店の行列の如く最後尾に配置するので、程なくイラついた上席から「お前あのタスクいつになったらできるんだよ!」と怒られます。
「上見て仕事してるわけじゃないんで。それダセェっす(キリリ)」と最もな事を言い出しますが、カッコつける割には上席オーダーの事業にとっての重要性まで理解できていない場合がほとんどです。

コレはあくまで一例ですが、タスクの本質的な重要性から優先順位を鑑みて「後入れ先出し」ができる思考体力、柔軟性、意思決定力は非常に重要なスキルです。

そして付け加えると、全力疾走中でも全体が俯瞰できる強靭な「仕事体幹」も大切です。
仕事人初級の駆け出しが、タスクにまみれて何やってるのか何が何だかわからない!というパニックに陥る事はよくあります。
スポーツで言えば、体幹の筋肉が弱いので、横からプレスを受けるとフラついてすぐ倒れるみたいな感じですね。
コレがベテランになって鍛えられていると、多少プレスがきたところで倒れず、いなしながらドリブルを続けることができる、という感じです。

本記事では「ベテラン」という言葉を多様していますが、ビギナーが色々できないのは当たり前だと思っていますし、鍛えれば伸びしろがあります。しんどいのは、ベテランなのに基礎ができていないケースです。

最近「高松さんはベテランに厳しいですよね」とガチめに会社で言われますが、そりゃそうです。ベテランこそちゃんと組織の役に立たねばならないと(自分もベテランなので自戒を込めて)。
こちとらハナからジョブ型です。ぶら下がって楽したいなら今からでもメンバー型の会社に行け、と(もう時既に遅しですが)。

その辺の話はこちらの記事からどうぞ。

③それでもタスクが溢れた時は他リソースの力を借りる

思ったより文字量が多くなって自分でもびっくりしていますが、これが最後の要素です。

①タスクはキャパギリギリまで詰める
②大量タスクの優先順位が俯瞰できている

①、②の仔細を言語化してきましたが、この態度とアクションを持ってしても、タスクが自身から溢れてしまうことがあります(むしろ積極的に仕事をしていれば、そうなる方が自然)。最後の「③それでもタスクが溢れた時は他リソースの力を借りる」が一番重要な要素かもしれません。

仕事の種類によりけりですが、僕の生業であるWeb制作事業であれば様々な打ち手があります。

  1. 上司に助けてもらう

  2. 組織的に並列な仲間に助けてもらう

  3. 他部門に助けてもらう

  4. 外部パートナーに助けてもらう(発注する)

組織としてレポートラインである上司に報告するのは当たり前ですが、業務が溢れた後の対策を全て上司に委ねるというのは(ベテラン)実務者としては無責任だと僕は思っています。

少なくとも上申する時は「部門内、部門外でもヘルプしてもらえるリソースがないか確認してみたのですが、各所繁忙期で余裕がなく、外部パートナーAであれば ¥○○○ぐらいのコストで対応可能という返事はもらっているのですが、¥○○○を外注原価として許容いただくことはできませんか?」ぐらいまとめてきてほしいものです。

そしてさらに大切な事は、内外のリソースをいざという時に活用できるように、常に(自分で)「仕入れ」「育成」を行うという事です。

「仕入れ」とは、内部であれば常に横のつながり、近隣部門と戦略的に交流を図り、いざという時に力になってもらえる信頼関係を築くことです。
外部であれば、TPOに合わせたパートナーとの出会いに常にアンテナを張り、お試し発注する機会を伺い続ける、ということです。

「育成」とは、内部でも外部でも同じく、実際の業務の終わりに、振り返りとFBを行い、次回連携時にもっとお互いにとってスムーズで生産性の高いアクションが取れるように、積み上げ型の改善を弛まなく行う事です。戦略的に仕事の節目で食事や呑みに行くことも価値があるでしょう。

つまり、仕事場の愚痴を言い合う、傷の舐め合いな仲間を作ることではなく(まぁそれも時にして必要ですが)、「自分の業務と事業貢献を助けてくれる仲間を増やす」という事です。

ありがちな文句としては、「自分にはリソースを動かす権限がありません。」等という輩もいます。
まぁ確かに「権限」はないかもしれませんが、権限を持っている上司に「きっちり段取りできておりますのであとはハンコください」という権利までは奪われていないはずです。
上司は部下のサポーターではありますが、靴もカバンもランドセルも全部お膳立てしてくれる過保護ママではありません。部下の業務への「意思決定とチェック」が上司の本質的な役割です。

最後に

この①、②、③が合わせ一本で「デキるベテラン仕事人3つの要素」だと思い、土曜日の午後にワーっと筆を走らせました。乱筆乱文最後までお付き合いいただいた方、ありがとうございます🙇

きっと業界・業種、お立場によってこの記事の感想は違うのだろうと思いますが、まずは等身大の今の自分の言葉で書き切りました。
何か思うところがある方はSNSのコメントなどでリアクションいただけると嬉しいです😀。

それでは皆さん良い週末を😘

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