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Dear Kobe,

コービーへ
あなたはずっとぼくの憧れでヒーローでした。
10歳の時プレーをテレビで見てからなので、ファンになってもう18年になります。

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子どもの頃は毎日学校から帰るとあなたの活躍をチェックし、その結果に一喜一憂し、あなたのプレーを何度も何度も繰り返し見るのが日課でした。そしてコートに行ってはあなたのように上手くできませんでしたが、華麗なフェイドアウェイやダブルクラッチを真似して時間を忘れて練習していたのを思い出します。

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また、子どもの頃はあなたの華麗でかっこいいプレーに憧れていただけでしたが、あなたがどれだけ本気でバスケットボールに向き合っているのか、どれだけ細部にこだわって練習へ取り組んでいるのか少しずつ知るようになって、あなたへの憧れの気持ちは次第に尊敬へと変わっていきました。
学生時代にあなたと出会えて本当に良かった。あなたのファンで本当によかった。
あなたから大事なことをたくさん教わることができ、本当に幸せでした。ありがとう。

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そしてコービー。
あなたの最後の勇姿をステイプルズセンターで観ることができたのは自分にとって一生の宝物です。

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あなたが引退を発表した日、その日がそう遠くないことは覚悟していたものの、いざ伝えられると寂しい気持ちから涙が止まりませんでした。そしてその時、今までの感謝とお祝いの気持ちをどうしても伝えたいと思い、日本からロサンゼルスへ向かうことを決意しました。

正直に言うと、最後はプレーを見られないかもしれない。そのことが頭をよぎりましたが、あなたのプレーを見られなくても構わない。
あなたに感謝の気持ちを直接伝えられればそれで良い。引退発表があってからそう思いながら毎日を過ごしていました。

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しかし、あなたはそんなことを許しませんでした。どんなに身体が痛くて酷いプレーをしようとも、今までと変わらず最高の準備と最大限のケアを応援に駆けつけてくれるファンのために最後まで怠りませんでした。
そしてまた、最後の試合に全てをかけていました。
裏側では家族の支えがあったことを永久欠番のセレモニーで話してくれましたね。

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その結果、ウイニングショットを含む60得点。世界中のファンの想像を遥かに超えてスポーツ史に燦然と輝く最高のパフォーマンスで最後を締めくくりました。
そして最後にまたコービー・ブライアント、マンバメンタリティとは何なのか証明してくれました。

正直、試合が始まる前も試合が始まってからも勝ち負けに関わらず何本かシュートを決める姿を見られれば。わずかに望むだけでした。あまり大きな期待はせずそのくらいの気持ちでした。しかし…

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“俺は誰だ?コービーだぞ”
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そんな会場の雰囲気を知ってか、そう言わんばかりのプレーでチームを引っ張り、最後の最後に自らの力で記念試合をかつての緊張感ある、ファンが勝利を渇望する試合にしてくれました。

闘志を剥き出し、試合に勝つためにリングにアタックし続ける。殺気溢れんばかりのそんな姿を見て、最後にまたかつての気持ちで応援することができ最高のプレゼントをもらいました。本当にありがとう。

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コービー。
私はいま日本でコーチをしています。
あなたが選手引退後、改善を進めようとしていたユース世代のコーチです。
今、日本でも子どもたちが健全にスポーツができるよう、取り巻く環境の改善が始まりつつあります。
しかし、あなたも感じていたようになかなか簡単には変わりそうにありません。
私は偉大なあなたのように大きな影響力があるわけではありません。
でも、少しずつ自分ができることから頑張っていきます。
あなたの意志を継ぐ仲間たちやファンと一緒に。

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まだまだ話したいことはたくさんありますが、これを最後にしますね。
私は今この手紙をステイプルズセンターの前で書いています。

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みんな言葉にできない悲しみに暮れています。

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あなたの名前を呼んでいます。

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ジアーナちゃんのこれからも含めて、あなたはまだまだやりたいことがたくさんあったはずです。

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闘争心の塊で常に今を全力で生きてきたあなたにかけられる言葉が今の私には見つかりません。しかし、あなたから大切なことをまた新たに教わった気がします。

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“今を全力で生きること”
“家族を大切にすること”

この2つです。あなたからの最後の教えを胸に刻み、毎日を精一杯生きていきます。

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これからもずっと、
人生の師(メンター)でいてください。
コービー。ありがとう。
これからもずっとずっと大好きです。
               渡邊 崇雅

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PS レイカーズの練習施設に日本で出版されたあなたの本を置いてきました。手紙をその中に挟んであります。メッセージも書いてきました。
また読んでもらえると嬉しいです。

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