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【スキーオフトレ】#04体幹機能を高める1st ステップ

スキーヤーに必要な体幹機能(安定)を高める為には、横隔膜を始めとする体幹筋群の協調が重要です。
今回は腰痛予防や膝痛予防にも関係するスキーヤーにはとっても大切な体幹の安定性についての記事です。

⒈安定性がない事のデミリット

目的の動作(荷重動作やスクワットなど)に対して、「動き過ぎて欲しくない関節<安定>」が動き過ぎてしまうことで、

  •  動作が非効率になる(力の伝達や受け取りにロスが生じる)

  • 特定部位の偏りにより「痛み」が発生する

というデメリットが生じます。

動作の非効率化はターン動作で考えるなら、「板がたわみづらい」、「重心が不安定になる」などの現象が起きます。

少し分かりづらい為、デコピンを例に・・・
胸にデコピンします。人差し指と薬指をしっかりと胸に安定させておくと強くデコピンできます。

人差し指と薬指を胸から離してデコピンしようとすると、

・強くデコピン出来ない。←動作の非効率。
・何回か行うと前腕の辺りが疲れる。←特定部位の偏りにより「痛み」の発生。

この様に「動作」はある部位が<安定>し、ある部位が<可動>する事で効率良くなります。

デコピンなら、人差し指と薬指が<安定>して中指が<可動>します。

実際のスキーのターン動作ではどこが<安定>すると良いでしょうか?

⒉体幹安定の為にはIAP(腹腔内圧)

安定させるべき部位は腰椎付近です。

体幹を滑走中に安定させコントロール出来れば、外力に対応しながらより精度の高い滑りが出来ます。

体幹不安定で起こる滑走時のエラー

安定する為には、「腹腔内圧(Intra Abdominal Pressure)」を高める必要があります。

IAP(Intra-abdominal pressure)とは、日本語で腹腔内圧と言います。これはお腹の中の空気圧を指します。

なんだそれ? 

ですよね。

いろはすのペットボトルを思い描いてください。

水が空のいろはすのペットボトルは簡単に潰れます。

水が入っていると、外力に対して中から抵抗し原型を留めようとしてくれます。

この構造が人間の体幹と似ています。お腹の中の圧を高めた状態では、前後・左右・上下の様々な筋肉がお腹の中の圧を逃さない様働いてくれます。

こうする事で、体幹(腰)は安定します。
腹腔内圧を高める為には、お腹の内圧を高める呼吸機能や前後・左右・上下の様々な筋肉が働ける様な姿勢の正常化が必要です。

⒊体幹の安定性と横隔膜

息を吸うと横隔膜は収縮し下部へ下がります。

横隔膜が下がると圧が押し下げられます。
押し下げられた圧は骨盤底筋群とぶつかり360°分散されます。
分散された圧を腹壁筋群が逃さないように受け止めることで腹部内部での圧力が高まります。

上から下へ押し込む部分が横隔膜。下側が骨盤底筋群。ぐるっと360°前側が腹筋群(腹横筋など)、後側が背筋群(多裂筋や胸腰筋膜など)です。

横隔膜の働きによって高くなった腹腔内圧を周りの筋肉が抑え込むことで圧は保たれます。

呼吸は1日2万回以上行うと言われています。
呼吸に携わる横隔膜が正常に機能していないと、どこかの筋肉がそれを補ってしまいます。
呼吸の正常化はトレーニング以外の日常動作にも関わってくる為、非常に大切です。

⒋体幹を安定させる方法

お腹に360°空気を入れる(横隔膜を下げる)トレーニングから始めると良いです。

ただ、以前の記事で紹介しましたが肋骨と骨盤を正しい位置にセットできる体の状態にする必要があります。

ほとんどの方が猫背姿勢や反り腰姿勢になっています。

IAP /仰向け→片脚上げ下げ

・両膝を立てて仰向けに寝ます。
・呼吸時におへその下側を上に持ち上げるイメージで腹部を360°膨らませます
息を吐く時は肋骨とお腹の境目がないずん胴の状態です。(たくさん凹ましたり、お腹の前だけ膨らませない)
・呼吸を続けましょう。
・リラックスして呼吸が出来るようになったら、台座を無くしても出来る様にします。この時にモモ前に力が入らない様に。
・次に片脚づつ上げ下げします。常にお腹は360°膨らませます。
※鳩尾辺りの腹直筋や首に力が入らない様に行いましょう。

スキーの為の体幹トレーニングとは、腰椎周りの体幹を安定させることが重要です。
安定のさせ方はIAP(腹腔内圧)を意識してみましょう。

フィジカルコーチ 大野高峰ジュニア〜シニアスキーヤー/スキービギナー〜全国大会入賞などの競技スキーヤーや技術選プレーヤーをグループ指導やパーソナル指導する中で私が経験し勉強してきたことをお伝えできたら幸いです。
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日々の活動で考え、感じたことを共有します!! 大学や高校の部活動にてフィジカルコーチ(トレーナー)として活動しています。都内のジムでパーソナルトレーニングの指導も行ってます。特にスキー選手を指導する機会が多く、私自身も元アルペンレーサーです。