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Brick, Snow, & Flower (1987)

高野寛
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※試聴版。オリジナル版(02:11)は購入後に視聴可能。

デビューの前の年のインスト。この曲は今でも、いい曲だなと思う。
メロディを弾いているマンドリンみたいな音は、「Hullo Hulloa」のジャケットで手にしている14弦ギター。四天王寺の朝市で¥5000で買ったのを、自分なりに調整して弾いていた。http://goo.gl/eGaCGa
正体不明。詳しくはこちら。https://goo.gl/jW39nV

打ち込みにもだいぶ慣れ、YAMAHA SPX90というマルチエフェクターを手に入れて、デジタルリバーブ(ゲートエコー)をよく使ってた頃。BメロでTR-909のリムショットの連打が左右にパンしてるのは、たぶんミックスの時に手動でパンのツマミを動かしたんだと思う。ストリングスのアレンジも、なかなかいい。

余談。
この時代の日本の大型スタジオのコンソールにはコンピュミックス(コンピューター制御の自動ミックス)の機能があったのだが、1989年、91年のトッド・ラングレンのスタジオにはそれはなく、レコーディングは手動のコンソールで行った。

「紳士同盟」だったか、トッドに「俺はフェードアウトのマスターフェーダーをいじるから、君はパンを動かせ」と言われて、二人で卓の前に並んでミックスしたのは良い思い出。

今じゃそんな全ての機材がソフトに置き換えられてパソコンの画面に入ってしまった。便利だけど、二人がかりでミックスするなんてシチュエーションはありえない。そう、昔の録音には、ライブ感があった。

トッドのスタジオはマルチもマスターもアナログで、マスターテープをカミソリで「すっ」と切る手つきが手馴れていて、ああ、70年代の人だな、と思った。

そういえばトッド・ラングレンのスタジオにも、民族楽器が何本か、壁にかけてあった。中近東っぽいやつだった。トッドが民族音楽に凝っているイメージはあまりなかったけれど、確かにソロアルバムには時々そんなフレーバーがある(「ア・カペラ」はジャケ写も含め、エスニック濃度が高い)。壁の楽器は、革が破れたり、ひび割れていた。

この14弦ギターの音はCD化された音源には残っていない。90年代以降全然弾いてなかったので、10年くらい前に引っ越しの時、クラムボンのミトくんに無理やりプレゼントした。今頃どっかの倉庫の片隅で、ひび割れているかもしれない。
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