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ふたたびギャラリーへ。

 Collaboration Project with MASATAKA CONTEMPORARY Vol.3

ギャラリー事始めは、こちらから。
日本橋の「マサタカ・コンテンポラリー」と
ライズ・ギャラリー」が作家を入れ替えて展示するプロジェクト(6月13日〜7月3日)の三回目。

「ライズ・ギャラリー」での展示は、次の六名。


大本幸大

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彼とは、マサタカでの展示の際にお話した記憶がある。
精緻な筆致で描かれる、人の負なるもの。
硬質なコンクリート打ちっぱなしの壁面の中にすら、
潜んでいるかと思わせる、生の性が描かれているようだった。


<ミルヨウコ>

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宇宙のように孤独を思わせる空間の中で、
光を纏う少女。
視線はまっすぐこちらに向けられ、
口元は、何かに抗う意思で結ばれている。
胸元には一羽の兎が顔を覗かせている。
中国や日本では、兎は月の象徴だ。
彼女は月の住人なのか。
西洋絵画では、兎は「多産、豊穣、好色(色欲)」の象徴として
描かれることがある。
眩く発光する中で、あずかり知らぬ顔を見せる兎。
だが、兎は抱かれてはいない。
少女の両手は身体(光る草?の中にあって見えない)から分離され、
飛び去ろうとする蝶を捕まえようとしているのだ。
その瞬間にも、少女は鑑賞者から目をそらすことはない。


<島田かなへ>

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愛犬ビーグルがスウェーデンの街並みに紛れ込んでいる。
そこは現実の都市のようには思えない。
人気(ひとけ)や音、匂いがきれいサッパリと奪いされている。
ビーグル犬は、ある画で、窓越しに外を見ている。
なぜ、そこにいるのか。窓越しに外を見るビーグルは
微笑んでいるようにすら見える。
視線は向けられていないが、街には鴨が歩いている。
ビーグルと鴨。狩猟の関係かと思いきや
ビーグルが追いかけていたのは、もっぱら野うさぎらしい。
ビーグル犬は、旅をする作者の分身なのだろうか。


<Roco Asada>

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少女が夜空を飛ぶ? 浮かぶ? 包まれる?
星を指差し、やがて星を抱く。
星を指差し目指している一枚には、希望が見える。
が、いざ、星を手にした少女は困惑気味の表情を見せている。
何かを手に入れることは、必ずしもハッピーではないということなのだろうか。


<しもかわしょうこ>

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「引き染め」という技法を使った作品だとある。
刷毛を一気に引き、染料を染み渡らせる技法だ。
その上に、背景と同系色の線で人物が描きだされている。
軽やかな筆致の印象の割には、
存在感が十分ある。
後ろからの風雨のなか佇んでいる少女(少年?)の画が好きだ。


<高田茉依>

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仮面、仮面、仮面。ペルソナ、ペルソナ、ペルソナ。
見られている、見られている、見られている。
作品に向き合っているというよりは、
私は徐々に無数の人に鑑賞されているような気分になってくる。

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