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「生物体」であり「生活体」である。

【Diversity on the arts project_2019】
ケア原論「介護の目的論の理解と対象論」
飯田大輔さん(社会福祉法人福祉楽団理事長)

飯田さんのケア原論二回目。

何を対象にケアをするのか。
「認識過程」に働きかけるのは、主に臨床心理士。
「生命過程」に働きかけるのは、主に医師。
「生活過程」に働きかけるのは、主に福祉士。
「社会課程」に働きかけるのは、主にソーシャルワーカー。
多分に混在している面もあるのだろうが、ケアは「生活過程」に働きかけるものだという。

そのとき、人の二つの側面を考えないといけない。
それは「生物体」としての人間と「生活体」としての人間だ。
「生物体」としての人間にあるのは、限りなく共通であること。
誰もが酸素を取り込み、二酸化炭素を排出するといったようなこと。
「生活体」としての人間にあるのは、限りなく個別性をもっていることだ。
たとえば、あなたと私の入浴の仕方は決して同じではない。

そして、ケアの現場では、
「生命力の消耗」を最小限にしようとしたとき、
この両方をバランスよく見ることがとても重要になってくる。

こんな話から「睡眠」の意味や「終末期のケア」といったトピックス、
観察論の意味するところなど、重要なテーマが次々と語られた。
「死は病気ではない」
なるほど。

しかしながらそれは「生物体」としての話であって、
「生活体」としてはややこしい。
われわれは社会的な物語の中で行きているからだ。

講義の最後の方で、飯田さんが「西洋の時間軸には馴染めない部分がある」というような話をされていた。私はその話を聞きながら中沢新一の「野生展」やハルシャの「ふたたび生まれ、ふたたび死ぬ」といった作品を思い出していた。

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