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2021年8月の読書振り返り

8月のペースを残り4ヶ月もキープすれば年内の読書目標に達するんですよ。ちなみに去年は秋以降に読書量が激減しましたが...。


インスタグラム:野望の果ての真実

インスタグラムの創業秘話的な本だが、インスタグラムは創業からFacebookへの売却まで非常に短いので、本書は主に「売ったあと」の話になっている。どう考えても文化が違うよなーと当時思ってたけど、本書を読んで「やっぱりなー」という感想。それでもお互いに歩みよったり、利用したり絶妙なバランスで数年はやっていたんだなと知った。だがどうしても価値観の違いは埋められないよなーと。この本を読むと「ザッカーバーグ、嫌なやつだなぁ」って思っちゃうかも笑

とりあえず本書を読み終えた後は「もっと創業の理念に近い、気軽にクリエイティブに楽しもう」って思った。

ベトナムを知れば見えてくる日本の危機

ネットベンチャー界隈においては14,5年前に一度盛り上がったベトナムだが、近年再び盛り上がりをみせている気がする。そんなベトナムについて前 駐ベトナム全権大使の方が書いたのが本書。

日本がベトナムとの関係を重視しているとの主張は確かに客観的事実からも推測される。歴史的に中国に対して警戒し続けてきた国なので、近年の中国の周辺国家への影響にも一定の距離を置いてる点など、参考にできる部分はありそうな気はする。

とりあえず日本にいるベトナム人(主に技能実習生)の待遇改善は急務だよなとは思う。

医療の外れで: 看護師のわたしが考えたマイノリティと差別のこと

日頃僕らは病院や医者に対して好き勝手に不満を言っている(もちろん感謝もあるが)。一方で「中の人」から見える景色は僕らから見える景色とは全然違う。本書はその「中からの景色」がリアリティある描写で書かれている。

看護師である著者の主張は概ね納得感がある。それは僕の実妹が看護師だからということもあるかもしれない。ヘルステックやD2Cなど、中からはこうやって見えてるんだなと改めて思ったし、彼女が言うのは至極真っ当な意見だなと思った。

医療に対しての「ゼロリスク信仰」や生活保護の問題など「たしかに」な内容も多く、個人的には良い本だと思った。

THE KING 金正恩: 危険なゲーム

北朝鮮、金正恩についての目新しい記述というのは多いわけではないが、周辺国の姿勢などを含めてこうして北朝鮮についてまとまった本もあまり無いので、そういう意味では貴重な一冊なのかもしれない。

料理人藤本氏の著書なども引用されていて、カーネギー財団の研究員さんがそんな怪しい本を参考にしていいの?とも思ったけど、それだけ北朝鮮の中の情報というのは少ないんだろうな。

とりあえず韓国が弱腰で、アメリカ(トランプ)が無能で、中国、ロシアが接近してるということはわかった。

無理ゲー社会

「格差」が生じてしまうというのはある程度やむを得ないこと、と考えて生きてきた。なぜかというと「頑張った人と頑張ってない人の間には差が生まれるし、それが格差になるならしょうがないだろ」という論理。

頑張ってなかった20代中盤。月に数万しか稼いでいない時期も長かった。そこから一転して必死に頑張った20代後半からの人生。それこそ心を病み、体も病みながら頑張ってきた。別に今も特段裕福ではないけど、問題なく暮らすことができている(むしろ今以上を特に望んでいない)。これは「頑張った」からであり、そこで「格差」が生まれるのはしょうがないよね、と自身の経験からもそう感じていた。

しかしよく考えると、20代中盤までの僕は「頑張り方を知らない」だけだったような気もする。そういう人が浮上するきっかけも無く、「頑張ってない人たち」として括られ、格差が生じてしまうのはちょっとおかしいのかな?と感じるようになった。

人生を経て、いろいろな経験や知識がついてきて、また心痛めるような事件などを目の当たりにして、少しずつ自分の考えも変化していった。少なくとも、頑張った、頑張ってないで格差が生じるというという構図は間違いっぽいとは理解してきた。そして世の中には経済的だけでなく、様々な場面において「格差」は存在する。前述の20代中盤の僕には「機会」の「格差」もあったのかもしれない。

と、まぁ本書の直接的な感想ではないが、いろいろと考えさせられる一冊ではあった。

ビジョナリー・カンパニーZERO

実は『ビジョナリー・カンパニー』シリーズはこれまで読んだことなくて、今回が初。多くの起業家が『ビジョナリー・カンパニー』に影響を受けたと言っているし、僕自身、組織構築には興味があるので長年気にはなっていた。しかし手に取ることは無かった。

今回新刊が出たというので何となく購入して読み始めたが、びっくりするくらいの素晴らしさ。これ、もし10数年前に読んでたらもっと違った結果を出せたんじゃないか?という気持ちになった。もしくは(いろいろ経験した)今だから内容が染みる可能性もある。何にしても名著なのは理解した。

読んだことはなかったけど、なんとなく自分が普段言ったり、やったりしてることに近い気がした。それだけにめちゃめちゃ個人的に刺さった。引用したい箇所はたくさんありすぎるのでここではやめておくが、今後も何度も読み返していこうと思う。

そしてこれは会社のマネジメントにおいて役立つだけでなく、個人の活動にも役立つ。まずは自分自身のビジョンを制定するところから始めてみようかと思ってる。


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