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2024年旅行業界で注目の7つのキーワード

先日発表された11月の訪日外客統計は10月に続き2019年とほぼ同数となり日本の旅行業界もようやくコロナ禍を脱しました。
インバウンドをはじめとする観光は日本の数少ない成長産業として再び注目を集める一方、オーバーツーリズムやインフレ、円安によるアウトバウンドの大幅減、などコロナ前とは旅行を取り巻く環境は大きく変わっており、来年も変化の大きい年となる可能性が高いです。そんな旅行業界で個人的に来年のキーワードを紹介していきます

1:中国

日本のインバウンドにとって最も影響が大きいのは中国の動向と言っても過言ではないでしょう
11月の統計でも中国人観光客の数は2019年比で3割程度と依然旅行者数では少ない状況となっています。中国国内の観光はほぼコロナ前のレベルまで戻っているようですので来年、特に旧正月に当たる春節にどの程度中国人の海外旅行が戻るかは来年の訪日外国人数という点では大きなポイントではないでしょうか
ただ、スローダウンしている中国経済の景気動向、若者世代の20%以上の高い失業率、台湾などとの緊張状況、さらには中国人の消費動向などがコロナ禍を經て急速に変わってきているようなので中国人観光客が戻ったとしても依然と同じ戻りかたにはならないのではないかと思います。

2:人手不足

今年を通して観光業会を問わず大きな話題となっていた人手不足は来年も大きな課題となると思います。
今年もホテルが人手不足のために稼働率を上げられないなどの状況が顕在化していましたが来年年初から2019年を上回るレベルのインバウンドが日本を訪れる場合、さらに状況は悪化する可能性が高いです。人手不足のために売り上げが立てられるずに経営難に陥るホテルや観光系の企業が出てくる可能性があります。
また来年は運送の2024年問題というドライバーの労働時間に対する規制が始まるためバス運転手などの確保がさらに困難になる可能性が非常に高いです
観光地レベルでは、大型のホテルなどが夕食を宿泊者数分対応できず、近隣の飲食店も人手不足の状況により、「夕食難民」となる旅行者が出てくる可能性が高く観光地レベルでの満足度の低下につながる可能性が高いです

3:インフレ

観光業界の料金は高止まり、一部人気の日程・地域では更に高くなると思います。中国などのインバウンドが戻ると人気観光地のホテル料金はさらに上がる可能性があります.
また人手不足だけでなく、食品などでも値上げは続いているため、あらゆるものが値上げせざるを得ない状況になりますが、値上げに伴う品質を維持できないサービスは評価が大幅に下がるリスクが高くなると思います.
あえて集客を絞って価格を上げた分の満足度を維持するなど、キャパシティコントロール・レベニューマネジメントが経営者にとっては今まで以上に重要になる可能性があります

4.高付加価値化

高付加価値化は引き続き観光業界では重要なキーワードになると思います。
物価上昇、少子高齢化による人手不足のマクロ環境の中で労働集約型の観光業は生産性を上げて収益力をあげていく必要がありますので、薄利多売のビジネスモデルではビジネスを維持していくことができません。
ただ単に値段をあげるのではない、付加価値をあげるノウハウがより一層求められていくことになると思います。
値上げに成功し消費者に受け入れられる企業は収益性を今まで以上に高めることが可能になるので付加価値の高いサービスを提供できる企業にとっては大きな成長のチャンスになると思います

5.デジタルテクノロジーの活用

テクノロジーの活用は企業の競争力を大きく左右するキーワードになると思います。
値段をあげることと同等に効率化によるコスト削減がインフレ時代の企業には求められると思いますが、テクノロジー活用が収益アップにもコスト削減についても重要なキーワードとなると思います。
今年話題になったChatGPTなどのAIは日本の人手不足の課題を解決する手段になる可能性もありますしコロナ禍で導入が進んだ観光施設のオンライン予約システムなどはすでに一部の企業の収益アップの原動力となっています。
ただ、日本の旅行業界でのデジタルの活用度合いはまだまだ高くはないためデジタル技術の活用とリテラシーの向上は重要な課題となると思います

6.ソーシャルメディア

インスタグラムなどでの「映え」が流行語にノミネートされたのは6年も前の2017年ですが引き続き様々な形でソーシャルメディアは人々の旅行動向に影響を与える可能性が高いです。
近年では、インフルエンサーが紹介する旅行商品を通じて収益化するアプリやツールも多数出てきており、インフルエンサーが旅行代理店のような存在になってきていると言われています。
また旅行のきっかけがテレビなどのオールドメディアからソーシャルメディアによるもの移ってきており旅行業界にとって欠かせないマーケティングチャネルになりそうです

7.パッションエコノミー

日本語で馴染みのあるキーワードに置き換えると「コト消費」だと思います。
今後、旅行の動機の変化がより一層顕著になると思います。今年顕著に感じた変化が旅行の目的の変化です。
依然のように「どこどこに行きたい」から「なになにをしたい」とWHEREからWHATに目的が大きく変わってきているように感じます。
「陶芸家と巡る日本ツアー」、「エミリー、パリに行くツアー」のようなテーマ性が強いツアーから、2200万人が応募し話題になったテイラースウィフトのシンガポール公演のように個人の嗜好に紐づいた旅行の傾向はより強くなる可能性が高く、タビナカの体験やアクティビティは観光地が選ばれるために重要な要素となってくると思います。

日本は今年発表されたありとあらゆる行きたい場所ランキングで上位にランクインしていたことから日本のインバウンドが2019年を超えるのはほぼ確実ではないかと思います。ただ変化が激しい現代においては常にトレンドや世の中の流れにアンテナを貼っておくことが日本の観光立国にとっても重要だと思います。

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