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特別展「少女たち」鑑賞レポート@京都文化博物館

京都文化博物館で開かれている特別展「発掘された珠玉の名品 少女たち 夢と希望・そのはざまで 星野画廊コレクションより」。
素晴らしい展覧会だった。 
有名か無名かを問わず、画商・星野桂三オーナーと妻の万美子さんの審美眼によって集められた名品を紹介。

明治、大正、昭和、3つの時代のうねりの中で忘れ去られてしまった実力ある画家たちが描くさまざまな女性の姿、121点が展示されている。
 
音声ガイドは、なんと関西テレビの関純子アナウンサーと豊田康夫アナウンサー!お二人の楽しい掛け合いによって作品への理解がさらに深まるので、是非音声ガイドを借りてほしい。
 
私は最初の作品の前で足がピタっと止まってしまった。
明治時代の画家、笠木治郎吉さんの「下校の子供たち」
1899年(明治32年)ごろの作品である。
笠木さんの作品は水彩とは思えない!
おそらく膠を水彩絵の具に混ぜているのだろう。
まるで油絵のように細密に描かれている。

「下校の子供たち」は、こんな情景だ。
尋常小学校の校門前で、小さな女の子が立っている。
頭には紫色っぽい頭巾をかぶり、風呂敷包みを背負って、
腰から算盤と「明治32年清書双紙」と書かれた紙の束を下げている。
女の子の後ろに見える校舎は茅葺屋根で、男の子たちが門から出てくる。
そして、この女の子がなんとも誇らしげに目をキラキラ輝かせて堂々と立っているのだ。足元にはタンポポの花。新1年生なのだろう。
笠木さんは、学校に通う女の子の姿に「明治」という新しい時代を描こうとしたのかもしれない。
 
他にも笠木さんの作品は1本1本の網を丁寧に描き込んだ「網を繕う漁師の娘」や、姉さんかぶりで、赤い襷をかけて花を摘む少女の姿などを生き生きと色鮮やかに描いている。

女性を描いた絵画は「美人画」ばかりではないはず。
どんなに美人でも美しくない人もいれば、美人でなくても美しい人はいる。
例えば舞妓さんを「美人」として描いても、もちろん良いのだが、
1人の人間として捉えた作品を集めているのがこの展覧会の特徴である。

「発掘された珠玉の名品 少女たち 夢と希望・そのはざまで 星野画廊コレクションより」

京都文化博物館で9月10日(日)まで開かれている。
時代の香りを感じながら、それぞれの時代を「美しく」生きた女性の姿を是非ご覧いただきたい。
 

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