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=LOVEアリーナツアー2024「Tell me what's more than "LOVE"」武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ【昼の部】

イコノイジョイの現場に行くたびに入場の際の仕切りが悪いなと思う。それは多分、他のアイドル現場と比べて観客の女子率、リア充率が高いからだと思う。男のオタクなら別々に入場して場内で会うということもあるが、女子やカップルはグループで行動するからどうしても列や入口を塞いでしまう。それが混雑の原因となっているのは間違いないだろう。女性アイドル(声優系含む)のライブで男子トイレが比較的スムーズに利用できるところなんて他にはあまりないしね。それだけ、女子率が高いということだ。

というか、イコラブの女オタって自分勝手なのが多いね。座席に着く時に人の前を通る時は、“すみません”とか言ったり、お辞儀したりするものでは。あと、女オタオタとかいてうぜぇ!



ライブ自体はそんなファン層の変化を如実に感じるものだった。

最近のイコラブのCDシングルの表題曲には、コール・MIXやクラップ、シンガロングといった積極的な応援の入り込む余地の少ない楽曲が多い。

これは、女性ファンや非オタの男性ファンが増え、一種のファッションアイコンとしてイコラブを支持している層を意識したものであることは間違いないと思う。

とはいえ、こうした最近ファンになった人たちがリアルタイムで接した楽曲ばかりをやっていてはライブは盛り上がらない。特に2021年までにファンになった人からすれば、ここ数年の女子受けする楽曲ばかりのセトリはつまらないと思う。
しかし、最近ファンになった人たちが聞きたいのはそうした最近の曲だ。両方の属性をある程度満足させるには、最近の楽曲も2021年までの楽曲もある程度やらなくてはならない。その妥協案として採択したのがフルコーラス歌唱をせずに曲数を増やす方式なのだろう。
昼夜2公演で毎回フルで25曲以上やるのは体力的にも無理があるから、AKBグループのライブでおなじみのワンハーフ(ワンコーラス+大サビ)などフルコーラスでない披露の仕方にするしかなかったってことなんだろうね。

とはいえ、確実にファン層の変化は感じざるを得なかった。
“手遅れcaution”ではサビのところで、振り付けに合わせてファンがペンライトを掲げるのがお約束になっていたが、客席をざっと眺めてみると、そういう応援をしている人は少数派だ。
また、“いらないツインテール”では、サビのあるパートでファンがクラップして一体感を高めていくのが、こちらもお約束となっていたが、あまり、クラップの音は響いていなかった。

まぁ、ここ数年でファンになった人にはコロナ前の現場で作られたお約束なんて関係ないし、運営サイドはこういう層をコアなファン層にしようとしているんだから、こうなるのは当然なんだけれどね。

でも、だったら、メンバーが、“もっと声出せますよね?”みたいなコロナ前からのアイドルライブでおなじみの煽りをやるのはやめた方がいいと思うんだけれどね。

それから、これまでのセトリのセオリーを明らかに逸脱している点も目立った。

2018年の“Want you! Want you!”はK-POP風のMVを作ったり、歌詞に韓国語を取り入れたりしたことから、イコラブが本格的に女子受けを意識した初めての楽曲と言っていいと思う。

これにより、プロデューサーの指原莉乃のファンに多かった老害ネトウヨ思想のおっさんオタの多くを排除することに成功した。
そして、この曲はイコラブのライブには欠かせないキラーチューンとなった。指原莉乃が所属していたHKT48で言えば、“最高かよ”とか“桜、みんなで食べた”あたりに匹敵する楽曲だ。

これをあえてやらないというのは古くからのファンに媚びないという宣言なのだと思う。

これまで、本編ラストとかアンコールで披露されることが多かったデビュー曲“=LOVE”を本編ラストの一つ前という中途半端な位置で披露したのも、ここ最近、衣装チェンジの時間稼ぎのダンスパフォーマンスと合わせて披露されることも多かった“CAMEO”をセトリから外したのもそういう趣旨だろう。

セトリの組み方を積極的に変えているのは古いファンを排除するためなんだと思う。

でも、現状では盛り上がるのは2021年までに発表した曲だし、盛り上げているのは排除されつつある男のオタクなんだよね。

アンコールの時に、指原莉乃経由のオタクが重視するメンバーが十分に休息を取るまでアンコールを発動してはいけないという考えの者、一般的な邦楽や洋楽のライブ、というかアイドルでもAKBグループ以外では当たり前の本編が終了しメンバーがはけた瞬間からアンコールを求めるという考えの者、その両者が場内で争う場面があった。その一方で、女オタはほとんどアンコールの声も出さなければ拍手もあまりしていなかったようだ。

ファンが分裂しているようにしか見えない。

AKBグループのノリを引き継ぐのか、非オタ受けを意識するのか、女子ファン拡大路線を極めるのか、そろそろ、明確に決めないとイコラブは失速していくだけだと思う。

現時点ではFRUITS ZIPPERは世間的には一発屋に近い扱いだからそれほど驚異ではないかも知れないが、もう一発当たればあっという間に立場は逆転してしまうと思うし、iLiFE!や高嶺のなでしこだって強敵だ。

イコラブはきちんとビジョンやポジションを明確にすべき時期が来たと思う。
というか、姉妹グループの≠MEや≒JOYに抜かれてしまう恐れだってある。イコラブの女子受けアピールに嫌気がさしている男のオタクはだいぶ前からノイミーやニアジョイに主軸を置くようになっているしね。





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