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ワンダーエッグ・プライオリティ 特別編

「ワンエグ」って、「エヴァ」や「ハルヒ」、「まどマギ」なんてあたりに並ぶコンテンツになれるはずだったのに、それを自ら逃してしまった作品という感じがする。

最初はなんだかよく分からないが、謎が謎を呼び、思わず考察したくなるストーリー展開やキャラクター設定にはまっていく。
しかも、そのストーリー展開は、通常のアニメなら、キャラクタービジネスの観点から避けるようなことまで平気でやっている。

少なくとも、テレビシリーズ7話まではそうした内容にワクワクしていたアニメファン、サブカル好きは結構いたはずだ。
そして、これが社会現象になっていないのは勿体ない。これを初放送時に見ていたことは後々、威張れることだぞと思っていたのではないだろうか。

ところが、その思いは8話の放送によって失われてしまった。
まさかの総集編だったからだ。
シリーズの途中で総集編が挟まるアニメは他にもある。でも、きちんとエピソードとしてカウントするアニメは少数派だ。
普通は7話と8話の間に総集編を放送した場合は7.5話みたいなカウントをするか、あるいは、エピソードナンバーをふらないが、本作は堂々と8話と宣言していた。

これで興味を失ったファンは多かったのではないだろうか。
2クール放送のアニメがクールがわりで総集編を流すといった場合は別だが、1クールアニメの途中で総集編が入るのは、制作進行の遅れで穴埋めのためにやっているというパターンがほとんどだと思う。

本作は全12話と告知されていたのに、8話を名乗る総集編が放送されてしまったから、それを見た多くの視聴者は、総集編込みの全13話になるのかと予想したりもした。

しかし、総集編も込みで当初の予定通り全12話で放送終了することになった。そうなった要因は、放送枠の後番組の放送開始日をずらせないという大人の事情によるものであることは間違いない。

そうなれば、終盤戦の脚本をいじったりして、本来なら残り5話で描くはずだったストーリーを実際の残りエピソード数となった4話でまとめるのが普通の対処だと思う。

ところが本作ではそれをしなかった。アニメの脚本家ではない、大御所扱いの脚本家である野島伸司が脚本を書いているから、アニメ制作側としては、彼が書いたものを縮めたいと進言することができなかったのではないだろうか?

なので、中途半端な状態で終わった12話を最終回として、いったんシリーズを終え、特別編という形で本来描かれるはずだったシリーズの完結を後日改めて放送するということになってしまった。

そして、その特別編が放送された。

放送枠が1時間枠になっていたので、そりゃそうだよねと思った。12話の時点では多くの謎が未解決のままだったからね。
とてもではないが、30分枠では収まらないくらい、解決していない出来事だらけだった。

ところが、その特別編を見ると、半分は総集編だった。
そりゃ、シリーズの放送から3ヵ月経っているから忘れてもいるし、今回、たまたま見た人にチャンネルを変えられないようにするには、その必要があったというのも理解できなくはない。

でも、それって、結局、制作進行の遅れで放送された総集編の有無にかかわらず、これが本来の30分枠で放送されるはずだった最終回ってことでしょ。

12話の時点よりは多少は進展したといはいえ、相変わらず、多くの謎は未解決のままだし、しかも、終わり方は打ち切られたジャンプ漫画の最終回によくある、“オレたちの戦いはまだまだ続く”系のやつだし、全然、話がまとまっていないよね。

それって、野島伸司は全く話をまとめる気がなかったってことだよね。そして、彼が大物だから、こんなクソなまとめ方の脚本にNGを出せなかったってことでしょ。

野島がまとめられないんだったら、他のライターに書かせて、劇場版とか金曜ロードショー枠で放送のSPとかで、きちんと尺を取って完結編を作るべきだったと思う。

7話までは、語り継がれるアニメになれるはずだったのに、制作進行の遅れと、野島が最後をきちんとまとめられなかったせいで、もう既にオワコンになってしまった感がするな。

ED曲「Life is サイダー」だって、作品が盛り上がればもっとヒットできたはずの良曲なのにね。

斉藤朱夏と楠木ともりが参加しているんだしね!

まぁ、朱夏が演じた“かわいい”リカちゃんは当たり役だったとは思うけれどね。キャラデザを見た時に、多分、朱夏が演じるのはこれだろうなと思ったのがリカだったが、配役を見たら、予想通りだったからね。

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