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イコライザー THE FINAL

今の映画は女性に媚びた作品だらけだ。
日本ではイケメン俳優さえ出しておけば信者化したファンが見てくれるとしてヤマもオチもイミもないヤオイ映画ばかり作られている。
米国ではハリウッドの主流派であるリベラル思想の連中によるポリコレ至上主義が貫かれ女性の権力を訴える作品だらけだ。

しかし、そんな中、野郎くさい映画を作り続ける監督がいる。それがアントワーン・フークアだ。本作を含む「イコライザー」シリーズ、「荒野の七人」のリメイク「マグニフィセント・セブン」、デンマーク映画のリメイク「THE GUILTY/ギルティ」、ボクシング映画「サウスポー」、どれも男優のスクリーン占拠率の高い作品だ。

そんな彼が今度はマイケル・ジャクソンの伝記映画を作るというのだから驚きだ。ボビー・ブラウンとかなら分かるんだけれどね。

そんな、30代以上の男性映画ファンに支持される作品を連発するフークア監督の最新作、しかも、人気の「イコライザー」シリーズの続編を見た。

原題は「イコライザー3」なのに、邦題は勝手に「THE FINAL」となっていることに関しては賛否両論あると思う。
ラストシーンを主人公・マッコールがシチリア島で余生を過ごそうと決意した場面と捉えれば「THE FINAL」でいいんだけれど、行きつけになったカフェにマイスプーンを置いていこうとして仲良くなった店員に“忘れているよ!”と言われるやり取りがある。そう考えると、マッコールは去ろうとしていたようにも見えるんだよね。勿論、それで去るのをやめ、シチリア島にとどまることにしたと解釈することもできるんだけれどね。だから、この邦題はどうなんだろうかと個人的には思う。

というか、マフィアの連中や腐敗した警察署長以外のほとんどの住民とマッコールは懇意になっていて、マフィアとマッコールの対決の場面を多くの住民が目撃している。しかも、その後にマフィアの連中が謎の死を遂げているのに、誰もマッコールのことを殺し屋扱いせず仲良く接しているのは謎だ。

過去2作でも確かに表の方の仕事ぶりは町の人々にも信頼されていたけれど、プライベートはどちらかというと孤独なイメージじゃなかったっけ?「イコライザー」シリーズってそんな映画だったっけ?久しぶりの続編だからイマイチ、世界観を忘れかけていたが…。

それから、シチリア島を舞台にしてスケールアップしたせいか、ちょっと地味な「ボーン」シリーズのようになってしまったような気もするのだが…。

あと、マッコールの出番、そんなに多くないよね。そのせいもあってか、男くささは過去2作より抑えられているようにも感じた。

まぁ、つまらないわけではないんだけれどね。

というか、これって、西部劇でよくある悪徳一味や汚職保安官によって治安が悪化した町にふらりと流れついてきたガンマンがその町の悪事を一掃する系の話だよね。
もしくは、「必殺」シリーズなどに代表される裏の顔を持つダークヒーローが悪人どもを退治していく系の作品。

やっぱり、フークア監督って、オーバー30の男が好きなタイプの作品を撮らせたら現在のハリウッドではピカイチだよね。かつてのウォルター・ヒル監督辺りのポジションなのかな。

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