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唐人街探偵 東京MISSION

「唐人街探偵」シリーズの過去2作品は見ていない。というか、1作目は日本では映画祭でのみの上映だし、2作目は一般公開もされるようだが現時点ではまだされていない。
ぶっちゃけ、長澤まちゃみが出ていなければ見ることはなかったと思う。

それにしても、全く文化の異なる米国や欧州の映画人が日本で撮影した作品のみならず、文化や容姿が近い東アジアの作品でも日本で撮影するとおかしなものになっていることが多いよね。
まぁ、海外ロケをした日本の映画やドラマもおかしな描写だらけだしね。

中華圏の作品でいえば、ジャッキー・チェン、サモ・ハン、ユン・ピョウのビッグ3が共演した1985年の香港映画「香港発活劇エクスプレス 大福星」もおかしな作品だったけれどね。
お化け屋敷で「Dr.スランプ アラレちゃん」の着ぐるみが出てきたりとかヘンテコ描写のてんこ盛りだったしね。

中国と日本の経済力が逆転した現在でもそうしたおかしな描写は変わらない。というか、中国映画界は日本映画界よりも金があるから、おかしな描写もスケールアップしているという感じだ。

まぁ、面白いからいいんだけれどね…。
でも、中国人に“日本は無法地帯”とか、“日本はヤクザまで高齢化社会”とか言われると、ちょっとムカつくかな。

そうした勘違いした日本を描いた外国映画に見慣れた都内の風景が出てくるというのは不思議な感じだ。まぁ、エンド・クレジットのオマケの集団群舞を見ても分かるように、実際にロケした映像とCG合成の映像とかまぜられているんだけれどね。

でも、「燃えよデブゴン TOKYO MISSION」(これも邦題のサブタイトルが表記は違うけれど東京MISSIONなのかよ!)は、セット撮影やCG合成したシーンはいかにも実際に現場で撮っていないというのが丸分かりだったが、本作は結構、境目なくうまく処理されていたと思う。予算があるんだろうね。

それから、自動通訳機を耳にすれば相手の言葉が分かるという設定はズルいな!日本人俳優は中国語の台詞を話す量を減らせるし、中国人俳優も日本語の台詞を覚える必要がないし、国際的なスタッフ、キャストが集まる作品ではそういう設定というのはずる賢いかもしれないが、ありかもしれないなと思った。

あと、ライバルのような友のような関係の探偵たちが時に協力したりする展開とか、本当の敵は謎の組織だったりとか、「名探偵コナン」を想起させる設定がいくつもあったように思えた。まぁ、謎の黒幕みたいな存在が出てくるのは、「シャーロック・ホームズ」の時代から探偵モノには欠かせない要素なのかもしれないが。

本作で一番感心したのは、長澤まちゃみの巨乳を作中できちんといじっていることだ。日本の作品じゃ、なかなか、そういうことはできないよね。
しかも、一番おいしいところをもっていくのもまちゃみ。まちゃみが思いの丈を語るシーンはうかつにもウルウルしてしまった…。まちゃみの演技を見て泣いたの初めてかも。

そして、意外と社会派映画の要素も持っていたりもする。日本ではすっかり忘れ去られてしまった残留孤児問題を扱っていたしね。80年代までは日本のテレビニュースや新聞でも取り扱われていたテーマだけれど、孤児の高齢化などに伴って、すっかり忘れ去られてしまったが、中国は今でもこの問題を忘れていないってことなんだろうね。

それにしても、本作で使われていた楽曲の数々には驚いた。日本を舞台にした作品ということで、「聖闘士星矢」や「ちびまる子ちゃん」といったアニメの主題歌が出てくるのは想定範囲内だったが、まさか、“人間の証明のテーマ”まで流れるとはね…。しかも、きちんとママ絡みのシーンで流れる…。

そして、ラストには“ヒール・ザ・ワールド”まで流れるしね!もちろん、マイケル・ジャクソンの正規音源で。昔の香港映画なんかだと無許可で洋楽曲を使っていたりもしたけれど、こうした現在の国際プロジェクトではそうもいかないから、きちんと許諾を得たってことでしょ。使用料だって安くないはずだから、やっぱり、中国映画界って金あるよね!

ところで、エンド・クレジットに使われていた♪こんにちわトーキョーみたいな歌詞の曲、あれは何だ?結局、同じ東アジアの中国から見ても日本って摩訶不思議な国ってことなのかな?


《追記》
何で中国映画って、エンド・クレジットに出てくる協賛企業のロゴってカラー表示なんだろうか?
日本映画や米国映画だと白字が基本だから、目立って仕方ないんだよね。まぁ、ヨーロッパ映画でもカラーで出てくるけれど、中国映画って協賛企業の数が尋常ではないから、カラーのロゴが延々と出てくると下品に見えるんだよね…。

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