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君が心をくれたから

このドラマの感想を一言で言えば、“うーん…”に尽きるだろう。

第1話の時点で多くの人に指摘されていたが、主人公(ヒロイン?)が、好きな人の命を救った代償として五感を順次失っていくという展開はやはり見ていて気持ちのいいものではない。
病気でなくなるならともかく、そうでないというのは実際に障害のある人やその家族、恋人などからすれば、障害を感動ポルノとして消費されているように感じるのではなかろうか。特に、⚫︎⚫︎の機能を失うまで、あと何日、あと何時間とカウントダウンするのは障害をエンタメ化していて良くないよね。
しかも、主人公だけでなく、彼氏まで(途中までは煮え切らない関係だったが)色覚異常という病を抱えているというのはやり過ぎだ。

さらに、五感を失う主人公がパティシエを目指し、色覚異常の彼氏が花火師を目指しているというのもかなりめちゃくちゃな設定だ。

あと、主人公の母親が彼女を虐待していたという設定も、今は精神をやんで入院しているという設定もいらない。

何でもかんでも同情したくなるような暗い設定を詰め込めばいいってものではない。

それから、永野芽郁にしろ山田裕貴にしろ若手俳優(33歳の山田裕貴を若手として語るのはどうかという気もするが)だから、アラサーになった現在も約10年前の高校生も演じられるというのは当然と言えば当然なんだけれど、ただ、過去のエピソードと現在の話が行ったり来たりする話だし、どちらかと言えば2人とも童顔だから、制服を着ていれば別だけれど、そうでなければ、瞬時で高校時代のシーンか大人になってからの場面かが分かりにくいというのも問題だと思う。

こういう構成の場合は別の役者を立てるか、衣装や髪型、メイクなどを時代で思いっきり変えるかしないとダメだと思う。

というか、このドラマ、主人公を彼氏の方にした方が良かったのでは?
終盤、感動的だったのは、主人公と彼氏を見守る天使みたいな存在の案内人と呼ばれる2人組のうち、女性の方に絡んだシーンばかりだった。

そりゃ、彼女が実は彼氏の方の母親だったわけだから泣かずにはいられないよね。

かつての夫(彼氏の父親)が何となく霊的なものを感じて彼女に語りかけるシーンとか、息子(彼氏)を救うために天界のルールを破って自らを成仏させる展開とか涙なしでは見られないからね。

どう考えても、こちらの方に主軸を置いたストーリーにした方が評判は良かったと思う。

そして、このドラマがダメになった最大の要因は長崎を舞台にしたことだと思う。

長崎の風景や名所を見せるためのパブ案件にしか見えないんだよね。地方都市で五感を失った女性と色覚異常の男性のラブストーリーって、こんな綺麗事では済まないと思う。

パティシエを目指すものの彼氏の命を救うために五感を失う契約をした主人公という設定にどうしてもしたいのなら、東京の話で良かったのでは?

花火師を目指す彼と、彼を影から見守る天使的な存在になった母親の話なら、色覚異常の設定を除けば長崎でもいいと思うが(信号の赤も見えない人が花火を作るのは無理だしね。しかも、車社会の地方だし)。

それにしても、永野芽郁って、本作もそうだし、「半分、青い。」や「ユニコーンに乗って」もそうだが、クソ脚本のドラマにちょいちょい巻き込まれてしまうよね。そのせいで、彼女の演技も評価されないからね。もう少し、仕事は選んだ方がいいと思う。
余談だけれど、彼氏の妹役の出口夏希が今田美桜っぽいのも紛らわしいなと思ったりもした。今田美桜が永野芽郁と共演経験あるから、そう見えてしまうんだよね。

《追記》
宇多田ヒカルの主題歌提供が話題となったけれど、単なるBGM扱いでちらっと流れるだけという使い方で良かったのだろうか?







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